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掲載日:2016/06/06

通報制度の対象事案を拡充。トラック運送業やIT産業への改善取組を実施~中小企業における労働条件の確保・改善に関する公正取引委員会・経済産業省との通報制度等について(厚生労働省)

下請取引の適正化は、下請事業者の経営の安定・健全性を確保する上で重要であるほか、労働者の労働条件の確保・改善にも資するものであることから、厚生労働省においては、平成20年12月2日より、公正取引委員会・経済産業省との通報制度等を実施しています。  

今般、平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、「長時間労働の背景として、親事業者の下請代金法・独占禁止法違反が疑われる場合に、中小企業庁や公正取引委員会に通報する制度を構築し、下請などの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築する」とされました。

 

このため、厚生労働省においては、

○労働基準監督機関において、事業場に対する監督指導を実施した結果、労働基準法第24条(賃金支払)違反や同法第32条(労働時間)違反等の労働基準関係法令違反が認められ、当該違反の背景に親事業者による下請法第4条の違反行為に該当する行為又は特定荷主による物流特殊指定に該当する独占禁止法第19条の違反行為に該当する行為(いわゆる「下請たたき」に当たる行為)が存在しているおそれのある事案を把握した場合、下請事業者又は特定物流事業者の意向を踏まえつつ、かつ、秘密保持に万全を期した上で、公正取引委員会又は経済産業省に当該事案を通報するものとすること(参考1)  

などを主な内容とする通報制度(別添1)を実施することとし、6月3日、別添2のとおり、厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長あて通達しました。  

厚生労働省では、上記通報制度の的確な実施により公正取引委員会及び経済産業省と連携し、引き続き、中小企業で働く労働者の労働条件の確保・改善を図ってまいります。  

なお、これらに加え、厚生労働省では、今年度、(1)トラック運送業について取引慣行の見直しを通じた手待ち時間の削減等のモデル的取組(参考2)を実施するとともに、(2)IT産業における重層下請構造の下での発注の在り方と長時間労働の一体的改善に向けた取組(参考3)を実施するなど、取引の在り方や業界慣行に踏み込んだ取組を業界や関係省庁と連携して行うこととしています。  

また、あわせて、今後、各都道府県に設置されている中小企業支援センターにおいて、雇用・労働関係の助成金の周知広報を行うなど、更なる連携の強化を図ることとしています。

 

別添1(PDF:550KB)
別添2(PDF:162KB)
参考1(PDF:203KB)
参考2(PDF:275KB)
参考3(PDF:262KB)

 

【照会先】
労働基準局 監督課
課長 荒木 祥一
中央労働基準監察監督官 湯川 渉
(代表電話)03(5253)1111(内線5427)
(直通電話)03(3595)3203
労働基準局 労働条件政策課
課長 村山 誠
課長補佐 米田 隆史
(代表電話)03(5253)1111(内線5350)
(直通電話)03(3502)1599

 

◆ 詳しくはこちらをご覧ください。

(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 6月3日発表・報道発表より転載)