「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査2024」第三弾
「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査2024」第三弾 「配置・配属理由の丁寧な説明」「仕事の社会的意義の言語化」「上司の対話力」が個人の「キャリア自律意識」を高める
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査」を実施しました。第三弾の今回は、従業員のキャリア自律支援のための企業の組織・人材マネジメントの在り方について、分析・解説いたします。
解説:HR統括編集長 藤井 薫
調査・分析:HR横断リサーチ推進部 研究員 水野 理哉
日本的雇用慣行の転換を背景に、キャリア自律支援の重要性が高まっています。いまや、「充分なキャリア構築がされない」と判断された企業は、従業員をつなぎ留められないリスクがあります。「キャリア自律」への期待を抱く個人は、企業における「対話の質」に、大きな課題を感じているのです(第二弾調査)。
では実際、どのような「対話」をすればよいのか。今回、企業において「キャリア自律意識」に影響を与える要因を調査しました。明らかになったポイントは以下の3つです。
POINT1. 「配置や配属の理由や背景を丁寧に説明されている」個人ほど、キャリア自律意識が高い
「配置・配属のコミュニケーション」は「活躍実感」を高め、「キャリア自律意識」「仕事・組織への愛着・結びつき」の向上につながることが分かりました。なぜそのポジションに配置・配属されたかを、キャリアプランやスキル開発のポイント、そして、個人の強みの観点から丁寧に説明することが重要です。
POINT2. 「仕事の社会的意義や価値を言語化できた」個人ほど、キャリア自律意識が高い
「仕事の社会的意義や価値を言語化できた」個人は、そうでない個人に比べて「キャリア自律意識」が高く、およそ3倍となりました。この結果は、自らの仕事を主体的に再設計するプロセスである「ジョブクラフティング」の中の認知クラフティング(仕事の捉え方を変えること)の重要性を示しています。上司は、メンバーとの日常対話の中で、そうした言語化を支援できるかどうかが問われます。
POINT3. 「上司が社外の視点でのアドバイスをしてくれた」個人ほど、キャリア自律意識が高い
「上司が社外の視点でのアドバイスをしてくれた」個人は、そうでない個人に比べて「キャリア自律意識」が高く、約2.5倍となりました。同時に「上司から、新しい業務、機会で得られる経験やスキルの説明がなされた」「上司が、自分のモチベーションの源泉を探るようなコミュニケーションをしてくれた」「上司が、自分の仕事のスタイルを把握しようとしてくれた」など、個人の持ち味、やる気の源泉を、社外も含めた新たな機会に結ぶ、「上司の対話力」の重要性が明らかになりました。
企業寿命と職業寿命が逆転する変化の時代。今後も、自らの主体的なキャリア形成意欲を持つ個人、変化適応行動を望む個人、会社を超えたネットワーク行動を見つめる個人は、ますます増えるでしょう。そうした自らの「キャリア自律」に対して希望や課題意識を持つ個人に、企業がいかに向き合うか。全ては、「職場における上司の対話力」、それを支える「人事の支援力」にかかっているのではないでしょうか。
■調査概要
「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査 2024」
【個人調査】
調査方法:インターネット調査
調査対象:就職活動中の学生、20代~60代の求職者を含む働く個人
有効回答数:1,033
調査実施期間:2024年3月23日~3月25日
調査機関:株式会社マクロミル
【人事調査】
調査方法:インターネット調査
調査対象:採用、人材育成・研修、人事制度の構築や運用を主の業務とする人事担当者
有効回答数:1,038
調査実施期間:2024年3月23日~3月25日
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルート /10月2日発表・同社プレスリリースより転載)