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掲載日:2024/11/06

上司と部下の1on1コミュニケーションの実態と課題

【調査レポート】ビジネスパーソン1,000人調査から紐解く企業におけるコミュニケーションの実態

企業のパフォーマンスマネジメント変革を支援する株式会社アジャイルHR(本社所在地:東京都港区、代表取締役:松丘啓司)は、全国のビジネスパーソン1,000人超を対象にインターネット調査を実施しました。
本プレスリリースでは、1on1マネジメントや上司と部下のコミュニケーションの実態・課題についてレポートします。

今回のアンケートでは、従業員500名以上の企業に勤めるビジネスパーソン1,124名のうち、765名(68.1%)が「勤めている会社で1on1を導入している」と回答しています。
なお、企業規模が大きくなるほど1on1の導入率が高い傾向がみられました。

■お勤め先の会社では、1on1(上司と部下の頻繁な対話の場)を導入しているか
「勤めている会社で1on1を導入している」と回答した上記の765名のうち、実際に自身が1on1を実施しているのは721名(64.1%)となり、1on1の実施頻度は以下のようになりました。

■ご自身は、どのくらいの頻度で1on1を実施しているか
1on1の効果を高めるための実施頻度は、一般的に週1回~月1回程度と言われています。
今回の従業員500名以上の企業に勤めるビジネスパーソンを対象としたアンケートでは、月に1回以上の実施が311名(43.1%)と半数以下でした。410名(56.9%)が四半期や半期に1回と回答しており、半数以上が頻度高く1on1を実施できていないことが分かりました。

次に、1on1でどのような話をしているのかを調査しました。

■1on1ではどのような話をしているか
「日常業務に関する報告・連絡・相談」や「目標やその進捗状況に関すること」などが上位にランクインし、日々の業務報告や進捗管理のウェイトが大きいことが分かりました。
(考察)1on1は部下に気づきを与え部下の成長を促すためのミーティングであるため、部下の話を聞くのが原則ですが、部下が話したいことを十分に引き出せていない可能性があります。

以下では、1on1を導入して良かったことや、課題、また、1on1を継続していくために必要だと思うことについて、上司・部下それぞれの立場から見ていきます。

■1on1を導入したことで、効果があったと感じること、良かったことは何か
良かったことや効果としては、「1on1の相手をよりよく理解することができた」「仕事や職場の課題・悩みをタイムリーに相談・解決できるようになった」が上位になりました。
課長以上の管理職と一般社員を分けて集計したところ、一般社員に比べて特に管理職で回答率が高かった項目としては、「1on1の相手をよりよく理解することができた」(15.7ポイント差)でした。
(考察)一般的に管理職は部下が多いため、普段は1人ひとりの部下に接する時間が少ない中で、1on1の場でじっくり話をする時間を設けたことによる効果と推察されます。

一方で、「効果や良さは感じられなかった」(12.2ポイント差)については、一般社員の回答率の高さが目立ちました。管理職は1on1の効果や良さを感じている一方で、良さを感じていない一般社員が一定数存在することが分かりました。
(考察)部下が1on1の効果や良さを感じていない理由としては、「1on1のやり方に問題がある」「自分の話したいことが話せてない」「意義や目的が腹落ちしてない状態で1on1を実施している」など、複数の要因が仮説として考えられます。

次に、課題については以下のようになりました。

■1on1を継続することで課題に感じることは何か
「特に課題はない」を除いて多かった内容としては、「1on1を実施する時間が取れない」「話す話題が尽きてくる」となりました。
(考察)一般的に1on1を実施する人数が多い管理職の多くが「1on1を実施する時間が取れない」(17.1ポイント差)と回答しており、日々の業務が忙しい中で、1on1にかかる管理職の工数削減の必要性が見られます。

