ニュース
人事サービス 人材育成・研修
掲載日:2023/06/26

企業のリスキリング実態調査公開!現場と経営層のギャップが明らかに

組織と個人のより良き関係性構築と個人の主体的なキャリア開発を支援する一般社団法人プロティアン・キャリア協会 (東京都新宿区、代表理事:田中研之輔・有山徹、以下、「当協会」)は、リスキリングに興味関心のある人事部門・キャリア支援者・経営陣他277人を対象に最新のリスキリング実態調査を実施いたしました。


<調査サマリー>
・リスキリングプログラムを実施している企業は4割未満
・リスキリング導入に関して「組織文化の変革の難しさ」へ課題がある人が約4割
・リスキリング導入の企業メリットとして「従業員のスキルアップ」を期待する人が約8割
・リスキリングを実施する上での効果的な教育プログラムとして研修・講座を想起する人が約9割


■リスキリングプログラムを実施している企業は4割未満
「あなたの企業ではリスキリングプログラムを実施していますか?」(n=250)と質問したところ、「実施している」が36%、「実施していない」が64%という回答になりました。「実施している」と回答した方をさらに従業員規模別で見たところ、大きな偏りはありませんでした。


■リスキリング導入に関して「組織文化の変革の難しさ」へ課題がある人が約4割
「リスキリングを実施する上で、どのような課題がありますか?(複数回答)」(n=351)と質問したところ、「組織文化の変革の難しさ」が38%、「リソースの不足」が23%、「スキルの不足」が17%、「予算の不足」が15%という回答となりました。「組織文化の変革の難しさ」と回答した方をさらに職種別に見たところ、人事部門、キャリア支援者が70%にも達しました。従業員と密に関わる人事部門・キャリア支援者だからこそ、従来~現在の組織文化と今後あるべき組織の未来像との間にギャップを感じていると言えるでしょう。一方、経営陣においては、その他の属性に比べて「組織文化の変革の難しさ」に課題意識を持っている方は少ないという結果となりました。


■リスキリング導入の企業メリットとして「従業員のスキルアップ」を期待する人が約8割
「リスキリングに投資することで、企業にどのようなメリットがあると考えていますか?(複数回答)」(n=755)と質問したところ、「キャリアアップの機会提供」が24%、「従業員の能力向上」が23%、「新たな技術やビジネスモデルへの対応力の向上」が21%、「生産性向上」が17%、「組織の競争力向上」が15%という回答になりました。「キャリアアップの機会提供」を筆頭に従業員のためになるメリットを挙げ、その次に、組織にとってのメリットが挙げられていました。企業が個人のキャリア・能力向上を支援することで、結果として企業も恩恵を受けることができるという、人的資本経営の考えが浮き上がってくる結果となりました。

労働人口の減少と共に、変化の激しい時代に対応できる人材が求められている中、従業員一人ひとりの成長に多くの期待が寄せられていると言えるでしょう。


■リスキリングを実施する上での効果的な教育プログラムとして研修・講座を想起する人が約9割
「リスキリングを実施する上で、どのような教育プログラムが効果的だと考えていますか?(複数回答)」(n=555)と質問したところ、「専門家による実践的なワークショップ」が27%、「外部研修・トレーニング」が25%、「オンライン講座・動画教材」が22%、「社内研修・トレーニング」が15%、「現場でのOJT(On-The-Job Training)Mentorship」が10%という回答になりました。上位に挙げらた3点から、リスキリングを実施する教育プログラムとして、「専門家」や「外部講師」の力を活用することと、いつでもどこでも学べる「オンライン」「動画」コンテンツがより効果的であると考られていることがわかります。

前者からは自社で内製することの難しさが、後者からはニューノーマルな働き方に合わせた研修提供の重要性や、研修時間を確保することの難しさが伺えました。


■今回の調査を通じて
今回の調査結果を通じて、「リスキリングへの投資は企業にとって複数のメリットがあることがわかっているが、実施するうえでの課題などから実施には至っていない」企業が多く存在する可能性がわかりました。

前回、『人事関係者の人的資本に関する意識調査中間レポートを公開』にて、調査・発表した際にも「人的資本の把握(社員のスキル・能力の把握とデータ化)」と「人的資本投資(社員のリスキリング、アップデートへの最適投資)」は、重要だと認識されているものの最重要課題には挙がらない(優先順位が低い)という結果が出ておりました。自社に必要なスキルを可視化する適切な手段の選定、可視化実施やその後のメンテナンス工数の確保に加えて、「組織文化の変革の難しさ」「リソースの不足」など、実現に向けて課題が複合的に重なっている実態が見えております。


■調査概要
調査概要:リスキリングの実態調査
調査方法:イベント時のアンケート調査
調査期間:2023年5月16日~2023年6月7日
対象者:イベント応募者、メールマガジンでのアンケート回答者
有効回答:277人
(複数回答項目もあるため各設問のn数が異なります)

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(一般社団法人プロティアン・キャリア協会 / 6月19日発表・同法人プレスリリースより転載