ニュース
人事サービス 人材育成・研修
掲載日:2019/05/31

管理職と新卒社員の間には様々な認識のズレがあるが、特に成長を感じる場面に大きなズレが生じている~『新卒一年目社員の育成に関する調査結果』を発表:ラーニングエージェンシー

株式会社ラーニングエージェンシー(東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔)は、2018年10月から2019年3月にかけて、新卒一年目社員の育成に関する調査を実施し、その傾向と新卒社員を育てるうえでのポイントをまとめました。調査は、当社が開催した研修受講者のうち、管理職と2018年度入社の新卒社員の計2,050名を対象に行い、管理職には「新卒社員の育成」新卒社員には「自身の仕事に対する意識」について回答いただきました。

今回の調査では、管理職と新卒一年目社員の間に様々なすれ違いがあることが明らかになりました。中でも、「成長を感じる場面」で大きなズレが生じていることが浮き彫りとなりました。

調査結果のサマリは以下の通りです。


<調査結果のサマリ>

  1. 管理職は新卒一年目社員が「責任がある仕事を任されたとき」に成長を実感すると思っているが、新卒社員本人は「教えてもらったことが実践できたとき」に成長を感じている。
    ただし、「褒められたとき」については共通の認識を持っている

     
  2. 管理職は新卒一年目社員に「業務の優先順位づけ」「論理的な思考展開」の強化を期待しているのに対し、新卒社員本人は「口頭伝達」「業務の処理スピード」に課題を感じている
     
  3. 管理職が新卒一年目社員の育成で苦労しているのは、「育成時間が取れない」ことと「やる気を高められない」こと


これらの結果から、新卒一年目社員を育成するうえで管理職は、

① 新卒社員が「過去と比較してどのように変わったか(成長したか)」を、業務の中でこまめにフィードバックしていく
② フィードバックを行う際に、強化・改善してほしいスキルをすり合わせる

ことが重要だといえます。


<調査結果 詳細>
1. 管理職は新卒一年目社員が「責任がある仕事を任されたとき」に成長を実感すると思っているが、新卒社員本人は「教えてもらったことが実践できたとき」に成長を感じている。ただし、「褒められたとき」については共通の認識を持っている

管理職に対して、新卒社員がどんな場面で成長を感じていると思うか聞いたところ、1位が「褒められたとき」(42.0%)、2位が「責任がある仕事を任されたとき」(40.3%)となりました。一方で、新卒社員本人にどんなときに自分の成長を感じているか質問したところ、1位が「褒められたとき」(30.3%)で、2位が「教えてもらったことが実践できたとき」(24.2%)という結果になり、管理職と新卒社員の間に認識のズレがあることがわかりました。


2. 管理職は新卒一年目社員に「業務の優先順位づけ」「論理的な思考展開」の強化を期待しているのに対し、新卒社員本人は「口頭伝達」「業務の処理スピード」に課題を感じている

管理職に対し、新卒社員に何を学んでほしいか聞いたところ、1位が「業務の優先順位づけ」(58.0%)、続いて2位が「論理的な思考展開」(47.3%)という結果になりました。しかし、新卒社員自身が課題だと感じているのは、1位が「口頭による正確な情報伝達」(47.6%)、2位が「業務の処理スピード」(44.4%)となり、ここでも管理職と新卒社員の間に認識のズレがあることが明かになりました。


3. 管理職が新卒一年目社員の育成で苦労しているのは「育成時間が取れない」「やる気を高められない」

管理職に新卒社員の育成で最も苦労していることは何か聞いたところ、1位が「部下育成の時間が取れない」(25.0%)、2位が「部下のやる気を高められない」(24.0%)という結果になりました。

メンバーの指導にあたるべき管理職のほとんどがプレイングマネジャーだといわれる昨今、管理職は限られた時間の中で部下の成長を実現しなければならない状況となっています。そのため、管理職のタイムマネジメント力は、今後ますます重要になっていくでしょう。


4. 管理職に求められるのは、日々の業務の中で行う適切なフィードバック

ここまで、管理職は「仕事を任せたとき」に新卒社員が成長を感じると考えている一方、新卒社員が実際に成長を感じるのは「教えてもらった業務を実践できたとき」であるという両者間のすれ違いを確認するとともに、課題感のズレや新卒社員の育成に対する管理職の悩みをご紹介しました。

当社が実施した別の調査(*1)では、「成長実感」は仕事に対するモチベーションにつながることがわかっています。
そのため管理職には、仕事を任せるだけでなく、「業務を進める中で以前と比べてどのように変わったか(成長したか)をこまめに伝える」、すなわち“マイクロフィードバック”を実施して新入社員の成長を促すことが求められるのではないでしょうか。また、フィードバックを行う際に、強化・改善してほしいスキルを適切に伝えることで課題感のズレも解消できます。まとまった時間を取ることが難しい管理職にとって、業務指導時のマイクロフィードバックこそが高い効果を生む育成法といえます。

*1 当社が実施した「新入社員のキャリアに対する意識調査(2019 年4 月23 日公表)」において、「仕事を通じて何を成し遂げたいか」という質問に対して最も多かった回答は、「自分を成長させたい」でした。


【調査概要】
1. 管理職層に対する新卒・若手の育成に関する意識調査
調査対象者:当社が提供する管理職研修の受講者
調査時期:2018年10月11日~2019年3月28日
調査方法:自記式のアンケート調査
サンプル数:1,112名

2. 新卒一年目社員の仕事に対する意識調査
調査対象者:当社が提供する新卒一年目の社員を対象とする研修の受講者
調査時期:2018年10月11日~2019年3月28日
調査方法:自記式のアンケート調査
サンプル数:938名

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社ラーニングエージェンシー https://www.learningagency.co.jp/ /5月28日発表・同社プレスリリースより転載)