[グローバル]

2019/07/25

『中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2019年4‐6月期』:リクルート

株式会社リクルートホールディングスのグループ会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、 CEO:中重宏基)は、このたび、2019年4‐6月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。


■中国大陸
米中貿易摩擦の激化による景気減速懸念で、企業の採用意欲に冷や水。

当社で取り扱う日系企業を中心とした4-6月の求人案件数は2,364件で、前年同期比8%減少(2,571件)。この結果、上半期の求人案件数は4,691件で、半導体・設備業界が特筆して好況だった前年に対して、5%減(4,927件)となった。なお、一昨年上半期との求人案件数の比較においては、ほぼ横ばい(4,687件)の結果となった。

5月に米中貿易摩擦が激化し、6月のG20でも抜本的な状況改善には至らなかったこともあり、中国経済の先行き不透明感は拡大している。足下では、日系企業の求人意欲に冷や水がかかっている格好。今後、より一層の景気の下ぶれがあった場合、求人案件数にもさらにマイナスの影響が出てくる可能性がある。

業界別にみると、製造・商社・貿易は、半導体・設備業界の求人案件数に低迷感があるのに対し、日系自動車業界の求人需要が堅調。

また新たな傾向として、中国系製造企業からの求人の問い合わせが増加したことが挙げられる。販路開拓を目的に、日本に拠点を構えるため、国籍問わず日本で勤務する人材の採用意欲が高まっている。

求職者の動向においては、米中貿易摩擦や景気低迷感の影響は現状見られていない。

【転職事例】施工管理(日本人材)/中国系・建築企業/50代後半/約55万中国人民元(年収)


■香港
デモの影響は見られず、引き続き製造業・金融業の求人案件数が増加。

香港の転職市場は、日米の貿易戦争の影響により、昨年後半から引き続き貿易会社の案件は低調。6月に起こったデモの影響が懸念されたが、採用意欲(企業の募集案件数)や候補者の登録数には大きく影響しなかった。

業界別にみると、製造業や金融業が継続して求人案件数が多く、4-6月期もその状況は継続した。4月は多くの企業で給与改定が行われるなど組織の見直しがなされ、その影響を受けてジュニアポジションの欠員募集が増加した。

日本人求職者の動きは例年通りで大きく変わりはなく、ビザ取得済みの香港在住者向けの求人が多かった。

ローカルの求職者の動きとしては、大学の卒業時期が近く卒業を前に就職活動を始める学生も多かった。またジュニア向けの営業事務やアドミンポジション募集が多く発生したため、若手の日本語スピーカーの登録が増えた。

【転職事例】内勤営業(現地人材)/日系・製造業/40代前半/約31.2万香港ドル(年収)


■インド
市場の成長性を期待し日系企業の新規参入が増加。インフラ事業など大型プロジェクトも再開。

インドの4-6月期は年度が変わるタイミングということもあり、新規に採用予算が設けられたり、人事・採用計画が明確になるなど、市場全体として求人案件数が増加。

また5月に実施されたインド総選挙では現職のモディ首相率いるインド人民党が勝利したため、予定されていた高速鉄道建設計画などの公共事業関連や建設業・メーカーでの増産など大型のプロジェクトも緩やかに再開する見込みで、今後の求人案件数の伸びが期待される。

業界別に見ると、市場の成長性や人材不足を背景にインドに進出する企業が増えており、これまで主流だった製造業だけでなくIT企業や金融サービス、飲食など幅広い業種の求人が増えている。

求職者の動きついては、4月前後に昇給・賞与支給を終え、ジュニア層を中心に転職活動が活発化。またサービス業界での営業職やバックオフィスの人材など、女性に人気の求人も多く、女性求職者の登録が増えている。

【転職事例】マーケティングディレクター(現地人材)/日系・金融サービス企業/30代半ば/約630万円(年収)


■インドネシア
大統領選挙を終え、経済の成長に期待感が集まる。サービス業やインフラなど採用意欲が高い。

当社で取り扱う日系企業を中心とした4-6月の求人案件数は、前年同期比で15%程度増加。例年同様、断食シーズンは日系企業の採用の動きが1ヶ月前後鈍化した一方で、大統領選挙が無事に終了し、政情不安が大きく軽減されたため、投資を先送りにしていた建築業界などを中心に求人案件数は元の水準に戻ってきている。

大統領選挙後の市場成長性の期待度の高さから、サービス業界の新規進出企業が前四半期に引き続き増加し、採用意欲が高い。なかでもIT企業の求人が目立つ。相対的にインドネシアの技術人材の給与水準が低いこともあり、技術系人材を募集する求人が多い。

