[グローバル]2021/05/12

中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート(2021年1-3月期)

株式会社リクルートホールディングスのグループ会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、 CEO:中重 宏基)は、このたび、2021年1-3月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。


■中国大陸
人材需要はコロナ禍以前の水準へ回復目前。化学業界や産業機械業界の採用意欲が高い。

当社で取り扱う日系企業の1-3月期の求人案件数は、前年同期比で増加。新型コロナウイルス感染拡大前である2019年1-3月期と比べると、まだ求人案件数は戻っていないが、前年7-12月期と比較しても、改善への勢いが増しているといえる。感染再拡大のリスクが後退しており、経済活動の正常化がこのまま進めば、4-6月期の求人案件数はコロナ禍以前の水準に戻る可能性もある。
業界別には、化学業界の人材需要が堅調に推移。半導体需要の拡大が寄与していると考えられる。半導体生産のための化学材料に強みを持つ日系メーカーが多く、引き合いが増えている結果、関連企業の求人案件が増えている。また産業機械業界は前年下半期からの好調を維持。パソコンやタブレット端末、スマートフォン関連の設備、半導体製造設備の需要が大きい。
職種別には、Eコマースにおける消費のさらなる拡大を背景に、マーケティングやECサイト運営・管理職の採用が増加傾向にある。中でもライブコマースのような最先端のトレンドに関わる人材の採用は、欧米系企業や中国系企業との獲得競争が厳しい。

【転職事例】ECサイト運営管理(中国人材)/日系・製造業界/30代前半/約17万中国人民元(年収)


■香港
新型コロナウイルスの度重なる感染拡大を受け転職市場が鈍化。香港外への移住に伴う欠員募集が増加。

香港では度重なる感染拡大を受けて政府が徹底的な予防・管理措置を行っていることもあり、就業者の転職意欲が低く、転職市場としてはやや鈍化している状況。業界別に見るとIT業界や飲食業界など、徐々に求人募集が改善している業界もあるものの、依然として新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済状況は回復途上。その結果、就業者が積極的にキャリアアップのため転職を希望することが少なくなり、転職市場が活性化しないという背景がみられる。
当社で取り扱う日系企業の求人案件数は、前年同期比で減少しているが、香港外への移住を理由に退職するケースが相次いでおり、欠員補充のための求人案件については例年に比べ増加。その一方で欠員採用の対象となる香港在住者が限られている中、転職意欲が低下しているため、要件に合う人材の採用が計画通り進んでいない企業も多い。そのためこれまでビジネスレベルの英語力が求められる求人でも、意思疎通ができる日常会話レベルであれば、採用されるケースが出てきている。

【転職事例】営業職/日系・IT業界/30代/約40万香港ドル(年収)


■インド
新型コロナウイルス感染状況が改善したことにより企業の採用意欲が回復。しかし3月後半からの感染再拡大が4月以降の採用意欲に影響がでる可能性も。

インドでは前年9月にピークを迎えていた新型コロナウイルス感染拡大が、年明け1月には落ち着き始めたことを受けて、日本に一時帰国していた日本人や新規赴任待ちだった日本人のインド渡航が1-3月期に相次いだ。
同時に沈静化していた新規採用も活発化し、当社で取り扱う日系企業の求人案件数は、前年同期比で増加。特に日本人がインドに赴任できるようになったことで日系企業向けの営業やカスタマーサポートのニーズが増加し、日系企業向けの法人営業の職種の採用ニーズが大幅に増加した。またインド政府が電子機器の自国内での製造に奨励金を出す政策の影響もあり、特に電子機器の製造や部品の輸入に関する新規採用が日系企業でも増加。更に、一般消費の回復を受けて日常消費財業界でも採用が増加している。
1-3月期は新型コロナウイルス感染拡大が抑制されていた影響もあり、日本人の求職者は増加傾向が続いていた。しかしながら3月後半よりインドで大規模な感染拡大が見られており、4月以降の新規日本人求職者数に影響が出る可能性がある。

【転職事例】営業(日本人材)/日系・電子部品商社業界/30代/約370万円(年収)


■インドネシア
企業の採用活動が徐々に回復し、3月末には新規ビザの取得窓口が再開。

2020年末から今年2月にかけて新型コロナウイルス感染者の数は増加し、感染拡大傾向であったものの、経済状況が戻りつつあるなかで求人案件数は増加しており、インドネシアの転職市場は徐々に回復に向かっている。業界別では自動車関連機器・部品や商社を中心に人材需要が回復傾向にあり、企業の採用活動が活発化してきている。
当社で取り扱う日系企業の求人を見ると、前年同期比では求人案件数は減少しているものの、直近の月次推移としては徐々に回復。日系企業の採用ニーズとして、中間管理職や経営幹部層といったマネジメント役職の求人が引き続き堅調に推移していることに加え、1-3月期は現場スタッフの採用ニーズが増加。背景としては、営業人材を中心とした、次年度の事業強化を目的とした増員・組織拡大が挙げられる。日本人の採用については、新規ビザ窓口が閉じていたこともあり、インドネシア在住の日本人をターゲットにした採用活動を行う企業が多かったが、3月末より新規ビザ窓口が再開。今後はインドネシア在住以外の日本人の採用活動も活発化すると思われる。
業界別に見ると、建設業界やIT業界で採用需要が堅調に継続。また、国内生産台数の回復に伴い自動車関連業界からの求人案件数が増加。加えて、経済の再稼働開始に伴いプロジェクトの再開や新規受注が増え人員が不足しているコンサルティング業界からも求人案件数が増加。

