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人事サービス 人材育成・研修
掲載日:2015/11/27

21世紀職業財団、『若手女性社員の育成とマネジメントに関する調査研究』
~均等法第三世代の男女社員と管理職へのインタビュー・アンケート調査
男性管理職の33.8%が「女性の幸せは仕事より結婚や出産にあると思う」~

公益財団法人21世紀職業財団(会長 岩田喜美枝)は、「若手女性社員の育成とマネジメントに関する調査研究」を実施し、その結果をとりまとめましたので、公表します。

この調査研究は、均等法第三世代の若手女性社員(2006年以降入社 総合職又は大卒社員)が、建前上男女平等な扱いや育成を受けているにもかかわらず、入社後何年かたつとキャリアに対する不安を持ち、キャリア形成に支障が生じている状況が指摘されていることを踏まえ、若手女性社員やその上司の意識の実態を明らかにし、対策のあり方を検討することを目的に、関西学院大学准教授大内章子氏を委員長とする調査研究委員会を設置して実施したものです。

調査では、大手企業12社の協力を得て、若手男女社員、その上司、人事担当者計44名へのインタビュー調査を実施するとともに、若手男女社員1348名(男性747名、女性601名)、管理職866名へのアンケート調査を実施しました。

調査研究結果のポイントは次のとおりです。
なお報告書全文を、21世紀職業財団ホームページに掲載いたしました。

 

【調査結果のポイント】

1.均等法第三世代の若手女性社員

○キャリアの不安が大きい
・「子どもを育てながら仕事を継続するに当たって、不安を感じることがある」若手女性社員は58.5%。
・上司に恵まれ、がんばれば乗り越えられる程度の仕事を与えられ、達成感・成長感を感じられる仕事の経験をし、かつ、身近なロールモデルがいる場合は、将来像を描け、また多少の試練を乗り越える覚悟または楽観ができている(インタビュー調査より)。

○昇進意欲は男性より低い
・「管理職になりたい」若手女性社員は14.3%で、若手男性社員47.9%に比べ低い。
・昇進意欲の維持・向上には、「仕事を面白いと感じた経験」や労働時間が長時間でないこと等が必要。

 

2.若手女性社員を部下に持つ管理職

○性別役割分担意識は根強い
「女性の幸せは仕事より結婚や出産にあると思いますか」に「そう思う」「まあそう思う」とした男性管理職は33.8%。

○仕事の与え方が男女部下で異なる
女性部下より男性部下に、「困難な仕事を付与」「責任の重い仕事を付与」「より多くの仕事を付与」とした男性管理職は3割強。

○管理職昇進への働きかけが男女部下で異なる
男性部下に対して「管理職昇進への意欲を持つようよく働きかけている」管理職は31.7%である一方、女性部下に対しては17.9%。

○育児中の女性に過剰な配慮
「育児中の女性には困難な仕事をさせないように配慮している」男性管理職は42.4%。

 

3.若手女性育成のための三位一体の改革
若手女性社員が男性社員と同様に企業の中で活躍していくためには、女性本人の努力とともに、上司の育成、企業(人事部門)の取組が重要。

 

<調査の概要>

■調査の目的■
均等法第三世代の若手女性社員(2006年以降入社 総合職あるいは大卒・大学院卒社員)は、就職氷河期以降に入社し、建前上男女平等な扱いや育成を受け、男女同様な意欲や能力を持つことを期待されている。しかし、入社時は非常に優秀であった女性社員が、何年か経つと将来のキャリアに対する不安を持ち、キャリア形成に支障が生じているという状況が指摘されている。

そこで、本調査においては、若手女性社員の意識や管理職の意識の実態や要因を把握分析し、若手女性社員が男性と同様にモチベーション高く能力形成し、キャリアの展望を描くことができるようにするための、企業(人事部門)の対策、上司のマネジメント、女性社員への働きかけのあり方を検討する。

 

■調査方法■
(1)インタビュー調査
・調査回答者:企業7社の人事・ダイバーシティ担当者7名、若手女性社員15名、若手男性社員7名、若手女性社員直属の上司である管理職15名。
企業7社は、正社員が5,000人以上の大企業で、製造業3社、金融業1社、小売業1社、建設業2社 (本社は東京が5社、大阪が2社)。いずれも女性活躍推進に積極的に取り組んでいる先進的企業である。
・調査実施期間:2014年9~12月
・調査方法:話し手にある程度自由に話してもらう半構造化面接法で調査を実施

(2)アンケート調査
1)若手男女社員対象アンケート調査
・調査回答者:企業10社の2003年~2013年入社の1,348名 (男性747名、女性601名)が回答。
企業10社は、正社員が5,000人以上(9社)、1,000人以上(1社)の大企業で、製造業4社、金融業3社、小売業1社、建設業2社(本社は東京が8社、関西が2社)。いずれも女性活躍推進に積極的に取り組んでいる先進的企業である。
・調査実施期間:2014年11月~2015年1月。
・調査方法:21世紀職業財団アンケート調査システムを利用し、インターネット上で回答を求めた。

2)管理職対象アンケート調査
・調査回答者:企業10社の管理職866人 (男性807名、女性51名、性別未回答8名)が回答。企業10社は、若手男女社員と同様である。
・調査実施期間:2014年11月~2015年1月。
・調査方法:若手男女社員の調査方法と同様。

 

◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。

(公益財団法人21世紀職業財団 http://www.jiwe.or.jp/ /11月19日発表・同社プレスリリースより転載)