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掲載日:2016/04/19

今年の新入社員:「定時内で優しく育てて欲しい」~売り手市場を背景に若手社員の志向がさらに変化~『2016年度新入社員対象3,931人アンケート』:トーマツ イノベーション

トーマツ イノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔)は、2016年度入社の新入社員のキャリアに対する意識についてアンケートを実施しました。アンケートは東京・横浜・名古屋・大阪で当社が開催した新入社員研修の受講者882社3,931名を対象に、2016年4月4日~6日に実施しました。

『時に厳しく人間に対峙する必要のある管理職』を志向する人が減っています。仕事に厳しいイメージを想起させやすい上司像を忌避し、『優しい上司』『相談上司』が求められるという今回の調査結果からは、仕事の厳しさに向き合うよりも良好な人間関係を保ちたいという傾向が見え隠れします。企業としては、これまでにも増して、厳しい仕事に向かう意識を醸成する必要がありそうです。

 

【調査結果のサマリ】

  • 売り手市場を背景に志望通り就職でき、やる気に満ちている新入社員
  • 男性は管理職不人気、相対的に「管理職より専門職」傾向強まる
  • 「楽しく仕事をしていたい」(男性)、「定時に帰りたい」(男女とも)層も増加
  • 「リーダーシップ上司」の人気は下降傾向、求められる「優しく、相談できる上司」

 

【志望通りの就職】
今の会社に入社を決めた理由を聞いたところ、「志望業界だったから」(28.1%)が最も多く、この回答は昨年と同水準、さらに一昨年と比較するとわずかながら増加傾向にあります。

また10.9%の人が「内定がもらえたから」と回答していますが、この消極的な入社理由は一昨年から減少しており、売り手市場と言われる昨今の新卒採用において、より自分の志望通りの就職を果たしている学生が多いことがうかがえます。

一方で、今の会社での勤続意向については、男性において「今の会社で働き続けたい」という回答が昨年よりも3ポイント減少しました(女性は1.3ポイント増)。男女とも「分からない」という回答が大幅に減り(男性14.3ポイント減、女性7.4ポイント減)、「起業・独立したい」という回答が男性9.1ポイント、女性が8.1ポイント増えていることから、「将来やりたいことを実現するために今の会社がある」といった意識を持って入社している人が徐々に増えてきていると言えます。

 

【「管理職より専門職」志向強まる】
将来会社でどういう役割を担いたいかを聞いたところ、「管理職」(24.6%)よりも「専門家」(37.0%)が上回る結果となりました。

男性において管理職に対する不人気は年々増す傾向にありますが、専門家になりたい人が増えているわけではなく、「楽しく仕事をしていたい」という人が増える傾向にあり、企業としては早めの対応が必要と考えられます。

一方で女性は、「楽しく仕事をしていたい」という割合はむしろ減ってきています。逆に1.9ポイントとわずかながらも管理職を志向する人が増えてきており、今後の活躍が期待されます。

 

【「定時内で優しく育ててほしい」】
今後1~3年間の働き方について聞いたところ、男女とも「定時に帰りたい」という人が増える傾向にあり、それぞれ一昨年から男性4.1ポイント、女性5.3ポイント増加しています。一方で男性において「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」という回答は一昨年から3.8ポイント減少し、ワークライフバランス重視の傾向が見受けられます。

自分のキャリアアップにつながる理想の上司については、昨年・一昨年と最も回答の多かった「リーダーシップのある上司」が男女とも減少、男性は「プライベートのことも相談に乗ってくれる上司」(41.2%)、女性は「優しく指導する上司」(40.8%)がそれぞれ最も多い回答となりました。

 

【調査概要】
調査対象:当社の提供する新入社員研修の受講者(研修は東京・横浜・名古屋・大阪で開催)
調査時期:2016年4月4日~4月6日
調査方法:自記入式のアンケート調査
サンプル数:882社3,931名(男性2,354名、女性1,566名、不明11名)
データ分析:データは2016年4月11日時点の速報値であり、各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは欠損データとし分析の対象外とした。なお欠損データについては別途精査を検討中。

 

◆本レポートについては、こちらをご覧ください。

(トーマツ イノベーション株式会社 http://www.ti.tohmatsu.co.jp/ /4月15日発表・同社レポートより転載)