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掲載日:2017/12/28

大手自動車メーカーの期間従業員の有期労働契約について、更新上限を設けている企業は、10社中10社。2年11ヵ月(又は3年)としている企業は7社~「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」結果(厚生労働省)

厚生労働省では、 このたび、 大手自動車メーカー10社に対して行った「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」の結果を取りまとめましたので、お知らせします。

 

労働契約法第18条では、同一の使用者との間で締結された有期労働契約が通算5年を超えた場合に、労働者の申込みによって無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」が規定されています。 

厚生労働省としては、これまで、無期転換ルールの円滑な施行を図るため、無期転換ルールの趣旨について積極的な周知を行うなど、法の趣旨を踏まえた対応を企業等にお願いしてきており、今回その一環として、大手自動車メーカー10社の実情を把握する調査を行いました。

今回の調査は、無期転換ルールに関する企業の対応について外形的に把握したものであり、その限りでは、現時点で直ちに法に照らして問題であると判断できる事例は確認されませんでしたが、雇止めや就業規則の変更の有効性については、最終的には司法において判断されます。

なお、各企業等において、例えば、労働者を長期に雇用することを前提としているにもかかわらず、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的でクーリング期間の前に雇止めをしている場合などは、個々の事案によって雇止めの有効性等が最終的に司法において判断されることになります。

厚生労働省では、企業等が法の趣旨を踏まえた対応ができるよう、引き続き、周知や支援に努めてまいります。

 

<調査結果>

(1)期間従業員の有期労働契約について、更新上限の有無更新
 上限を設けている企業は、10社中10社。
 ・2年11ヵ月(又は3年)としている企業は7社。
 ・その他の上限を設定している企業は3社。

 

(2)期間従業員の再雇用について、一定期間の無契約期間の有無
 再雇用まで一定期間が必要とされている企業は、10社中7社。
 ・再応募が契約終了から6ヵ月未満の場合には再雇用しない運用としている企業は7社。
 ・残りの3社のうち、再応募が契約終了から6ヵ月未満であっても再雇用している企業が2社。
 ・再雇用をしていない企業が1社。

 

(3)一定期間の無契約期間が必要とされている理由
 一定期間が必要とされている7社のうち、その理由が、
 ・労働契約法の改正前から一定期間を必要とする運用を行っていたが、労働契約法の改正によりクーリング期間が6ヵ月とされたことを踏まえて、一定期間を法の規定と合わせる運用とした企業は、7社中5社。
 ・労働契約法の改正を踏まえて、新たに一定期間が必要とする運用を行うこととした企業は、1社。
 ・無期転換ルールが創設される前から6ヵ月としていた企業が1社。

 

(4)有期労働契約が終了し、一定期間経過後、再雇用の約束の有無
 無契約期間を運用上設けている7社のうち、有期労働契約が終了し、6ヵ月を経過した後、再雇用を約束している企業は、7社中0社。

 

(5)期間従業員を正社員転換する仕組みの有無
 期間従業員を正社員転換する仕組みを制度として設けている企業は、10社中7社。
 制度化しているわけではないが、正社員登用を行っている企業は、残りの3社中3社。

 

別添 「いわゆる「期間従業員」の無期転換に関する調査」結果(平成29年12月)(PDF:294KB)
参考1 労働契約法(平成19年法律第128号)(抄)(PDF:283KB)
参考2 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

 

【照会先】
労働基準局労働関係法課
課長   大隈 俊弥
調査官 大塚 弘満
(代表電話) 03(5253)1111(内線5370、5536)
(直通電話) 03(3502)6734

 

◆ 詳しくはこちらをご覧ください。

(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 12月27日発表・報道発表より転載)