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掲載日:2023/12/07

職場の派閥に関する調査

職場における派閥はなくならない?派閥のメリット・デメリットと個人の葛藤

「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2023年10月17日(火)~23日(月)「“派閥”に関する調査」を行いました。
職場に潜む"派閥"、それは時に連帯感やサポートの場となり、一方で業務の円滑性を阻害する要因ともなり得ます。株式会社識学が行った最新の調査で、20代~50代の会社員の約22.2%が派閥の存在を認識。しかし、派閥に対する感情は複雑で、52.7%が「あった方が良い」と回答する一方で、50.0%が「円滑に業務ができない」との見解を示しました。組織文化と個人の葛藤が交錯する職場の実態を探ります。

今回の調査によると20代~50代の会社員に、職場に“派閥”があるかを聞いたところ22.2%の方が“派閥”があると回答しました。どのような派閥が存在しているかも聞くと、出身校同士のグループによる“学閥”が最も多く48.0%で、「所属する部や課による派閥」が44.3%と続きました。

また「派閥はあったほうがよいか」について聞いてみると、「あった方が良い」は52.7%という結果で、理由として“コミュニケーションがとりやすい”や、“助け合える”といった意見が挙がりました。
一方で、“派閥”による業務への影響についても聞いたところ、「派閥によって円滑に業務ができないと思う」と回答した方は50.0%で、さらに「派閥同士が敵対している」は57.0%、「派閥から抜けたいと思うことがある」は63.3%と、ネガティブな反応も多く見受けられました。
「あった方が良い」けれど「円滑に業務はできない」というその大きな矛盾こそが、“派閥”がなくならない根深い問題のように思えます。

<調査背景>
昨今はリモートワークの導入が増え、多様性の観点からも、より“個”が尊重される職場環境になりつつあります。とは言え、職場によっては社内調整やコミュニケーションを取りやすくするためといった理由で“派閥”という集団が少なからず生まれてくるものでしょう。最近では入社の際、履歴書に学歴を記載しなくてもよいという企業もある中で、学閥などの“派閥”は今でも存在するのでしょうか。
そこで今回は20代~50代の会社員に、“派閥”に関する調査を行いました。そもそもどのくらいの割合で“派閥”は存在しているのか、そしてどんな“派閥”があるのか、また“派閥”があることによって業務に弊害は生じているのかなど、様々に調査を行いました。

<調査トピックス>

  • 職場に“派閥”がある22.2%
    その内、自分は属していない方16.8%、自ら派閥に属している方5.4%
  • 存在している“派閥”…出身校同士による“学閥”が最多で48.0%、部や課によるもの44.3%
    → 社長派・専務派などの上長が形成する“派閥”は年代が上がるにつれ上昇
  • “派閥”はあった方が良いと思う52.7%…理由は、連帯感やコミュニケーションが取れる
  • 一方で、“派閥”によって円滑に業務ができないと思う50.0%
  • “派閥”は出世に関わるか?…「関わると思う」74.0%
  • “派閥”を「抜けたい思うことがある」63.3%、“派閥”同士が「敵対している」57.0%
    → あった方が良いという意見の一方で、ネガティブな意見も多く矛盾が生じている


<調査詳細>
Q1.あなたの職場に“派閥”はありますか。

※ここでいう派閥とは、出身・縁故・利害などで結びついた人々が形成する排他的(部外者を受け入れない)小集団のことを指します。

20代~50代の会社員の方に、職場に“派閥”はあるのかどうかを聞いたところ、「派閥はあるが自分はそこに属していない」が16.8%、「派閥があり自分もそこに属している」が5.4%と、合計して22.2%の方が職場に“派閥”があると回答しました。
男女別でみると、存在すると回答した男性は25.1%に対し女性は20.3%と、やや男性の方が多いという結果でした。また、年代別で見ると、どの年代も大きな差はなく、若い世代にも年配の世代にも少なからず“派閥”は存在しているようでした。

【以下、職場に“派閥”があり“派閥”に所属している方】
Q2.あなたの会社にはどのような派閥が存在していますか。

では、職場にはどんな“派閥”が存在しているのでしょうか。職場に“派閥”があると回答した方にその内訳を聞いてみると、最も多かったのは出身校同士のグループで形成される“学閥”が48.0%と最多で、「所属する部や課によるもの」が44.3%という結果でした。
一方で、フィクションの世界でよく見かける「社長派・専務派などの上長が形成する“派閥”」については、20代が最も低く、年代が上がるにつれてその割合が高くなるという結果でした。勤続年数を重ねることで上長とのつながりも濃くなり、それに伴った“派閥”の存在が生まれてくることが推測されます。

Q3.あなたは職場の派閥についてどう思いますか。​
続いて、“派閥”についてどう思っているのかを聞いたところ、「あった方が良いと思う」と回答したのは52.7%(あった方が良いと思う17.7%/どちらかと言えばあった方が良いと思う35.0%)でした。

Q5.業務を進める上で、派閥はどのような影響を及ぼしていると思いますか。
先ほどの設問で「“派閥”があった方が良い」という回答が過半数を超えましたが、では“派閥”は業務にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。その内訳を見てみると、「派閥によって円滑に業務ができると思う」と回答したのは39.3%で、「派閥によって円滑に業務ができないと思う」が50.0%、「派閥による影響はないと思う」は10.7%という結果でした。このことから、“派閥”は「あった方が良い」けれど「円滑に業務はできない」という大きな矛盾が生じていることがわかります。
また年代別にみると、「派閥によって円滑に業務ができないと思う」については、年代が上がる毎に増加しており、“派閥”のつながりが醸成されていくことでやりづらさのようなものが出来上がってくることがうかがえます。

Q6.あなたは派閥が出世に関わると思いますか。
続いて、“派閥”と密接に関係していることが想像できる“出世”についてはどうでしょうか。
“派閥”が出世に関わると思うかを聞いたところ、「関わると思う」が74.0%という結果でした。
会社員にとって出世は大きなステップと考える人は多いでしょう。そのことから、“派閥”の中で円滑にコミュニケーションをとり、出世ができるのであればそれをメリットと考える方が多数おり、その結果、“派閥”はあっても良いけれど、円滑に業務が進まないという大きな矛盾を生む原因となっていると推測されます。

<まとめ>
今回の調査で「“派閥”はあった方が良い」という結果が過半数を超えましたが、その“あった方が良い”という理由をみてみると、コミュニケーションやサポート、協調性の面から“あった方が良い”というだけで、決して“派閥”でなければならない理由はありませんでした。

実際に、“派閥”が業務の円滑化を妨げていたり、“派閥”同士が敵対をし、“派閥”を抜けたいと思う方が過半数を超えているように、“派閥”とは大きな矛盾の中で“あった方が良い”とされているだけではないでしょうか。
また“派閥”が大きく関わるとされた出世についても、その逆の論理で、出世できるから“派閥”があった方が良いとはならないはずです。コミュニケーションやサポート、協調性が“派閥”という存在で保たれるのではなく、円滑な社内整備によって保たれ、また出世についても、どの社員に対しても平等で明確な評価指標を設けることで、今後“派閥”という存在が徐々に小さくなっていき、やがて淘汰されていくのではないでしょうか。
 

<調査概要>
調査機関:株式会社識学
調査対象:20歳~59歳の会社員
有効回答数:300サンプル
調査期間:2023年10月17日(火)~23日(月)
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社識学 / 12月4日発表・同社プレスリリースより転載)