月間分析レポート[2025年11月]

2025年10月と比べて検索数の上昇が顕著だったHRワードは「コンプライアンス」「圧迫面接」「ボーナス」でした。上昇の要因と検索意図について考察します。

コンプライアンス

「コンプライアンス」とは、「法令順守」という意味です。企業に対する社会的責任(CSR)の重要性が高まる中、単に法令だけでなく、社会的規範や企業倫理など企業が活動していく上で求められる、さまざまな「規範」「倫理」を含めた内容を指す言葉として使われています。

11月26日に検索数が急増しました。同日、コンプライアンス違反があったとして日本テレビの番組を降板となった元「TOKIO」の国分太一さんが、記者会見を開き謝罪。この報道をきっかけに、「コンプライアンス」という言葉の正確な意味や、どのような行為が違反にあたるのかについて多くの人が関心を持ったと考えられます。

サジェストワードでは、「コンプライアンス とは」「コンプライアンス 使い方」が検索されました。ニュースをきっかけに言葉の正確な意味を調べようとした検索意図がうかがえます。コンプライアンスが指す範囲は広く、例えば自動車メーカーによる燃費データの改ざんのような明確な「法令違反」だけでなく、従業員がSNSに不適切な動画を投稿して炎上するような「企業倫理・社会規範からの逸脱」も含まれます。

また、「コンプライアンス ガバナンス」も検索されました。両者は密接な関係にありますが、「コンプライアンス」が「守るべきルール」そのものを指すのに対し、「ガバナンス(企業統治)」は「ルールを守らせるための管理体制・仕組み」を指します。例えば、「取締役会が経営を監視する」というガバナンス体制を強化することで、不正会計などのコンプライアンス違反を防ぎます。

「コンプライアンス ハラスメント」も検索されました。パワハラやセクハラは、個人の人権を侵害するだけでなく、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)や男女雇用機会均等法といった法律にも関わる重大なコンプライアンス違反です。企業にはハラスメント防止措置を講じる義務があります。

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圧迫面接

「圧迫面接」とは、採用面接において、面接担当者がわざと意地の悪い質問や厳しい批判をしたり、威圧的な態度をとったりして、受験者の受け答えを観察・評価する面接手法です。仕事上のトラブルや顧客・取引先からのクレームなどを想定し、受験者が緊迫した状況にどれだけ対応できるかなど、ストレス耐性や打たれ強さを見るために行われるといわれます。

10月6日に多く検索されました。特定のニュースとの関連は不明ですが、2027年卒の就職活動が本格化する時期を前に、学生や企業の採用担当者の関心が高まった可能性があります。

サジェストワードでは、「圧迫面接 特徴」「圧迫面接 意味」が検索されました。どのような言動が圧迫面接にあたるのか、また企業がなぜそのような手法をとるのかを知りたい人が検索したと考えられます。「(趣味や学生時代の活動を聞いた上で)それのどこがおもしろいの?」といった否定的な質問や、「なぜ?」「どうして?」と執拗に問い詰める、腕を組んでにらみつけるといった態度が典型例として挙げられます。近年では、圧迫面接は「面接の名を借りたパワーハラスメント」と解され、人格否定・人権侵害と批判されることも少なくありません。

また、「圧迫面接 録音された」「圧迫面接 訴える」「圧迫面接 報復」といったキーワードも検索されました。SNSなどで「#圧迫面接」といったハッシュタグをつけて告発するケースや、録音を証拠に、人格権の侵害として法的に訴えることを検討する人もいます。これらの検索ワードからは、圧迫面接が単なる厳しい面接ではなく、企業の信用を失墜させかねないリスクの高い行為であるという認識が広まっていることがわかります。

「圧迫面接」についてもっと知る

ボーナス

「賞与(ボーナス、bonus)」は、一般的には企業が一定水準以上の利益を上げた場合に、従業員への還元として支払われる一時金です。日本では、夏と冬の年2回支給する企業が多く、従業員への利益還元やモチベーション向上の役割を担っています。ラテン語で「良い」という意味の「ボヌス」を語源とするポジティブな言葉ですが、実際の運用では、評価基準の明確化や同一労働同一賃金への配慮などの注意が必要です。

11月30日に検索数が増加しました。同日、佐賀銀行が「佐賀県内の今冬のボーナス支給額が官民全体で過去最高になる」との予想を発表。冬のボーナスシーズンを前に全国的な関心が高まったと考えられます。

サジェストワードでは、「ボーナス 平均」が検索されました。ボーナスの平均額を知る上で参考となる主な調査として、対象の異なる以下の三つが挙げられます。

一つ目は、大手企業の動向(経団連調査)。経団連の発表によると、大手企業の2024年冬のボーナス平均額は92万5545円(前年比+2.11%)でした。

二つ目は、上場企業の動向(労務行政研究所調査)。東証プライム上場企業を対象とした労務行政研究所の調査では、2024年冬の平均支給額は83万5133円(対前年比+3.4%)、支給月数は2.61ヵ カ月(前年同期 2.57カ月)でした。

三つ目は、民間企業全体の動向(国税庁調査)。中小企業を含む民間企業全体の年間データは、国税庁の「民間給与実態統計調査」で確認できます。2024年の年間平均賞与は75万円(前年比4.5%増)、男性96万円(前年比3.6%増)、女性47万円(同6.4%増)でした。

このように、調査対象によって平均額に差は見られるものの、物価上昇への配慮や人材確保を目的とした賃上げの流れを受け、いずれの調査でも増加傾向にあることが分かります。特に大手企業では、過去最高水準の支給額となりました。好調な動きが中小企業を含む社会全体へどの程度波及していくかが、2025年分のデータにおける注目点となりそうです。

このほかには、「ボーナス 手取り」「ボーナス 税金」「ボーナス 社会保険料」が検索されました。いずれもボーナスから差し引かれる金額に関する検索です。ボーナスの額面金額から所得税や健康保険・厚生年金などの社会保険料が天引きされたものが手取り額となります。一般的に、手取り額は額面の75%~85%程度になります。

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