[グローバル]

2018/10/29

『中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2018年7‐9月期』:リクルート

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 北村吉弘)は、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、Chairman:葛原孝司)を通じて、このたび、2018年7‐9月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。

 

■中国大陸
長期化する米中貿易摩擦の影響を受け、人的投資に対して慎重に。

・当社で取り扱う日系企業を中心とした7-9月の求人数は2,411件で、前年同期比2%減少。7月までは前年同月比増加トレンドで推移していたが、9月の求人件数が前年同月比14%減少となった。要因としては、米中貿易摩擦が加熱するなかで、人的投資を含めた中国での投資全般に対して日系企業が慎重になっていることが挙げられる。

・業界別にみると、これまで求人数の増加をけん引してきた製造や商社/貿易がそれぞれ2%減少。一方で、全体の求人数に対する割合は小さいが、金融/保険の案件数が前年同期比で66%増加と伸びた。金融/保険業界、特に銀行における人材の流動性が高まっていると言える。案件数の内訳としては求人の7割が欠員を補充する目的の募集であり、事業規模を拡大するための増員募集は約3割となった。

・どの業界においても日系企業では、営業の若手人材の募集が多いが、当社に登録し、現在積極的に求職している日本人求職者のうち、20代日本人求職者は約1割にとどまる。需給ギャップが大きいため、20代日本人求職者の中国就職は他の年代と比較しても就職の選択肢が多い状況になっている。

○転職事例:営業(日本人材)/日系・IT企業/20歳代/約31万中国人民元(年収)


■香港
安定した転職市場の状況が継続。現地人材の採用は日本企業での就業経験や語学力がカギに。

・当社で取り扱う日系企業を中心とした7-9月の求人数は前年同期比で横ばいで、日系企業の安定的な採用意欲は続いていると言える。

・業界別にみると年間を通して物流や商社からの求人数が多いが、最近はサービス・小売の新規参入が増えており、求人数も増加傾向にある。

・現地人材を対象とした求人については、継続して日系企業での就業経験や日本留学経験がある人材のニーズが高い。現地の求職者も日系企業の雇用安定性を認識し、人気が高いものの、給与水準が現地企業や日系以外の外資系企業より低い場合があるため、例え日本語能力があっても給与面を理由に内定者が辞退するケースがあり、企業にとっては採用の難易度が高くなっている。

○転職事例:アシスタントマネージャー(日本人材)/日系・コンサル/30歳代前半/約26万香港ドル(年収)


■インド共和国
新規進出した日系自動車関連企業の採用活動が引き続き堅調。

・インドでの転職活動が活発になる4-6月が過ぎ、7-9月期の転職市場は例年通り落ち着いている。

・当社で取り扱う求人案件については、 4-6月期に引き続き、デリー首都圏やグジャラート州アーメダバードなどで日系自動車工場の新規進出が増加しており、拠点立ち上げに伴う日本人および現地人材に関する求人案件が多かった。

・日系企業の日本人材を対象とした採用については、日系自動車関連企業の求人に加え、サービス業の営業職や商社・コンサルティング企業のデータ分析や営業プランニングなどの企画系の求人が増加。現地人材の採用についても、自動車をはじめとする製造業での求人が多くを占めるが、一部大手消費財(アパレル)の新規参入に伴う求人も見られた。

・現地および外資系企業の求人については、欧米系やインド系の会計事務所で日本人を対象とした営業職の求人が増加。しかし英語力に加えて会計・監査やビジネスコンサルティングの知識や経験が必要となるため企業が求める人材要件を満たす求職者を見つけるのは難しい。

〇転職事例:ビジネスヘッド(日本人材)/日系・自動車部品工場/50歳代後半/約1,000万円(年収)


■インドネシア共和国
政府による地方の大規模なインフラ開発計画を受けて製造業・商社の求人数が増加。

・インドネシアの転職市場は、政府による地方での大規模なインフラ開発計画や自動車の生産台数の増加によって、企業の採用意欲が高く活況。

・これを受けて、当社で取り扱う日系企業の求人も増加している。特に地方でのインフラ開発計画によって、物資輸送等で需要が高まっている。トラック・バスなどの商用車や建機の販売が急回復しており、関連する製造業・商社の求人が増えている。

