月間分析レポート[2026年5月]
2026年4月と比べて検索数の上昇が顕著だったHRワードは「雇用」「六月病」「ガラスの天井」でした。上昇の要因と検索意図について考察します。
雇用
「雇用」とは、民法上、「当事者の一方(労働者)が相手方(使用者)に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対して報酬を与えることを約する」契約を指します。一般的には、人材の採用から配置、育成、評価、退職に至るまでの一連の流れを指す言葉として使われています。
5月31日に検索数が増加しました。翌6月1日からの2027年卒対象の採用選考活動の本格化を前に、これから社会に出る学生が、自身の権利や労働条件についてあらためて確認しようとしたのではないかと推察されます。
サジェストワードは、「雇用 意味」とともに「雇用 業務委託 違い」が検索されました。「雇用契約」と「業務委託契約」の最も大きな違いは、指揮命令関係の有無です。雇用契約の場合、労働者は会社の指揮命令下で業務を遂行し、労働時間に対する給与を受け取ります。労働基準法などの労働法規が適用され、労働者は手厚く保護されます。
一方、業務委託契約は、特定の業務の完成(請負契約)や遂行(委任/準委任契約)を目的とする対等な事業者間の契約です。発注元からの具体的な指揮命令は受けず、自身の裁量で仕事を進めます。原則として労働法の適用はなく、社会保険なども自身で加入する必要があります。企業が業務委託で仕事を発注する場合は、労働契約と見なされないよう、また契約書と実態に相違が生じないように注意する必要があります。
また、「雇用 健康診断」も検索されました。企業は労働安全衛生法に基づき、労働者を雇い入れる際は健康診断を行うことが義務付けられています。
このほか、「雇用 助成金」「雇用 補助金」も検索されました。例えば、特定の求職者(高齢者や障害者など)を雇い入れた場合に支給される「特定求職者雇用開発助成金」や、従業員の能力開発を支援する「人材開発支援助成金」など、さまざまな制度があります。これらの制度は、雇用情勢に応じて頻繁に改廃・要件変更が行われます。人事担当者は常に最新の情報をキャッチアップしておく必要があります。
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六月病
新社会人や新入生など、4月から環境が大きく変わった人たちが、ゴールデンウイーク明けに無気力状態に陥ることを「五月病」といいます。さらに近年は、ひと月遅い6月になってから同じような症状を訴える人が増えており、五月病ならぬ「六月病」と呼ばれています。五月病も六月病もどちらも正式な病名ではなく、医学的には適応障害に分類されます。
5月28日に検索数が増加しました。近年、新人研修の長期化によって本格的な実務の開始が6月以降になるケースが増えたことで、六月病に悩む人が増加傾向にあると言われています。4月からの緊張状態が長引くことで疲労が蓄積しやすい上に、梅雨時の気圧変化や多湿といった不快な気候も、心身の倦怠(けんたい)感を助長する要因となっています。
サジェストワードでは、「六月病 症状」が検索されました。症状としては、気分の落ち込みや無気力、不安感といった精神的な症状のほか、疲労感、不眠、食欲不振、頭痛などの身体的な症状が現れることがあります。
このほかには、「六月病 なりやすい人」も検索されました。真面目で責任感が強く、完璧主義な人ほど、理想と現実のギャップに悩み、症状が出やすいと言われています。
また、「六月病 子供」も検索されました。大人だけでなく、進級やクラス替えを経験した子どもも環境変化の疲れが出やすい時期です。心身の不調から、学校や幼稚園・保育園へ行き渋るケースも目立つため、周囲の適切なケアが求められます。
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ガラスの天井
「ガラスの天井」とは、十分な能力や実績があるにもかかわらず、性別や人種といった本人には変えられない属性を理由に、組織内での昇進や昇格が阻まれる見えない障壁のことです。特に、女性が管理職などの高い地位に就くうえで壁となる、組織内の無意識の偏見や慣行を指して使われることが多い言葉です。
5月5日に検索数が増加しました。特定のニュースとの関連は不明ですが、企業の女性活躍推進やダイバーシティ経営への関心が高まる中で、その障壁となる「ガラスの天井」という概念について知りたいというニーズが高まっていると考えられます。
サジェストワードでは、「ガラスの天井 日本」「ガラスの天井 女性」が検索されました。日本の女性管理職比率は、他国と比較すると依然として低い水準にあります。厚生労働省が発表した「令和6年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職以上の女性管理職比率は13.1%にとどまっており、政府が目標に掲げる「2030年までに女性管理職比率30%」には依然として大きな隔たりがあります。
さらに、世界経済フォーラムが公表する「ジェンダー・ギャップ指数」の経済分野でも、日本は管理職層の男女比の不均衡などが響き、例年、先進国の中で最下位レベルに沈んでいます。こうしたデータからも、日本の組織において「ガラスの天井」が強固に存在している実態がうかがえます。
また、「ガラスの天井 ガラスの崖」も検索されました。「ガラスの崖(Glass Cliff)」とは、業績が低迷して危機的な状況にある企業において、男性よりも女性がリーダーや幹部に起用されやすい現象を指す言葉です。女性が「ガラスの天井」を打ち破ってリーダー職に就いた先に、さらなる困難が待ち受けている状況を比喩的に表現しています。
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