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掲載日:2018/11/30

自己裁量の大きいワーカーはわずか6.2%、自己裁量の小さいワーカーは全体の23.7%を占める。自己裁量度が高まると、生産性とワークエンゲ―ジメントも高まる~「働き方の自己裁量」がワーカーの生産性とワークエンゲージメントに及ぼす影響に関する調査:イトーキ

株式会社イトーキ(本社:東京都中央区 社長:平井嘉朗)は、ワーカーの自己裁量を最大化し、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインしていく、「自由(FREE)」をテーマにした自社の新しい働き方戦略『XORK Style(ゾーク・スタイル)』を本格始動させるにあたり、働き方の自己裁量がワーカーの生産性とワークエンゲージメントに及ぼす影響について、全国の従業員300人以上の企業・団体に所属するホワイトカラーワーカー3,102人を対象にインターネット上で調査を実施しました。

その結果、自己裁量の大きいワーカーの方が仕事における生産性やワークエンゲージメントが高まることがわかりました。

 

■調査結果のサマリー

1.自己裁量の大きいワーカーはわずか6.2%、自己裁量の小さいワーカーは全体の23.7%を占める。

本調査ではまず、各設問に回答したホワイトワーカーを働き方の自己裁量の大きさで分類しました。
「多様な活動に合わせた空間の機能性」、「制度導入や社内ルール確立による柔軟性」、「ITツールの充実による移動性」、そしてワーカーの基盤となる「心身の健康を保つ為の空間品質性」、すべてが満たされているワーカー群を「自己裁量大ワーカー」と定義付けしました。
一方で、4つの因子全てが満たされていない、もしくは他のワーカーと比べて低い水準にあるワーカー群を「自己裁量小ワーカー」としました。なお、いずれでもない中間に位置するワーカー群は「自己裁量中ワーカー」としました。
そうすると、「自己裁量大ワーカー」は全体の6.2%ほどしかおらず、働き方における自由度の高い環境を与えられているワーカーが少ないという現状が見えてきました。それに対し、「自己裁量小ワーカー」は全体の約4分の1を占め、多くのワーカーが自由度の低い環境の中で働いていることがわかりました。


2.自己裁量度が高まると、生産性とワークエンゲ―ジメントも高まる。

さらに働き方の自己裁量がワーカーのパフォーマンスに与える影響について検証するために、ワーカーの自己裁量度を大・中・小にわけ、「生産性」と「ワークエンゲージメント」の指標で比較しました。
その結果、「自己裁量大ワーカー」と「自己裁量小ワーカー」を比べると、生産性が高いと回答した人の割合が倍以上の差があることがわかりました。また、ワークエンゲージメントについては、0pt~6ptでスコアを算出し、「自己裁量大ワーカー」は平均3.60pt、「自己裁量小ワーカー」は平均2.27ptと、約1.33ptの差がつきました。
つまり、働き方の自己裁量が大きいワーカーは他のワーカーと比べて、生産性/ワークエンゲージメント共に高く、自己裁量が大きくなるにつれてワーカーのパフォーマンスも高くなっているという結果になりました。


3.仕事の種類に関わらず、働き方の自己裁量が大きいワーカーは高いパフォーマンスを発揮する。

次に、仕事の種類と自己裁量度によって生産性やワークエンゲージメントがどのような相関を示すのかを実証するために、まず、定型業務の割合が0~30%を「非定型ワーカー」、31~63%(平均以下)を「ほぼ非定型ワーカー」、64~80%(平均以上)を「ほぼ定型ワーカー」、81~100%を「定型ワーカー」として4グループに分類しました。
その後、各分類のワーカーの生産性と、ワークエンゲージメントの高さを働き方の自己裁量度別に示してみると、自己裁量度が高まると、業務内容(定型/ 非定型)に関わらず、生産性とワークエンゲージメント両者が高まることがわかりました。働き方の自己裁量を高めることによって、全てのワーカーがその効果を享受できることがわかりました。


4.パフォーマンスに最も影響を与える、働き方の自己裁量の因子は「空間」。

本設問では、2ページで示した分類の定義に従い、各因子単体を高いワーカー群と低いワーカー群に分け、生産性とワークエンゲージメントを集計しました。その結果、4つの因子のうち、生産性に最も影響を与えるのは「空間機能性」であり、活動に合わせた空間を多く与えられているワーカーとそうではないワーカーでは、生産性に25.5%の差があることがわかりました。一方、ワークエンゲージメントに最も影響を与えるのは「空間品質性」であり、空間品質性が高いワーカーは、低いワーカーと比べて、ワークエンゲージメントが1.01pt高いということが判明し、生産性とワークエンゲージメント共に、最も影響を与えている因子は空間であることが確認できました。
なお、注意しなければならないのは、各因子が持つ影響力をさらに高めるには、単体で取り入れるだけではなく、組み合わせて展開することが必要だという点です。


5.働き方の自己裁量が大きいワーカーほど、自社の働き方改革やオフィス環境を肯定的に捉えている。

最後に、働き方改革に対する意識とオフィス環境の満足度について調査しました。
その結果、自己裁量小ワーカーは自社の働き方改革やオフィス環境に対して否定的であり、自らの状況に対して不満を持っているということがわかりました。一方で、自己裁量大ワーカーは自社の働き方改革やオフィス環境について、非常に肯定的に捉えていることもわかりました。
つまり、自己裁量度が高いことによって、自らの働き方が生産的であり、ワークエンゲージメントが高い状態であることが、自社の働き方改革やオフィス環境への肯定的な評価につながっているということが判明しました。

 

<調査概要>
・調査方法:インターネット調査
・調査地区:全国
・調査対象者:従業員300名以上の企業・団体に所属するホワイトカラーワーカー
       20代~60代 歳の男女
・有効回収サンプル数:3,102サンプル
・調査期間:2018年8月10日(水)~8月14日(日)

※本調査は、調査対象 3,102 人のうち、公務員 274 人を除く 2,828 人で集計
※本リリースに関する内容をご掲載の際は、必ず「イトーキ調べ」と明記してください

※詳しい分析結果はこちらのレポートでご覧いただけます。

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社イトーキ https://www.itoki.jp//11月29日発表・同社プレスリリースより転載)