ニュース 掲載日:2017/01/13

グローバル化が進展するも依然として現地人材育成が課題。海外従業員に占める日本人派遣者数比率は1.4%~『日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート調査』結果報告:日本在外企業協会

一般社団法人日本在外企業協会(会長:伊藤一郎・旭化成(株)会長、以下、日外協とする)では、2016年に会員企業を対象に「日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート調査」を実施しました。この程、その集計結果がまとまりましたので下記の通りご報告いたします。

 

調査の趣旨
2016年10月~11月にかけて「日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート調査」を会員企業のご協力を得て実施した。同様の調査は日外協として過去合計8回、「海外現地法人の社長に関するアンケート」(1996年・1998年・2000年・2002年)と、内容を拡大した「海外現地法人の経営のグローバル化に関するアンケート調査」(2008年・2010年・2012年・2014年、この4回の調査結果については日外協ホームページにて公開されている)として実施している。

今回の調査の主たる趣旨は前回行われた2014年12月発表の調査結果と比較検討することで、今後の「日系企業における経営のグローバル化」に対する具体的な指針となることを目的としている。

 

<調査結果報告のまとめ>
●海外従業員数に占める日本人派遣者数比率は1.4%。1996年に調査開始以来、2008年、2014年調査と並び最も低い数値。地域別にみても、中東・アフリカを除いてあまり大きな差はない。

●海外現地法人における日本人社長比率(今回調査より算出方法を変更)は51%。地域別にみると新興国は5割を越えるが、先進国は5割を切っている。中でも「欧州・ロシア」は3割であり、「経営のグローバル化」が最も進展している。

●日本本社において外国籍役員(監査役・執行役を含む。ただし非常勤は除く)を起用している企業は22%。1社あたりの外国籍役員数は0.6人、全役員総数の2.3%にあたる。起用形態の8割は「海外法人の内部昇進」による。現在起用していない企業も34%が今後5年くらいまでにその可能性「あり」としている。

●過去1年間に日本本社が採用した者(短大・高専以上、中途入社を含む)のうち外国籍の比率は3%。採用形態の約8割は日本の大学における外国人留学生。

●グローバル経営を進展させるための本社から見た主要な経営課題については1位「ローカル社員の育成」73%、2位「グローバルな人事・処遇制度の確立」51%、3位は「日本人派遣者の育成」43%である。

●自社の経営のグローバル化の進捗について68%の企業は「域内で最適化できる」段階と認識している。

●「経営のグローバル化に関して最大の課題」(自由記述)に関して74社103件の回答があった。

 

<調査概要>
調査方法:
日外協会員企業のうち、団体、研究機関等の賛助会員を除く232社(2016年10月現在)の企業窓口に対し、Email・郵送によりアンケート調査票を配布した。各企業からはEmailまたはFAXによる回答をお願いした。

回答記入者: 上記企業の海外事業または国際人事部門所属の方

調査期間: 2016年10月4日(月)(アンケート用紙発送)~11月25日(金)(回答延長期限)

回収状況: 232社のうち110社から回答(回収率47.4%)

 

<お問合わせ先>
当調査に関するご意見ならびにご質問に関しては下記までお願いします。
日本在外企業協会 業務部 矢野 または 落合まで
TEL: 03-3567-9271 / FAX: 03-3564-6836
Email: yano-b@joea.or.jp / ochiai@joea.or.jp

 

◆ 本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。

(一般社団法人日本在外企業協会 http://www.joea.or.jp/ / 1月11日発表・同法人プレスリリースより転載)