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掲載日:2023/08/22

2023年 転職とリスキリングの意識調査

9割が学び直しに意欲 専門スキル習得でJob型雇用に備え

キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営する株式会社ライボ(本社:東京都渋谷区 代表取締役:森宏記 以下「ライボ」)の調査機関『Job総研』は、554人の社会人男女を対象に「2023年 転職とリスキリングの意識調査」を実施しました。同調査は自身のキャリアに対する納得度や今後の転職意欲の有無、そのキッカケと求める条件及び、収入アップや新天地での活躍自信有無、さらに学び直しの意欲や身につけたいスキルとその理由、リスキリングの認知などを調査しました。


【労働市場改革の一環の支援】
学び直し(リスキリング)から転職までを切れ目なく支援し、最大56万円が補助される「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」が経済産業省主催により開始しました。これは転職を希望する人がキャリアコンサルタントに相談する費用や、新たな技能を学び直すための講座費用の一部を政府が負担するというものです。これにより硬直した労働市場を動かすことが目的ですが、実際の働く社会人にとってリスキリング支援はどの程度転職意欲に影響するのでしょうか。
そこでJob総研では、自身のキャリアに対する納得度や今後の転職意欲の有無、そのキッカケと求める条件及び、収入アップや新天地での活躍の自信有無、さらに学び直しの意欲や身につけたいスキルとその理由、リスキリングの認知などを調査した「2023年 転職とリスキリングの意識調査」を実施しました。


【TOPICS】

  • 全体の63.0%が自身のキャリアに納得派を回答。現時点の転職意欲は53.9%が「ある」を回答
  • 転職を考えるキッカケと求める条件共に「給与や待遇」が最多。「仕事のやりがい」双方で上位
  • 転職で収入アップの自信ありは49.6%。転職後に活躍する自信ありは63.0%
  • 全体の89.3%が転職時の学び直し意欲があると回答。身につけたいスキルでは「英語」が最多
  • 全体の59.2%がリスキリング支援を「知っている」と回答。「支援を受けたい」71.0%


【キャリアの納得度と転職意欲】
回答者全体の554人に自身のキャリアの納得度を聞くと、「とても納得している」7.4%、「納得している」16.6%、「どちらかといえば納得している」39.0%を合算した63.0%が“納得している派”を回答しました。“納得していない派”は37.0%でした。また現時点の転職意欲を聞くと「とてもある」15.9%、「ある」11.9%、「どちらかといえばある」26.1%を合算した53.9%が“ある派”を回答しました。


【転職のキッカケと求める条件】
転職意欲があると回答した298人にそのキッカケを聞くと、「給与や待遇への不満」が56.7%で最多になり、次いで「仕事にやりがいを感じない」が41.9%、「会社の将来性や経営への不安」が29.2%で上位3つの回答になりました。また回答者全体の554人に転職に求める条件を聞くと、「給与や待遇」が78.3%で最多回答になり、次いで「仕事のやりがい」が52.5%、「ワークライフバランス」が49.8%で上位3つの回答でした。


【転職による収入アップと活躍の自信】
回答者全体の554人に転職による給与や待遇を上げる自信について聞くと、「全く自信がない」17.0%、「自信がない」13.0%、「どちらかといえば自信がない」20.4%を合算した50.4%が“自信なし派”で過半数を占めました“自信がある派”は49.6%と回答しました。また、転職後に活躍できる自信を聞くと、「とても自信がある」7.2%、「自信がある」20.2%、「どちらかといえば自信がある」35.6%を合算した63.0%が“自信あり派”の回答をしました。


【学び直し意欲と習得したいスキル】
回答者全体の554人に転職時に学び直しをする意欲有無を聞くと、「とてもある」30.9%、「ある」29.1%、「どちらかといえばある」29.3%を合算した89.3%が“ある派”を回答しました。“ない派”は10.7%でした。また学び直し意欲があると回答した495人に身につけたいスキルを聞くと、「英語」が29.3%で最多回答になり、次いで「データ分析」が18.6%、「ITリテラシー」15.6%、「マーケティング」15.4%、「プログラミング」が11.7%で上位5つの回答になりました。


