月間分析レポート[2023年2月]

2023年1月と比べて検索数の上昇が顕著だったHRワードは「LGBT」「ガクチカ」「人事異動」でした。上昇の要因と検索意図について考察します。

LGBT

「LGBT」とは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれたときに割り当てられた体の性別が、心の性別と一致しない人のこと)の頭文字をとった言葉です。検索回数が伸びた2月上旬には、同性婚のあり方などについて差別発言をした首相秘書官が更迭。自民党内で「LGBT理解増進法案」の国会提出に向けた議論が再開されたことを受けて、世間でも賛否さまざまな意見が交わされました。

サジェストワードでは、「LGBT 割合」「LGBT 困ること」などが検索されました。LGBTはどのくらいの人数がいて、何に困っているのかなどを調べて、LGBTについて理解しようとする意図が推察できます。

このほかには「LGBT QIA」も検索されました。QIAとは、性別や性的指向を決められない人や無性愛者なども含めてより広いセクシャリティを包含する言葉です。QIAの認知も広まりつつあるようです。

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ガクチカ

「ガクチカ」とは就職活動中の学生がよく使う言葉で、「学生時代に力を入れたこと」を略した造語のこと。2024年卒業予定の学生たちにとって2月は、就活が解禁される3月への準備期間であるため、検索回数が増えたと考えられます。サジェストワードでは「ガクチカとは」「ガクチカ 書き方」「ガクチカ 例文」などが検索されています。

24卒学生は大学1年生の年からコロナ禍に見舞われたため、「ガクチカ」が不足しているといわれます。「ガクチカ 本当にない」というサジェストワードからも、学生が困っている様子がうかがえます。3月には、日立製作所が面接では「ガクチカ」を聞かないとことを発表するなど、企業が学生の事情に配慮する動きが出ています。

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人事異動

「人事異動」とは、企業の命令によって、従業員の配置や地位、勤務形態を変えることです。一般的に4月と10月に発令されることが多く、転居を伴う場合などはその1~3ヵ月前までに内示を出すのが良いとされています。2月は内示が出やすい時期であり、検索回数が増えたと思われます。

サジェストワードでは「人事異動 本人 知らない」「人事異動 内示 伝え方」と検索されており、内示を伝える側のマネジャーらが、異動する本人にどう接するべきなのかなどについて悩んでいる様子がうかがえます。

このほか、「人事異動 拒否」も検索されていました。パーソル総合研究所が2021年に実施した「一般社員層(非管理職層)における異動配置に関する定量調査」では、会社指示による職種の変更を伴う異動について拒否意向がある層は21.6%に上りました。

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