月間分析レポート[2025年12月]

2025年11月と比べて検索数の上昇が顕著だったHRワードは「ダニング=クルーガー効果」「正常性バイアス」「つながらない権利」でした。上昇の要因と検索意図について考察します。

ダニング=クルーガー効果

「ダニング=クルーガー効果」とは、能力の低い人が、自らの能力を過大評価してしまう心理的現象のことです。知識や経験が不足しているために、自らの無知やスキルの欠如を客観的に認識できず、実際よりも自分を有能だと思い込んでしまう「認知のゆがみ」を指します。米国コーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによって定義されました。

サジェストワードでは、「ダニング=クルーガー効果 絶望の谷」「ダニング=クルーガー効果 逆」が検索されました。ダニング=クルーガー効果には、「馬鹿の山」「絶望の谷」「啓蒙の坂」「継続の大地」という四つの段階があります。習熟度が低い段階で自信が最大化する「馬鹿の山」に対し、学習が進むことで自分の無知を自覚し自信を喪失する段階を「絶望の谷」と呼びます。また、能力の高い人が自分を過小評価してしまうダニング=クルーガー効果の「逆」の現象は、「インポスター症候群」といいます。

このほかには、「ダニング=クルーガー効果 チェック」「ダニング=クルーガー効果 職場」が検索されました。例えば、指示を正しく理解していないのに「できます」と断言する、根拠のない自信を持つ部下にどう対応すべきか、セルフチェックや対策を求める意図がうかがえます。

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正常性バイアス

「正常性バイアス」とは、予期せぬ事態や危機的な状況に直面した際、「自分だけは大丈夫」「大したことはない」と思い込み、事態を過小評価してしまう心理的な特性のことです。心が過剰な不安やストレスで疲弊しないように働く防御反応の一種ですが、このバイアスが強く働くと、避難の遅れや致命的な判断ミスを招く恐れがあります。
サジェストワードでは、「正常性バイアス とは」「正常性バイアス 例」が検索されました。日常生活における典型的な例としては、火災報知器が鳴っても「点検や誤作動だろう」と判断し避難しない、豪雨の際に「これまで浸水したことがないから大丈夫だ」と思い込む、といった行動が挙げられます。
また、「正常性バイアス 災害」「正常性バイアス 事件」も検索されました。東日本大震災における避難の遅れや、韓国の大邱(テグ)地下鉄放火事件において煙が充満しても座席に留まり続けた乗客の行動などが正常性バイアスの代表例です。これらの事案では、周囲の反応に同調してしまう「多数派同調バイアス」が併発し、被害を拡大させたことが指摘されています。

「正常性バイアス 対処法」も検索されました。このバイアスを打破するためには、危機を「自分事」として捉える訓練や、あらかじめ「◯◯が起きたら逃げる」というルールを決めておくことが重要です。個人の意識だけでなく、職場やコミュニティで声を掛け合い、異常事態を速やかに認識し合える環境づくりが、命を守る「対処法」となります。

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つながらない権利

「つながらない権利」とは、労働者が勤務時間外や休日に、仕事上の電話やメール、チャットなどの連絡を拒否できる権利のことです。デジタルデバイスの普及によって場所を問わず業務が可能になったことで、公私の区別が曖昧になり、労働者の休息が阻害されるリスクが生じたことから、心身の健康を守るための概念として提唱されました。

サジェストワードでは、「つながらない権利 2026」「つながらない権利 日本」が検索されました。フランスでは2017年に世界で初めて法制化。日本においても、労働基準法改正に向けた議論の中で「つながらない権利」が主要な論点となっています。

また、「つながらない権利 厚生労働省」「つながらない権利 ガイドライン」も検索されています。厚生労働省が策定した「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、勤務時間外のメール送付の抑制や、システムへのアクセス制限などに関するルールの明文化を推奨しています。企業に対しては、従業員が休息を確実に取得できるよう、システム面や社内規定での対応を求めています。

「つながらない権利 管理職」という検索も見られました。部下からの連絡に対応せざるを得ない「管理職」の休息確保が課題となっており、一部の企業では管理職を含む全従業員を対象とした「時間外連絡の原則禁止」や「夜間・休日のサーバー自動停止」を実施しています。

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