【学び直し意欲有無の理由】
学び直し意欲があると回答した495人にその理由を聞くと、「専門スキルを習得するため」が52.1%で最多回答になり、次いで「キャリアパスを追求するため」が39.2%、「競争のある人材になるため」が35.8%で上位3つの回答結果になりました。また学び直し意欲がないと回答した59人にその理由を聞くと、「競争のある人材になれない」が22.0%で最多回答になり、次いで「未来の自分への投資にならない」が18.6%、「キャリアパスに繋がらない」が16.9%で上位3つの回答でした。


【リスキリング支援の認知と利用意欲】
回答者全体の554人にリスキリング支援の認知を聞くと、「名前と内容どちらも知っている」が35.4%で最多回答になり、次いで「名前も内容もなんとなく知っている」が23.8%でした。これを合算した59.2%が“知っている派”の回答になり、「名前も内容も知らない」は26.2%でした。またリスキリング支援の内容を説明した上で、回答者全体の554人にリスキリング支援を受けたいかを聞くと、“受けたい派”が71.0%で過半数を占め、“受けたくない派”が29.0%でした。


【調査まとめ】
今回実施した「2023年 転職とリスキリングの意識調査」では、自身のキャリアに「納得している派」を回答した人は全体の63.0%でしたが、一方で8月時点での転職意欲の有無は、全体の53.9%が「ある派」を回答する結果になりました。この事から、これまでの自身のキャリアに納得していても、転職意欲が高まる傾向が一定あることが推測できます。転職を考えるきっかけは「給与や待遇への不満」56.7%が最多回答となり、次いで「仕事にやりがいを感じない」41.9%、「会社の将来性や経営への不安」29.2%が上位3つの回答となりました。また、転職先に求める条件としては、全体の78.3%が「給与や待遇」と回答し、次いで「仕事のやりがい」52.5%、「ワークライフバランス」49.8%が上位3つの回答となりました。この回答から、キャリアへの納得度は高いものの現状より待遇をあげたいという意識が、転職意欲に繋がっていることがわかります。

こうした中、転職時に給与や待遇を上げる自信を聞くと、全体の50.4%が「自信がない派」を回答した一方で、転職後に活躍できる自信の有無では全体の63.0%が「自信がある派」を回答しました。さらに、転職時の学び直し意欲を聞くと全体の89.3%が「ある派」を回答し、その理由として「専門スキルを習得するため」が52.1%と最多で、次いで「キャリアパスを追求するため」が39.2%、「競争のある人材になるため」35.8%と上位3つの回答となりました。そして同回答者の転職前に身につけたいスキルの上位3つでは、「英語」29.3%、「データ分析」18.6%、「ITリテラシー」15.6%でした。この事から会社からの待遇を上げる自信はないものの、転職に必要となるスキルを身につける必要性、つまりリスキリングの必要性があると考える社会人が多いと考えられます。

そして、リスキリングの名前と内容の双方の認知度は35.4%に留まり、リスキリングの内容を説明した上で支援の利用意欲を聞くと、「受けたいと思う派」は全体の71.0%と過半数を占めました。学び直しの必要性が高いと感じている社会人でも、リスキリングを正しく理解している人は少なく、支援の課題は認知にあると読み取ることができます。転職意欲や学び直し意欲が高い社会人も多いため、リスキリング支援制度は政府による発信次第で伸び代がある政策であることがわかる調査結果となりました。


【調査概要】
調査対象者:現在職を持つすべての社会人
      JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国 / 男女 / 20~50代
調査期間:2023年8月2日~8月7日
有効回答数:554人(男性6 / 女性4)
調査方法:インターネット調査

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社ライボ / 8月21日発表・同社プレスリリースより転載)