[グローバル]2020/08/04

『日米欧CEO報酬比較』 2020年調査結果を発表

世界有数のグローバルカンパニーであるウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、日米英独仏の5カ国における売上高等1兆円以上企業のCEO報酬について、2019年度にかかる各社開示資料を用いて調査を実施しました。

《 調査結果 》
日米欧CEO報酬比較(2020年調査結果)


国名/基本報酬/年次インセンティブ/長期インセンティブ
●米国:140百万円(10%)/264百万円(18%)/1,041百万円(72%)/合計:14.5億円
●英国:153百万円(25%)/177百万円(29%)/285百万円(46%)/合計:6.2億円
●ドイツ:189百万円(27%)/232百万円(34%)/273百万円(39%)/合計:7.0億円
●フランス:146百万円(29%)/184百万円(36%)/174(35%)/合計:5.0億円
●日本:76百万円(40%)/58百万円(31%)/55百万円(29%)/合計:1.9億円

【出 所(2020年調査について)】
2019 年度にかかる調査対象国における各企業の開示資料よりウイリス・タワーズワトソンのGlobal Executive Compensation Analysis Team (GECAT)が分析のうえ作成。なお、調査対象は以下のとおり:

◾米 国: Fortune 500のうち売上高等1兆円以上の企業257社の中央値
◾英 国: FTSE 100のうち売上高等1兆円以上の企業46社の中央値
◾ドイツ: DAX構成銘柄のうち売上高等1兆円以上の企業23社の中央値
◾フランス: CAC 40のうち売上高等1兆円以上の企業33社の中央値
◾日 本: 総額は時価総額上位100社かつ売上高等1兆円以上の企業72社のうち、分析時点での有報未提出企業2社を除く70社における連結報酬等の中央値
内訳(割合)は連結報酬等開示企業(異常値を除く)57社の平均値を使用して算出 長期インセンティブには退職慰労金単年度を含む

※ 各国のデータサンプルにつき、在籍期間等により年額が得られないデータサンプルは異常値として集計上除外
※ 円換算レートは2019年平均TTM(1ドル=109.05円、1ポンド=139.26円、1ユーロ=122.07円)

《 コメント 》
ウイリス・タワーズワトソン リワード部門統括/ シニアディレクター 森田純夫

今回の調査結果において、日本のCEOの総報酬は昨年比大幅増の20.5%増となった(昨年は同3.3%増)。なお、2020年3月末以前を年度末とするデータで構成されており、新型コロナウイルスによる業績減速の影響が限定的である点には留意が必要である。
この増加をもたらしているのは、主に業績連動報酬の水準上昇であり、とりわけ目立つのは株式報酬を中心とした長期インセンティブの拡充である。ここ数年で長期インセンティブの普及は進んでいたが、一部の企業が長期インセンティブの厚みをさらに増していることがこの背景にある。また、堅調な業績による年次インセンティブの支給額の増加も、こうした総報酬水準の上昇を下支えしている。

一方、欧米企業の総報酬水準は、英国が6.9%増となっている他は、米国・ドイツで昨年とほぼ同じ、フランスについては昨年比2.3%増と、大きな変化は見られていない(いずれも原通貨ベース)。日本の報酬水準の上昇率は他国を大きく上回ったものの、欧米諸国との間で大きな報酬水準差が存在する構図に大きな変化はない。

日本企業における業績連動性は、2015年のコーポレートガバナンス・コード施行時とは様変わりしている。変動報酬は全体の60%を占め、長期インセンティブが全体のおよそ3割を占めるに至った(29%; 昨年は21%)。報酬構成からみた日本企業の業績連動性は欧州勢に近づいており、業績連動性の強化や株式報酬の重視といった、コーポレートガバナンス・コードが目指していた方向性は、大企業では一定程度達成されたといってよいだろう。
また、高額報酬を支給する企業が増える傾向も持続している。総報酬で3億円以上を支給した日本企業は、調査対象企業の18社と、昨年の15社から上昇した。4億円を超える企業も11社から13社に増えており、欧州水準に近づこうとする企業が徐々に増えてきていることが窺える。

本年の結果は、日本において、業績連動報酬の拡充や長期インセンティブの導入といった報酬の外形的枠組みの整備に注目が集まっていた第一段階を経て、これらの仕組みの効果をどのように高めるか、すなわち実質が問われる次の段階に移っていることをあらためて示すものである。折しも、ESG重視の流れに加え、新型コロナウイルスの影響で従来の延長線上では経営が成り立たないなか、企業には、自社としての中長期的かつ持続的な企業価値向上のありようを見定め、株主や従業員、顧客などのステークホルダーに対して説明することが今まさに求められている。経営者報酬は、この説明責任を果たす器として機能するものであり、その運営を担う報酬委員会および社外取締役の果たす役割は一層重要なものとなっている。新たな経営の方向性と報酬制度をどのように整合させ、その効果を高められるか。報酬委員会には経営的な視点に基づく本質的な議論が求められている。

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(タワーズワトソン株式会社 / 7月29日発表・同社プレスリリースより転載)

 


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