【転職事例】コーポレートスタッフ(日本人材)/日系・製造業界/30代後半/約430万円(年収)


■シンガポール
就労ビザ取得がさらに厳格化し、外国人労働者の雇用機会が減少。

シンガポールの新型コロナウイルス感染拡大は前年の秋以降抑え込められており、シンガポール人材開発省(MOM)によると、12月の失業率は3.7%、1月は3.2%、2月は3.0%となり、雇用状況も少しずつ改善が見られている。
政府はシンガポール人の雇用保護のため、外国人労働者を全労働人口の3分の1へ抑える目標に向けて、今年の5月より外国人配偶者ビザの保持者の就労許可廃止が発表された。これまで日系企業ではバックオフィスやサポート職に駐在員の配偶者を登用することが多かったため、企業の要員・採用計画が大きく影響を受ける。4月中は現行の外国人配偶者ビザの就労許可証が適用されるため、今月中の採用完了を急ぐ日系企業が増加した。
当社で取り扱う企業の求人案件数は、前年同期比で減少。しかしながらフィンテック需要の高まりでここ数年求人案件が増えていたIT・金融企業の採用意欲が戻り始めている。また、経済の不確実性が高まる中生命保険業界が業績を伸ばしており、カスタマーサービスの経験者を中心に採用が進む。就労ビザの厳格化および外国人就労者割合の制限が継続し、シンガポール人または永住権保持者の中でビジネスレベルの日本語スピーカーの営業や人事、経理職の需要が一層高まっている。
就労ビザの厳格化を受けシンガポールで雇用機会の確保を希望する外国人求職者の動きは活発になっているが、企業の人材需要はシンガポール人や永住権を持つ求職者に集中しており、ミスマッチが発生している。

【転職事例】営業(日本人材)/日系・IT業界/20代半ば/約430万円(年収)


■タイ
企業の採用意欲が回復し、3月の求人案件数は前年同月比で増加。

タイでは2月28日(日)より医療関係者を中心にワクチン接種が開始。また4月より国外からタイへ入国した人の隔離期間が14日から10日になるなど、徐々に規制が緩和され始めている。しかしながらワクチン接種が一般国民に渡り、経済に好影響をもたらすのは当面先と考えられており、また隔離期間の短縮もまだわずか4日間ということで、依然として求職者側の費用を企業側が担保するにはまだ負担が大きい。その結果企業側の採用活動は緊急度の高いものが中心になり、中長期的な採用計画が立てづらい状況になっている。
当社で取り扱う求人における1-3月期の全体の求人案件数は、前年同期比で減少。しかしながら2月に開始したワクチン接種などを受けて経済成長に対するポジティブな見方が後押しし、3月単体の求人数は前年同期比で増加した。今後の新型コロナウイルス感染者数の推移にもよるものの、企業の採用意欲は徐々に回復してきているといえる。
業界別に見ると、増加傾向にある業界として自動車業界を中心として、製造業や商社の求人案件数が特に増加した。
経済の回復とともに、企業の日本人採用需要は今後回復していくことが予想される。 しかしながら1-3月期の日本人求職者の登録数は前年10-12月と比べ横ばいであり、タイ渡航への規制はまだ多く、当面日本人求職者の増加は見込めない。そのため人材を採用したい企業と、タイで就職したい求職者の需要ギャップが生じる懸念がある。

【転職事例】サプライチェーン・マネージャー(現地人材)/日系・商社業界/30代半ば/約230万タイバーツ(年収)


■ベトナム
不動産や建築、ゼネコン、商社を中心に、企業の採用意欲は徐々に回復。

ベトナム計画投資省外国投資局(FIA)が発表した海外直接投資件数は前年同期比(1-3月期)で69%減と縮小となったが、前年10-12月期以降徐々に投資の認可件数も増加しており回復傾向にある。人材需要と転職マーケットはまだ新型コロナウイルス感染拡大前の状態には戻っていないものの、感染拡大が抑えられているため、前年10-12月期に引き続き、外国企業による投資を背景に不動産や建設、ゼネコン業界の求人案件数が増加傾向にある。
ベトナム政府による厳しい入国管理は続いているものの、日本からの駐在員や出張者が徐々にベトナムへ入国を再開しており、経済の活性化とともに企業の採用意欲も回復しつつある。そのため当社で取り扱う日系企業を中心とした求人案件数は前年同期比で微増。新型コロナウイルスの感染抑え込みの成功により、前年末より改善傾向にある不動産や建設、ゼネコン業界の求人案件数が引き続き増加しているのに加え、コロナ禍で新規事業の立ち上げが見られたことや、中国企業との取引からベトナム企業との取引に変更する傾向が見られたことを背景として、専門・総合商社の人材需要が右肩上がりで増加している。一方消費者サービス業界の採用意欲はまだ低調であり、回復の兆しはまだ見られない。
現地の求職者動向は依然として慎重な状況。例年旧正月明けに転職活動が活発化するが今年は前年から続く新型コロナウイルスの影響でその傾向は見られなかった。そのため、当社で取り扱う日系企業を中心とした求人案件数における、企業からの欠員募集の求人は前年同時期から10%減少した。

【転職事例】マネージングディレクター(現地人材)/日系・ゼネコン業界/40代前半/約2万9,000 USD(年収)

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルート / 4月28日発表・同社プレスリリースより転載)


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