また、ジャカルタの軽量高架鉄道(LRT)が一般市民への試乗を本格的に開始し、バンドン市ではLRT建築工事の着工を発表するなど、大統領選挙で動きが止まっていた公共事業が動きだし、求人案件増加が期待される。

求職者については、長期断食シーズンの帰省で動きが鈍る時期もあったが、宗教手当の支給後のタイミングで転職を前向きに検討し始めた求職者からの登録が増加。職種は引き続き営業、バックオフィス(人事、経理)の人材からの応募が最も多い。

【転職事例】プロジェクトマネージャー(現地人材)/日系・ITコンサルティング会社/20代半ば/約2.6億インドネシアルピア(年収)


■シンガポール
世界経済の景気減速懸念に伴い、採用に対して慎重な企業が増加。

転職市場は、春節休暇後の最盛期を過ぎ、やや落ち着いた状況。

加えて世界経済の減速懸念に伴い、シンガポール国内においても採用活動に対して、慎重になっている企業が増えている。

日系企業においても景気減速懸念を受けて、採用に対して慎重な姿勢であるものの、帰任した駐在員および駐在員の配偶者ビザで働いていた日本人枠を補充する求人が増加。また海外事業の重要性が高まるなかで、新年度に就任した経営陣によって組織の見直しやコンプライアンス強化を図る企業が増えており、内部監査や審査部等の管理部門での求人や新設部署での求人案件数は増えている。

業界別では、サイバーセキュリティやAI、ブロックチェーンなどITを専門とするスタートアップの増加に伴い、引き続きITエンジニア及びIT関連企業での営業経験者の需要が高い。

またビザの取得が困難になっている状況は変わらず、引き続き日本人の現地採用または日本語スピーカーのシンガポール人の需要が高い。

【転職事例】経理マネージャー(日系人材)/日系・製造企業/30代後半/約750万円(年収)


■タイ
引き続きタイ東部の工業地域での求人が増加。通訳、エンジニアなどの人材ニーズが高い。

タイの転職市場は、多くの日系企業が6月から8月にかけ賞与支給を控えていることもあり、全体として求職者、求人案件数ともに落ち着いている状況。

当社と取引のある日系企業の動向としては、業界共通して組織の立ち上げに伴うバックオフィス人材の求人案件が増加しており、なかでも経理人材の採用が増えている。タイ国内での経理人材の慢性的な不足や外注から内製化する動きが出てきていることが要因となっている。

またタイ東部エリアにおいては自動車産業を中心に多数の工場が進出していることから、製造ラインにおける日本語通訳やエンジニアの人材に依然として強いニーズがある。今後もタイ東部を含む工業地帯ではエンジニア需要が高い状況が続くと考えられる。

現地の求職者の動向としては、経済成長に伴う生活コスト上昇を背景に求職者の希望給与が上昇傾向。一方で、日系企業が募集する求人案件の給与相場はここ数年で変化しておらず、求職者との間でミスマッチが発生し、タイ人求職者の人気は日系企業から高い給与が支払われる外資系企業へシフトされつつある。

【転職事例】営業(日系人材)/日系・自動車部品会社/30代前半/約84万タイバーツ(年収)


■ベトナム
製造業の生産量拡大で企業の採用需要が高い。今後人材獲得競争の激化が予想される。

米中貿易摩擦やチャイナプラスワンの影響で、ベトナムでの製造業の生産量拡大が続き、それに伴い採用需要がより一層高まっている。昨年から続く海外からの対ベトナム投資の増大に加え、中国からの海外直接投資(FDI)も著しく増加しており、ベトナム国内での人材獲得競争は一層激化することが見込まれる。

春節直後は企業の採用活動は落ち着いたが、その後すぐに回復を見せ採用需要が高かった。

業界別ではITや製造業、サービス業界の日系企業の求人案件が多い状況は変わらない。
日本人求職者の動きも大きく変わらず、若手の動きが活発で、ベトナムに限らず東南アジア全域で転職先を探しているケースが多い。

現地求職者については人手不足の背景があるため、求職者は多くの企業候補の中から転職先を選べる状況。給与や通勤時間を基準に選ぶのはもちろん、採用プロセスの簡潔さや短さが応募の基準になることも多い。

【転職事例】コンサルタントアシスタント(現地人材)/日系・サービス企業/新卒・経験不問/約140万円(年収)

 

◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルート http://www.recruit.jp/ /7月24日発表・同社プレスリリースより転載)


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