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掲載日:2016/01/20

日本経済団体連合会、『2015年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況』調査結果~賃金決定の要素、「企業業績」「世間相場」「経済・景気の動向」に次いで「人材確保・定着率の向上」が上昇~

一般社団法人 日本経済団体連合会は、団連企業会員および東京経営者協会会員企業482社を対象とした『2015年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果』を発表しました。

 

Ⅰ.調査の基本事項
調査目的:
昇給やベースアップなど月例賃金引上げの実態と動向を把握し、今後の参考とするために1953年より毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,906社
調査時期:2015年5月29日~6月25日
回答状況:集計企業数482社(有効回答率25.3%)
(製造業49.8% 非製造業50.2%、従業員500人以上規模79.0%)

 

Ⅱ.調査結果の概要

1. 賃金決定にあたって主として考慮した要素(2つ回答)
本項目の調査を開始した2009年以降、「企業業績」(63.8%)が最も多く、そのほか「世間相場」(47.0%)、「経済・景気の動向」(21.0%)を加えた3要素が上位を占める傾向に変化はない。そのなかで、2014年は考慮した要素の6番目であった「人材確保・定着率の向上」(14.9%)が6.1%ポイント増え、3要素に次ぐ4番目となった。

 

2.月例賃金引上げの実施状況
「昇給・ベアともに実施」した企業は、大幅な増加となった2014年(53.1%)からさらに増え、64.8%にのぼった。「昇給実施、ベアなし」(35.2%)とした企業とあわせると、本項目の集計企業(219社)すべてで定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給など、月例賃金の引上げを実施した。

 

3. 月例賃金引上げの状況
2015年の月例賃金引上げは、額で7,308円、率で2.4%となり、引上げ額は、1998年(7,937円)以来17年ぶりに7,000円を超えた。

昇給とベースアップの区別のある企業を対象に、月例賃金引上げの内訳をみると、総額7,341円(2.39%)のうち、昇給分は6,001円(1.95%)、ベースアップ分は1,340円(0.44%)であった。昇給分は2014年とほぼ同水準となった一方、ベースアップ分は405円(0.14%ポイント)増え、総額の2割弱(18.3%)を占めた。

 

4. 月例賃金の引上げ額の分布状況
上位3つの分布をみると、2014年は5,000~8,000円であるのに対し、2015年は6,000~9,000円となり、分布が全体的に上方へシフトしている。また、10,000円以上の分布についても13.1%と2014年(9.9%)と比べ3.2%ポイント増加した。

 

◆本調査の詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。

(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /1月19日発表・同社プレスリリースより転載)