「実施している意味、効果が感じられない」については管理職と一般社員の回答率の差が多く、ここでも管理職と一般社員の認識の差が見られます。

最後に、1on1を効果的に継続するために必要だと思う事については、以下のようになりました。

■1on1を効果的に継続するために必要だと思う事は何か
1on1を効果的に継続するために必要だと思う事としては、「1on1の効果や成果が見える/感じる仕組みを作る」「上司を対象とした教育を実施する」が上位となりました。
(考察)回答が1番多かった「1on1の効果や成果が見える/感じる仕組みを作る」については、1on1を導入したのはいいものの、会社としてのフォローや実施率、好事例などの社内共有が不足している可能性があります。

一般社員に比べ管理職の回答率が高かった項目として、「上司を対象とした教育を実施する」(7.7ポイント差)と、「メンバーを対象とした教育を実施する」(5.5ポイント差)がありました。
(考察)「上司を対象とした教育を実施する」については、1on1をさらによい時間にしようという管理職の前向きな思いが見られ、また、「メンバーを対象とした教育を実施する」は、現状では1on1にあまり意義や効果を感じていない一般社員の状況を改善したい、という思いを持った管理職が存在すると想定されます。

■ まとめと総括
今回のビジネスパーソン1,124名を対象としたアンケートでは、721名(64.1%)が1on1ミーティングを実施していることが分かりました。なお、企業規模が大きくなるほど1on1の導入率が高い傾向がみられました。

1on1の実施頻度については、月に1回以上の実施が311名(43.1%)と半数以下であり、410名(56.9%)が四半期や半期に1回と回答しており、半数以上が頻度高く1on1を実施できていないことが分かりました。

1on1で話す内容としては、日々の業務報告や進捗管理のウェイトが大きく、部下が話したいことを引き出せていないという懸念があります。

1on1を導入したことの効果や良かったことについては、管理職は「1on1の相手をよりよく理解することができた」の回答率の高さが目立ちました。一方で、「効果や良さは感じられなかった」については、一般社員の回答率の高さが目立ちました。

課題については、「1on1を実施する時間が取れない」が管理職の回答率が高く、「実施している意味、効果が感じられない」は管理職に比べて一般社員の回答率の高さが目立ちました。

1on1を効果的に継続するために必要だと思う事としては、「1on1の効果や成果が見える/感じる仕組みを作る」が一番多く、一般社員に比べ管理職の回答率が高かった項目としては「上司を対象とした教育を実施する」と「メンバーを対象とした教育を実施する」となりました。

アジャイルHRでは、これまで多くの企業の1on1の導入・推進をサポートしてきました。
1on1を形骸化させず、継続的な効果を出すためには、総合的な取り組みが不可欠です。
組織の状態や文化に合わせて、どのようなステップで1on1を根付かせていくべきか、計画的に検討することが必要です。

<本アンケート調査の概要>
1.調査の目的
企業のパフォーマンスマネジメントと従業員のキャリアマネジメントをうまく回していくためには、適切な目標管理と上司と部下のコミュニケーションが重要だとアジャイルHRは考えます。
そのため、日本の企業における1on1の実態と課題を把握することを目的とするアンケートを実施し、現在の日本企業の状況を調査しました。

2.アンケート設問
今回の調査では、目標管理の状況について6問のアンケートを実施しました。
① お勤め先の会社では、1on1(上司と部下の頻繁な対話の場)を導入していますか?(単一選択)
② ご自身は、どのくらいの頻度で1on1を実施していますか?(単一選択)
③ 1on1ではどのような話をしていますか?(複数回答可)
④ 1on1を導入したことで、効果があったと感じること、良かったことは何ですか?(複数回答可)
⑤ 1on1を継続することで課題に感じることは何ですか?(複数回答可)
⑥ 1on1を効果的に継続するために必要だと思う事は何ですか?(複数回答可)

3.アンケート調査期間および手法
2024/02/28~2024/03/01 インターネット調査

4.調査対象
全国の従業員500名以上の企業に勤める会社員 1,124人(インテージ マイティモニター登録者)
 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社アジャイルHR /10月28日発表・同社プレスリリースより転載)