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掲載日:2015/11/13

『妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査』の概要(厚生労働省)
~マタハラ、約半数に「『迷惑』『辞めたら?』等、権利を取得しづらくする発言」を受けた経験あり。派遣労働者の約半数がマタハラを経験~

平成27年11月12日、厚生労働省にて開催された第164回労働政策審議会雇用均等分科会にて、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要」が発表されました。

 

<妊娠等を理由とする不利益取扱い に関する調査の概要>

■調査対象者
・企業調査、従業員調査全国の非農林業に属する常用労働者 10人以上を雇用する民営企業のうち、産業・規模別に層化して抽出する企業 6,500社、及びそこに雇用される 25~44歳の女性労働者約 26,000人へ配布。
・ウェブ調査ウェブモニターに登録している 25~44歳の女性雇用労働者 2,500人、及び雇用された経験がある 25~44歳の女性無業者 2,500人から回答。

■調査実施期間
平成27年9月14日~10月4日

 

(※)妊娠等を理由とする不利益取扱いとは、妊娠・出産・育児等に関連して、職場から受けた以下のような不利益取扱いを指す。
●解雇、雇い止め、契約更新回数の引下げ、退職や不利益な契約内容変更の強要、降格、減給、賞与等における不利益な算定、不利益な配置変更、不利益な自宅待機命令、不利益な人事評価、仕事をさせないなど就業環境を害する行為、前述のいずれかを示唆する発言、妊娠・出産・育児関連の権利を主張しづらくする発言。

また、派遣労働者については、派遣先から受けた以下のような不利益取扱いも含む。
●妊娠・育休・子の看護休暇を理由とした契約打切や労働者の交替、仕事をさせないなど就業環境を害する行為、前述のいずれかを示唆する発言、妊娠・出産・育児関連の権利を主張しづらくするような発言。
 

妊娠等を理由とする不利益取扱いの原因(複数回答)
○「妊娠・出産」自体を原因と捉えている人が約半数。
○「つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下」「育児休業」「産前・産後休業」等が続く。

妊娠等を理由とする不利益取扱い経験時の健康状態
半数以上が、健康だったにもかかわらず妊娠等を理由とする不利益取扱いを受けている。

妊娠等を理由とする不利益取扱い行為をした者(複数回答)
妊娠等を理由とする不利益取扱い行為をした者は「直属上司(男性)」、「直属よりも上位の上司(男性)」に続き、「直属上司(女性)」や「同僚・部下(女性)」が挙げられている。

妊娠等を理由とする不利益取扱い行為の内容(複数回答)
○受けた妊娠等を理由とする不利益取扱いの内容としては「解雇」「雇い止め」がそれぞれ約2割。
○約半数に「『迷惑』『辞めたら?』等、権利を取得しづらくする発言」を受けた経験あり。

雇用形態ごとの妊娠等を理由とする不利益取扱い経験
「派遣労働者」「正社員」の順で妊娠等を理由とする不利益取扱い経験率(※)が高くなっている。

育児休業の規定の明文化の効果
就業規則等に明文化された育児休業制度の規定のある事業所の方が、従業員の妊娠等を理由とする不利益取扱い経験率が低い。

妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策の効果
「妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策に取り組んでいる」事業所の方が、「いずれも取り組んでいない事業所」より、従業員の妊娠等を理由とする不利益取扱い経験率が低い。

妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策の効果
「妊娠等を理由とする不利益取扱い防止策に取り組んでいる」事業所の方が、「いずれも取り組んでいない事業所」よりも、就業継続する女性が多い。


◆ 詳しくはこちら(PDF)をご覧下さい。

(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /10月15日発表・報道発表より転載)