「バックオフィス業務の課題とアウトソーシングの利用」に関するアンケート調査
約3割のバックオフィス業務担当者が業務のアウトソーシングサービスを利用していると回答!
従業員数500名以上の企業では約5割の利用率となり、企業規模が大きいほどアウトソーシングを利用している傾向に
建物のリノベーション、オフィス構築、バックオフィス業務のアウトソーシングを通じて「より良い場」を創造する建築会社の株式会社GOOD PLACE(旧株式会社コスモスモア、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:枝廣 寿雄)は、財務・経理・人事・総務・労務といったバックオフィス業務に携わる600名を対象に、「バックオフィス業務の課題とアウトソーシングの利用」に関するアンケート調査を実施しました。
矢野経済研究所の発表※では、2022年度の人事・総務関連業務のアウトソーシング事業の売上高は前年度比7.0%増、2023年度は同6.7%増であり、働き方改革に取り組む企業の増加や就労人口減少等の影響で、今後も更なる市場拡大が予想されています。バックオフィス業務のアウトソーシングサービスを提供して25年以上の実績を持つ当社では、人事・総務関連業務のアウトソーシングサービス需要が高まっている現状をうけ、バックオフィス業務の担当者が業務で抱えている課題やアウトソーシングサービス利用者の実態を探るべく、今回の調査実施に至りました。
■調査結果サマリ
1) バックオフィス業務に携わる担当者が抱えている課題は「人手が不足している」が34.7%で最多。次いで「仕事が属人化している」が30.8%、「業務の範囲が広い」が28.5%と続いた。従業員数別にみると、企業規模によって課題が異なる傾向がみられた。
2) 課題に対する取り組みは「スキルを持った人材の中途採用」が37.7%で最多。「業務のアウトソーシング」の利用率は34.6%である一方、従業員数500人以上の企業では約5割となり、企業規模が大きいほどアウトソーシングサービスが利用されている傾向がみられた。
3) 業務のアウトソーシングを利用している理由は「人手不足解消のため」が56.2%で最多。次いで、「単純作業を依頼し、コア業務へ集中するため」が45.9%、「繁忙期の一時的なサポートのため」と「専門スキルの不足を補うため」が42.5%で続いた。
4) 業務のアウトソーシング利用者の8割以上が、サービスに満足していると回答。
※)矢野経済研究所「2024 人事・総務関連業務のアウトソーシングビジネス調査レポート」およびプレスリリース「人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査を実施」より
■調査結果詳細
1) バックオフィス業務の担当者が抱える課題
バックオフィス業務の担当者に業務の課題をたずねたところ「人手が不足している」が34.7%で最も多く、「仕事が属人化している」が30.8%、「業務の範囲が広い」が28.5%と続きました。
回答者の企業規模ごとに課題をみると、従業員数1~99人の企業では「人手が不足している」が30.6%で最多に。次いで「業務マニュアルがない」が28.6 %、「業務の範囲が広い」が28.2%。100~499人の企業では「人手が不足している」が33.1 %で最多に。次いで「仕事が属人化している」が34.7%、「業務の担当領域が多い」が33.1%。500人以上の企業では「仕事が属人化している」が38.1 %で最多に。次いで「人手が不足している」が37.7 %、「業務の範囲が広い」が29.6%という結果になりました。
社会全体で懸念されている人手不足に共通の課題意識がある一方、従業員数によっては「業務マニュアルがない」や「業務の担当領域が多い」といった回答が多く、企業規模によってそれぞれ抱えている課題が異なりました。
2) 課題に対する取り組み
課題解決のためにどのような取り組みをしているのか質問したところ、「スキルを持った人材の中途採用」が37.7%で最も多く、次いで「業務支援ツールの導入」が36.8%、「業務の棚卸やタスク管理」が36.2%と続きました。
「業務のアウトソーシング」は全体で5番目に多い34.6%という結果に。回答者の企業規模ごとにアウトソーシングの利用割合をみると、1~99人の企業で約2割、500人以上の企業では約5割と企業規模が大きくなるにつれて特に利用されている傾向がみられました。
3) アウトソーシングの利用実態
「業務のアウトソーシング」を利用していると回答した方に、サービスを利用している理由を聞いたところ「人手不足解消のため」が56.2%で最多でした。次いで「単純作業を依頼し、コア業務へ集中するため」が45.9%、「繁忙期の一時的なサポートのため」と「専門スキルの不足を補うため」が42.5%で続きました。
4) アウトソーシングサービスの満足度
「業務のアウトソーシング」を利用している方にサービスの満足度をたずねたところ、「とても満足している」37.7%、「どちらかというと満足している」46.2%を合わせた83.9%が「満足している」と回答しました。
コメント・解説
ソリューションPM部サービスカウンター課課長 原田 真友子
大手企業と中小企業で、バックオフィス担当者の基本的な業務内容が大きく変わることはありません。しかし調査結果にもあるように、業務上の課題や課題解決の取り組み方には企業規模による違いが生じます。大手企業の場合、企業規模が拡大していくにつれて労働環境の整備や福利厚生の充実が求められます。中小企業であれば、そもそも組織で共有しているのではなく、一部の担当者が複数のバックオフィス業務を兼任しているケースもあります。このように、企業規模によってバックオフィス担当者に求められる役割や環境が異なるため、課題感に差異が生まれたのではないかと思います。
また今回の調査では、企業規模が大きくなるにつれてアウトソーシングが利用されていると結果がでました。例えば大手企業では、ボリュームのある定型化された事務業務や従業員サービスの向上につながる窓口業務において、欠員補充などの際にコストパフォーマンスの面から中途採用よりもアウトソーシングや非正規社員の雇用が選択されることが多いです。これに対して中小企業では、個人の業務における責任範囲が広いため人材を獲得する際には中途採用を選択することが多いですが、一部のルーチン業務や従業員からの問い合わせの一次窓口などを切り出し、必要な分だけアウトソーシングを活用するケースが見られます。このように、アウトソーシングに求める役割や解決したい課題も大手企業と中小企業で異なるため、サービスの利用割合にも差が出たのではないかと考えます。業務のアウトソーシングを検討されている方は、まずバックオフィス部門全体の業務量の把握や業務の課題感を洗い出し、求める役割と費用感を明確にしたうえで、希望に合致するサービスを探してみてはいかがでしょうか。
調査概要
調査内容 :バックオフィス業務の課題とアウトソーシングの利用に関する調査
実施期間 :2024年8月9日(金)~8月11日(日)
調査対象 :東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県在住の財務・経理・人事・総務・労務担当者600名
調査手法 :インターネット調査
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社GOOD PLACE /11月7日発表・同社プレスリリースより転載)