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掲載日:2017/03/14

全体の67.2%の4,711事業場で労働基準関係法令違反を確認。そのうち39.5%の2,773事業場で違法な時間外労働を確認~平成28年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表(厚生労働省)

厚生労働省では、このたび、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について取りまとめましたので、お知らせします。

 

今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる7,014事業場に対して集中的に実施したものです。その結果、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反を確認し、そのうち 2,773 事業場(39.5%)で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導を行いました。  

厚生労働省では今後も、月80時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていきます。  

 

【重点監督の結果のポイント】

1.重点監督の実施事業場:                                  7,014事業場
 このうち 、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反あり。 

2.主な違反内容 [(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
 (1)違法な時間外・休日労働があったもの:                2,773 事業場( 39.5 % )
   うち、時間外・休日労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
     1ヵ月当たり80時間を超えるもの: 1,756事業場(63.3%) 
     うち、月100時間を超えるもの: 1,196事業場(43.1%) 
     うち、月150時間を超えるもの: 257事業場(9.3%)
     うち、月200時間を超えるもの: 52事業場(1.9%)
 (2)賃金不払残業があったもの: 459 事業場(6.5%)
 (3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 728 事業場(10.4 %) 

3. 主な健康障害防止に係る指導の状況 [(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
 (1)過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したもの:5,269 事業場(75.1%)
  うち、時間外労働を月80時間(※2)以内に削減するよう指導したもの:3,299事業場(62.6%)
 (2)労働時間の把握方法が不適正なため 指導したもの:889 事業場( 12.7 % )
 ※1:法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
 ※2:脳・心臓疾患の発症前1ヵ月間におおむね100時間または発症前2ヵ月間ないし6ヵ月間にわたって、1ヵ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。 

 

別添1 平成28年度過重労働解消キャンペーンにおける重点監督実施状況(PDF:167KB)
別添2 監督指導事例(PDF:241KB)
別添3 企業が実施した長時間労働削減のための自主的な取組事例(PDF:173KB)
参考資料 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(PDF:97KB)

 

【照会先】
労働基準局 監督課
課長 荒木 祥一
中央労働基準監察監督官 岡田 直樹
課長補佐 片倉 和弘
(代表電話) 03(5253)1111 (内線5589、5543)
(直通電話) 03(3595)3202

 

◆ 詳しくはこちらをご覧ください。

(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 3月13日発表・報道発表より転載)