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掲載日:2024/01/27

「企業の新卒採用における生成AI(ChatGPT等)利用実態」に関する調査

新卒採用に関する業務で生成AIを利用している企業は約1割
学生が就活で生成AIを利用することについては、約7割の企業が肯定的


株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社の合弁会社:株式会社ベネッセ i-キャリア(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:乾 史憲)が運営する、新卒向け就活サービス「doda新卒エージェント」及び新卒オファーサービス「dodaキャンパス」は、顧客企業を対象に、「企業の新卒採用における生成AI(ChatGPT等)の利用実態」について調査しましたので、結果をお知らせいたします。

【調査結果サマリー】
・新卒採用に関する業務において、生成AI(ChatGPT等)を利用している企業は全体の11.4%
・学生が生成AI(ChatGPT等)を利用することについては、「積極的に利用するべき」(6.3%)、「必要に応じて利用しても問題ない」(64.2%)となり、約7割の企業が学生の生成AI利用について肯定的という結果に
・企業側は、学生が就活のどのような場面で生成AI(ChatGPT等)を利用するのが望ましいと考えるかについては、1位「業界・職種研究」(26.2%)、2位「企業分析」(22.5%)
・企業や学生の生成AI(ChatGPT等)の利用が進むことにより、採用要件(求める人物像)に変化が生じるかについては、半数以上が「わからない」(54.5%)と回答。「いいえ」(36.4%)が「はい」(9.1%)を大きく上回る結果に

【主な調査結果】
▶新卒採用に関する業務において、生成AI(ChatGPT等)を利用している企業

ベネッセ i-キャリアの顧客企業を対象に、新卒採用業務に生成AI(ChatGPT)を利用しているか聞いたところ、88.6%の企業が「いいえ」と回答。「はい」は11.4%となり、企業での利用は約1割にとどまることが明らかになりました。
「はい」と回答した企業の具体的な利用場面の1位は「スカウト文面の作成」(33.3%)、2位は「募集要項の作成」(30.3%)でした。また、65.0%の企業が生成AIを利用することで「プラスの影響があった」と回答、その理由については、1位「面談・面接などの対面コミュニケーションにかけられる時間が増えた」(35.0%)、2位「採用基準の言語化・標準化に役立った」(25.0%)となりました。また、75%の企業が生成AIの利用によって業務効率化が進んだと回答しています。

▶学生の生成AI(ChatGPT等)の利用について、企業としてどのように考えるか
学生の生成AI(ChatGPT等)利用について企業の考えを聞いたところ、「積極的に利用するべき」(6.3%)「必要に応じて利用しても問題ない」(64.2%)となり、約7割の企業が利用に肯定的であることがわかりました。
就活のどのような場面での生成AI(ChatGPT等)利用が望ましいと考えるかについては、1位「業界・職種研究」(26.2%)、2位「企業分析」(22.5%)となりました。
一方で、学生が就活で生成AI(ChatGPT等)を利用すべきでないと回答した企業にその理由を聞いたところ、半数以上の企業が「生成AIに頼らず選考に臨んで欲しいと考えるため」(52.1%)と回答しています。

▶学生の生成AI(ChatGPT等)の利用が進んでいる今、企業として対応を検討していること
学生の生成AI(ChatGPT等)の利用が進んでいる今、対応を検討している(もしくは対応が決まっている)ことについて聞いたところ、約半数の企業が「対応の予定はない」(47.7%)と回答。何らかの対応を検討している企業においては、「『面接』など対面形式の選考に重きを置く」(17.0%)、「対応を検討しているが、具体的に決まっていない」(13.8%)が上位となりました。

▶企業や学生の生成AI(ChatGPT等)の利用が進むことにより、採用要件に変化が生じるか​
企業や学生の生成AI(ChatGPT等)の利用が進むことにより、採用要件(求める人物像)に変化が生じるかについては、半数以上が「わからない」(54.5%)と回答。また、「いいえ」(36.4%)が「はい」(9.1%)を大きく上回る結果になりました。

【dodaキャンパス編集長 岡本 信也 コメント】
今回の調査では、新卒採用に関する業務で生成AI(ChatGPT等)を利用している企業は、全体の約1割にとどまるものの、65%の利用企業においてプラスの影響があったことが明らかになりました。
2023年7月に学生に対して実施した調査*では、就活に生成AIを利用しない理由について「(企業側の評価など)就活に利用することに対する懸念や不安」をあげる学生も多くいましたが、今回の調査では7割の企業が学生の生成AI利用について肯定的という結果になりました。
また前回の調査では、就活に生成AIを利用しないと回答した学生にその理由を聞いたところ、「就活は極力自分の力でやりたい」が上位となりました。これは今回の調査で、学生は就活に生成AIを利用するべきではないと回答した企業の約半数が理由にあげる「生成AIに頼らず選考に臨んで欲しいと考えるため」と一致しています。
今回の調査から、就活での生成AI利用は「業界・職種研究」や「企業分析」で利用するのが望ましいと考える企業が多いことも明らかになりました。学生は生成AI利用の有無にかかわらず、収集した情報を自身の就活にどのように活かしていくかが、今後ますます重要になってくるでしょう。
生成AI(ChatGPT等)の利用に関しては、国や社会として明確な方針やガイドラインが定まっておらず、リスクも想定しきれていないため、採用活動への利用については様子見という企業も多いことが伺えます。
現時点では個人情報/プライバシー情報などがすべてデータ化されるリスクもあります。学生の就活での利用についても、利用時にはリスクや、不確実・信ぴょう性のないものも含んだ膨大なデータをもとに予測した結果であることを理解した上で、利用することが大切です。また、日ごろから情報リテラシーを高めていくことも今後より重要になってくるでしょう。
*就活におけるChatGPT(生成AIサービス)の活用実態調査(大学3、4年生対象)


【調査概要】
調査期間:2023年12月14日(木)~12月23日(土)
調査対象:「doda新卒エージェント」「dodaキャンパス」を利用している企業(1社1回答)
調査方法:Webアンケート回答方式
有効回答数:176社
回答企業属性:
〈業界〉IT・通信(24.4%)、メーカー(15.9%)、商社(10.8%)、金融(1.7%)、建設・プラント・不動産(17.6%)、コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ(1.7%)、人材サービス・アウトソーシング・コールセンター(5.1%)、小売・外食(6.3%)、運輸・物流(4.0%)、教育(1.7%)、その他(10.8%)
〈規模〉3,000名以上(3.4%)、1,000名以上3,000名未満(1,000~2999名)(9.7%)、300名以上1,000名未満(300~999名)(18.8%)、100名以上300名未満(100~299名)(36.9%)、50名以上100名未満(50~99名)(17.0%)、50名未満(1~49名)(14.2%)

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社ベネッセ i-キャリア/ 1月24日発表・同社プレスリリースより転載)