人材配置について従来のやり方を見直す必要性を感じている企業が半数以上
～配置・異動は従業員本人の納得感の醸成がカギ～

株式会社リクルート（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：北村 吉弘、以下リクルート）は、企業で働く人事担当者5,048人（※）を対象に、人材マネジメント（人事制度、人材の活用）をテーマとしたアンケート調査を実施しました。本リリースでは、「人材配置・異動」における具体的な取り組みや従業員エンゲージメントとの関係などを解説します。調査期間は2023年3月29日（水）～2023年3月31日（金）です。
※5,048人のうち、従業員規模30人以上の企業に勤める2,761人を集計対象としました。

＜Executive summary＞
■人材配置・異動に関する制度の変更や、従来のやり方を見直す必要性を感じている企業は半数以上（51.2％）そのうち、やり方の見直しができていない企業は50.9％
■見直しが必要と感じる理由の最多は「スキル・経験と任せている仕事内容のミスマッチ」（46.7％）
■従業員エンゲージメント向上に効果的な人材配置・異動の在り方を「事業戦略推進・組織成果」、「従業員の成長・キャリア」、「納得感の確認」の観点で解説
■人材配置・異動において、重要だと思っているが実施できていない取り組みで差分が最も大きかったのは、「従業員に対して、配置（異動）の納得感を確認している」（13.5pt差）

解説者：リクルート HR横断リサーチ推進部 マネジャー／研究員 津田 郁
本リリースでは、企業の人材マネジメントの要素の中で「人材配置・異動」に注目しました。いわゆる日本的雇用慣行では企業主導で従業員の配置・異動が決定される傾向が強く、従業員のキャリア開発は主に企業が形作ってきました。今回、企業の人材配置・異動の実態を調査した結果、「従来のやり方を見直す必要性を感じている」と回答した企業は半数超。その理由として「従業員のスキル・経験と現場で任せている仕事内容にミスマッチが発生しているため」、次いで「従来のやり方では、従業員の納得感が得られにくくなっているため」が挙げられました。

環境変化に伴うスキルの高度化・多様化や従業員の納得感醸成の観点から、従来のやり方が通用しづらくなってきており、人材配置・異動の再考を迫られている様子がうかがえます。

また、調査結果を用いた分析では、従業員エンゲージメント向上に効果的な人材配置・異動のポイントである「事業戦略推進・組織成果」、「従業員の成長・キャリア」、「納得感の確認」の観点を抽出しました。組織や個人にとって適切な配置が検討された上で、その背景を本人に説明し、本人が納得感を得られるかどうかを確かめるという、人材配置の一連の流れと具体的な働きかけを紹介しています。職場での経験を通じて人材育成を図ってきた日本企業において、人材配置・異動は人的資本の活用を最大化させるために大変重要なテーマと言えます。個々が次の部署で頑張ろうと思えるような納得感を得て、生き生きと働き、新しい学習や経験を積んで価値を発揮していく。そのようなサイクルの実現に向けた取り組みのご参考になれば幸いです。

人材配置・異動に関する制度の変更や、従来のやり方を見直す必要性を感じている企業は半数以上
人材配置や異動について、「制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じている」と回答した企業は半数以上に達しました（強く感じている＝12.2％、やや感じている＝39.0％、計51.2％）。
また、「見直しが必要」と回答した企業のうち、約半数は「まだできていない」状況（できていない＝14.5％、あまりできていない＝36.4％、計50.9％）であることが分かりました。
人材配置・異動の制度ややり方について、見直しの必要性を感じていながら実施に至っていない企業が多数であるという状況が浮き彫りとなっています。

＜調査概要＞
調査方法：インターネット調査
調査対象：全国の人事業務関与者（担当業務2年以上）
有効回答数：5,048人 ※ただし、従業員規模30人以上の企業に勤める2,761人を対象とした。
（従業員規模30～99人：753人、100～299人：605人、300～999人：540人、1,000人以上：863人）
調査実施期間：2023年3月29日（水）～2023年3月31日（金）
調査機関：インターネットリサーチ会社

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

（株式会社リクルート ／ 9月26日発表・同社プレスリリースより転載）