月間分析レポート[2022年7月]

2022年6月と比べて検索数の上昇が顕著だったHRワードは「ジェンダーギャップ指数」「技能実習制度」「最低賃金」でした。上昇の要因と検索意図について考察します。

ジェンダーギャップ指数

「ジェンダーギャップ指数」とは、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が『世界男女格差報告書』において2005年から毎年発表している、社会進出における各国の男女格差の度合いを示す指標です。「経済活動の参加と機会」「教育の到達度」「健康と寿命」「政治への関与」の4分野における男女格差を数値化・ランク付けしたもので、7月13日に2022年版の報告書が発表されたことから注目が集まりました。

注目のサジェストワード

ジェンダーギャップ指数 計算方法

ジェンダーギャップ指数の評価項目は4分野で全14項目あり、それぞれの指数をまとめたものが、その国の総合ランクとなります。これらの項目や算出法について掲載された記事が、検索エンジンの上位にランクインしています。

ジェンダーギャップ指数 日本

「日本」というサジェストでの検索が多いことから、世界と比較して日本はどの程度男女格差があるのか、関心を持つ層が多いことがうかがえます。2022年版の日本の総合ランクは、146ヵ国中116位。主要7ヵ国(G7)では最下位になっています。HRに関連した項目では、「女性の労働参加率:83位」「管理職の女性割合:130位」となっています。

ジェンダーギャップ指数 問題点

検索上位にランクインした記事は、大きく二つの傾向に分類されます。一つ目が「指数が低いことでどのような問題が引き起こされるのかを解説した記事」。二つ目が「指数そのものの妥当性や正確性について疑問を呈した記事」です。

「ジェンダーギャップ指数」についてもっと知る

技能実習制度

「技能実習制度」とは開発途上国への技術・技能・知識などの移転を目的として、18歳以上の外国人を日本企業に受け入れる制度。帰国後、彼らが母国の経済発展や産業振興の担い手として活躍できるように設けられ、日本の国際貢献において重要な政策とされてきましたが、制度を悪用して不当な労働を強いるケースもありました。こうした状況を踏まえて7月29日に、見直しの検討を法務大臣が記者会見で述べたことから、注目を集めました。

注目のサジェストワード

技能実習制度 いつから

技能実習制度は1993年に創設されました。創設の背景や目的、その後の精度の変遷について解説した記事が上位にランクインしていることから、顕在化された現状の課題だけではなく、そのバックグラウンドについて理解したいというユーザーの意図が読み取れます。

技能実習制度 問題点

検索エンジンの上位には、低賃金や長時間労働、実習生の失踪などの具体的な事案の他に、受け入れ体制に関するアドバイスが書かれた記事もあり、受け入れに対する課題感や危機感を持つ事業者が少なからずいると予測されます。法務大臣は記者会見で、「国際貢献という目的と人手不足を補う労働力としての実態がかい離している」と指摘しています。

技能実習制度 運用要領

厚生労働省や法務省のホームページが検索上位にランクイン。政府によって定められた運用に関する専門性の高い記事が閲覧されているようです。また2022年4月1日、技能実習制度運用要領の内容が一部改正されたことを紹介する記事も見られました。

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最低賃金

「最低賃金」とは、最低賃金法に基づいて国が定めた最低限度の賃金のことです。最低賃金制度により、使用者は労働者に対して最低賃金以上を支払わなければならないと定められています。7月29日に厚生労働省が中央最低賃金審議会の小委員会を8月1日に開くという発表があり、注目を集めました。8月1日には各都道府県の引上げ幅の目安を過去最大の31円にすると発表され、さらに話題となりました。

注目のサジェストワード

最低賃金 東京都(および都道府県名)

最低賃金のうち「地域別最低賃金」と呼ばれるものは、各都道府県において定められた最低賃金のもので、産業や職種・企業規模の違いなどに関係なく、同じ都道府県内の事業場内で働く全労働者・使用者に適用されます。こうした背景から、都道府県名を含めて検索するユーザーが多かったと考えられます。

最低賃金 引き上げ

政府が過去最大の引上げ幅の目安を発表したことにともない、事業者側の影響や引き上げ時期に言及した記事が検索エンジンの上位にランクインしています。

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