・求職者側の動きとしては、インドネシアの転職は、例年9月から年末にかけて雇用契約更新する方が多く、7-9月期は日本人求職者・現地インドネシア人ともに問合せが増加した。インドネシア在住の日本人求職者はもちろん、家族のインドネシア駐在に合わせて新たに渡航し、インドネシアで仕事を探す求職者も多かった。インドネシア人求職者については4-6月期のラマダン(断食)で鈍化した動きの反動から、例年求人数の増加に合わせて応募者の増加がみられるが、今年も4-6月期と比べ10%程度の増加となった。

〇転職事例:HRマネージャー(現地人材)/日系・物流倉庫会社/40歳代前半/約3億6,000万インドネシアルピア(年収)


■シンガポール共和国
フィンテック関連事業の採用ニーズが継続して増加傾向

・フィンテック関連企業の採用ニーズは、今年に入ってから現在まで日系・外資系ともに引き続き高い。

・7-9月期の新しい傾向としては、フィンテック事業のセキュリティに対する意識がより高まっており、サイバーセキュリティ関連企業が多くシンガポールに進出していることが挙げられる。それらの企業ではフィンテック事業のセキュリティが主な業務となるため、金融・ITのバックグラウンドやITコンサルティング業界の出身者といった専門知識を持っている人材を募集する求人が増加している。日系フィンテック関連企業からシンガポール進出の相談も増加しており、求人の増加トレンドはしばらく続いていくだろう。

・日系・外資系問わず、現地人材の採用においては、フィンテック事業の新規進出や事業拡大を進めるにあたり政府とのコネクションを持っているシンガポール人経営幹部や資金調達の経験があるCFOの採用ニーズが高い。

〇転職事例:現地法人CFO(現地人材)/日系フィンテック企業/40歳代前半/約2,000万円(年収)


■タイ王国
好景気に伴い引き続き転職市場は活況。日系企業による現地人材の獲得競争が激化。

・タイの転職市場は好景気に伴い、7-9月期も活況。当社で取り扱う求人数も、業界問わず前年同期比で増加した。

・日系企業の動きとして、2018年に入りタイの国内需要獲得を目的に、飲食や小売、エンターテインメントなどサービス業の新規進出・事業拡大が進んでいる。取引量の増加に伴い、人員体制の強化が進んでいる。特に営業職などにおいては、日本人だけでは足りず、日本語を話す現地人材の採用が増加している。また、7-9月期においては、大手百貨店や大手小売店がバンコク都市圏に進出し、テナントの店舗管理人材などの募集が増えた。バンコク都市圏における経済が活性化することで、バンコク郊外から人材が流入しており、今後地方における人材不足が見込まれる。

・日系企業による、日本語能力のある現地人材の採用意欲は大変高く求人件数も多いが、日本語能力のある現地人材の数は横ばいのため、人材獲得競争が激化し、給与の高騰が目立ち始めている。

〇転職事例:営業マネージャー(現地人材)/日系・商社/30歳代前半/約88万タイバーツ(年収)


■ベトナム社会主義共和国
好景気に伴い日系企業のベトナム進出が加速。進出をサポートする企業の求人が増加。

・ベトナム経済の好調で人材需要が高いため引き続き転職市場は活発。製造やサービス業に加え、ITやインフラ、不動産など、幅広い業界で採用意欲が高い 。

・当社で取り扱う日系企業の求人(7-9月期)においては、金融・コンサルティング業界からの求人増加が顕著だった。日系企業の新規進出や事業拡大に伴い、法人設立や事業展開のサポートの需要が増加していることが要因として挙げられる。また業界問わず若手の営業職の求人が多い。

・一方、日系企業の人材獲得に課題も見える。人材需要が高まるなか、現地企業や日系以外の外資系企業が給与額を高く提示している。エンジニア人材を中心に日系企業側が提示する給与額と求職者の希望金額にギャップが生じるケースも発生しており、採用の難易度を高めている。

〇転職事例:営業(日本人材)/日系・IT企業/20歳代前半/約260万円 (年収)

 

◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルート http://www.recruit.jp/ /10月26日発表・同社プレスリリースより転載)


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