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掲載日:2016/10/11

過労死の一因睡眠不足の理由、「残業時間が長い」が最多だが「家事労働時間」「通勤時間」の長さも~『過労死等防止対策白書』過労死等の現状や過労死等の防止に講じた施策の状況をとりまとめ(厚生労働省)

政府は、10月7日、過労死等防止対策推進法に基づき、「平成27年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(以下、「過労死等防止対策白書」)を閣議決定しました。

「過労死等防止対策白書」は、平成26年に成立・施行された過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。

今回の白書のポイントは以下のとおりです。  

(※) 「過労死等」とは・・・業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による 死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害をいう。

 

「過労死等防止対策白書」のポイント

1. 過労死等防止対策推進法に基づく初の白書

2.過労死等防止対策推進法が制定に至るまでの経緯などについて記載

3.過労死等の実態を解明するための調査研究(労働者の労働時間だけでなく、 生活時間の状況等の労働・社会面からみた調査や、労災認定事案のデータ ベース構築など)など、平成27年度に行われた過労死等防止対策の取組について記載

4.過労死等防止対策に取り組む民間団体の活動をコラムとして紹介

■目次  
    第1章 過労死等の現状  
    第2章 過労死等防止対策推進法の制定  
    第3章 過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定  
    第4章 過労死等の防止のための対策の実施状況  
    (資料編) 

なお、「過労死等防止対策白書」は、厚生労働省ホームページのこちらからダウンロードできます。また、10月下旬から政府刊行物センターなどで販売する予定です。

 

<一部抜粋>
●過労死等の現状
労働時間の状況

1)長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらし、過労死等の最も重大な要因。
我が国の労働者1人当たりの年間総実労働時間は緩やかに減少しているが、これは、パートタイム労働者の割合の増加によるものと考えられ、パートタイム労働者を除く一般労働者の年間総実労働時間は2,000時間前後で高止まり。

2)1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は、平成15、16年をピークとして概ね緩やかに減少しており、性別、年齢層別に見ても就業者の割合は概ね減少傾向にある。
性別、年齢層別には、30歳代、40歳代の男性で週60時間以上就業している者の割合が高い。

3)平成27年における1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は、[1]運輸業,郵便業(18.3%)、[2]建設業(11.5%)、[3]教育,学習支援業(11.2%)の順に多い。
1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は、平成22年と比べて多くの業種で減少しているものの、一部の業種では増加している。

年次有給休暇の状況
年次有給休暇の付与日数は長期的に微増。
年次有給休暇の取得率は平成12年以降5割を下回る水準で推移。

職場におけるメンタルヘルスの状況
メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所は増えてきてはいるが、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は依然として50%を超えている。
特に「仕事の質・量」が原因でストレスを感じる労働者が多い。

 

【照会先】
労働基準局 総務課
課長 村山 誠
過労死等防止対策企画官 佐藤 靖夫
課長補佐 仁木 真司 (内線5583)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3103

 

◆ 詳しくはこちらをご覧ください。

(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 10月7日発表・報道発表より転載)