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掲載日:2014/10/22

職場での多様性の促進、日本はツール・研修面で他国に遅れ
【労働意識調査ランスタッド・ワークモニター2014年第3四半期】

総合人材サービス会社ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(本社:オランダ王国ディーメン、CEO: ジャック・ファン・デン・ブルック)は、18~65歳の週24時間以上働く方を対象に世界33の国と地域で実施する労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」の、2014年第3四半期の結果を発表しました。

チーム・組織における多様性とデジタル環境に焦点を当てた今回の調査では、多数が「多様性のある組織は良い成果を出す」に同意しながらも、「企業側は多様性のあるチームに対するツールやトレーニングを提供している」と回答したのは日本ではわずか4割でした。日本は同項目で調査国中最下位であり、世界と比べ、多様性を受け入れるための環境整備、トレーニングが遅れている結果となりました。


■ランスタッド・ワークモニター 労働意識調査 2014年第3四半期 特筆事項

○日本、グローバル問わず、7割以上の労働者が、多様性のある組織はより成果
を出すと回答

○「企業は多様性のあるチームに対するツールやトレーニングを提供している」と回答した日本の労働者は4割。グローバル平均では6割、アジア圏では約8割が「提供している」と回答


■調査結果 概要

○日本、グローバル問わず、7割以上の労働者が、多様性のある組織はより成果を出すと回答

日本では71%、グローバルでも73%の労働者が「多様性のある組織は、同質的な人材が集まる組織と比べ、より成果を出している」と回答。特にアジア圏ではその傾向が強く、中国では94%、インドでは86%が同意する結果でした。グローバル規模のビジネスを展開し世界で戦うために、チーム・組織自体が多様性を持つほうがより有利であることは、世界共通の認識であることが分かりました。

○「企業は多様性のあるチームに対するツールやトレーニングを提供している」と回答した日本の労働者は4割。グローバル平均では6割、アジア圏では約8割が「提供している」と回答

一方で日本は、「多様なバックグラウンドを持つ同僚と働くためのトレーニングやツールが提供されている」との回答が40%、「在宅勤務者や別拠点との作業効率を高めるためのトレーニングやツールの提供」にいたっては35%、と調査対象33の国と地域中最も低い結果でした。これにより、日本では企業・組織が多様性を推奨しながらも、環境整備や研修面で受け入れ態勢が整っていない、もしくは実際の取り組みについては現場に任せている現状が浮き彫りとなりました。


【ランスタッド株式会社 人事本部 本部長 柄沢雅生のコメント】

日本国内での労働力人口の減少を見据えて、安部政権では「女性の活用」が大きな柱のひとつとなり、就労中の女性の地位向上や働きやすさの改善だけでなく、現在就労していない女性の社会進出をどう促すかも課題となっている。また、2018年には精神障害者の雇用が企業・団体に義務付けられることから、グローバルという視点以外でも組織内の多様化は進み、それに伴いテレワークなど従来型ではない柔軟な勤務形態がさらに進んでいくことが考えられる。

国内でもグローバル競争や、子育て・介護世代の就業維持・復職の観点から、組織内の多様性を推進する傾向にあるが、そのようなチームに焦点を当てた研修や取り組みを行っているのはまだ少数派であり、今回の調査は日本の現状を露呈した結果となった。今後、企業・団体として、多様性を「課題もしくは宿題」としてではなく、「競争力の源泉」「自らの強み」として捉え、むしろ積極的に投資する対象として位置付けて行く、というマインドセットの転換が必要なのではないだろうか。


■ランスタッド・ワークモニターについて

ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界33の国と地域で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。
本調査はオンライン上で行われ、18-65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。今回の調査期間は2014年7月22日~8月5日でした。

調査実施国:
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、
チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、
ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、 マレーシア、メキ
シコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、シンガポール、
スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、イギリス、
アメリカ、以上33の国と地域


◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(ランスタッド株式会社 http://www.randstad.co.jp/ / 10月21日発表・同社プレスリリースより転載)