BtoBの広告出稿
BtoBの企業間取引においても、広告は売上向上や成約率向上に効果を発揮します。近年ではインターネットの発達に伴い、広告の種類が多様化しています。広告を効果的に活用するには、自社のサービスや商品を届けたいターゲットを明確にした上で、各広告の特性を知ることが大切です。BtoB向け広告の種類や広告出稿の流れについて解説します。
広告とは
広告とは、情報を広く知らしめる行為のこと。近年では新聞やテレビ・雑誌といった定番の媒体だけではなく、ネット・SNSなどの新たな媒体の発展により、広告形態が多様化しています。
広告といえば、企業が一般消費者をターゲットとする「BtoC(Business to Consumer)」のイメージが一般的ですが、企業間取引での「BtoB(Business to Business)」においても、ターゲットにアプローチする有効な手法として活用されています。
BtoC広告では、商材を検討している人々(顕在層)や商材に興味を持っている人々(準顕在層)をメインターゲットとして展開しますが、BtoB広告ではこれらの層に加え、将来的に検討する可能性のある層(潜在層)もターゲットとしています。企業の課題には「どこから手を付けていいかわからない」といった漠然としたものが多く、組織で意思決定を行うことにより認知から購買までのスパンが長いため、広告を活用した長期的な関係性の構築が一定の効果を発揮するからです。
BtoB広告では商材の魅力を推し出すだけではなく、商材から得られる価値を伝え、本質的な良さを発信する働きかけが重要です。また、BtoB広告では一般消費者への広告と比べてターゲット層が限定されることから、テレビCMといった大衆に訴え企業イメージを醸成する広告よりも、決済権を持ち特定の企業課題に取り組んでいる人に届く広告出稿の手法が重視される傾向にあります。
最近の広告費の推移
調査結果を基に、近年の広告費の推移を紹介します。経産省の『特定サービス産業動態統計調査』によると、2019年から2021年の3年間の広告業界の売上高は、2020年のコロナ禍で落ち込みを見せたものの回復傾向にあります。
年間で約5兆7,314億円(2021年)ある広告業界売上高で大きな比重を占めるのはテレビ広告(23.9%)で、1兆3,698億円に上ります。旧来からある媒体の新聞・雑誌は3年間で規模を縮小(新聞:4.7%→3.9%、雑誌:1.2%→0.7%)しています。
それに相反するように勢いを伸ばしているのがインターネット広告です。2019年に8,343億円(14.1%)だったインターネット広告のシェアは、2021年には1兆3,721億円(23.9%)となり、テレビ広告と同じ市場規模まで拡大しました。
2022年2月に電通が発表した『日本の広告費』でも、日本の総広告費の伸びとコロナ禍での落ち込み、21年に入ってからの回復基調を確認できます。
電通の調査によれば、日本の総広告費は2021年に二桁増の6兆7,998億円(前年比110.4%)となったほか、インターネット広告費が前年比121.4%でマスコミ4媒体広告費を上回りました。また、新聞・雑誌・テレビ・ラジオのマスコミ4媒体由来のデジタル広告費が前年比132.1%とはじめて1,000億円を超え、デジタル広告市場の拡大がうかがえます。
BtoB向け広告の種類
BtoB向け広告の種類は多様化しており、広告の手法や媒体などさまざまな切り口で分けられます。広告を出稿する媒体は、大きく分けて紙のようなオフラインで見る広告と、Webサイトで見るオンライン広告があります。
オフラインの媒体の代表例が新聞や雑誌です。そのほか、チラシやダイレクトメール、イベントや店頭販促物に看板、電車やバスといった交通機関も広告の媒体となります。オフラインといっても紙だけが広告手法ではなく、看板に立体映像を流す、タクシーサイネージに動画を流す、といったデジタルと融合して人目を引く広告スタイルも盛んです。
オンラインの媒体は、従来のテレビ・ラジオに加え、メディアの発達に合わせて細分化しています。Webサイトはもちろん、SNS・アプリ・YouTubeといったさまざまな媒体が広告を採用しています。
マーケティングファネルに沿ったBtoB広告
BtoB広告を検討する際、マーケティングファネルに沿って効果的な広告種類を押さえておくことも重要です。マーケティングファネルとは、認知から購入までの一連の流れを段階的に表現したフレームワークです。近年ではネットの口コミが発達した影響などにより、一般消費者向け商材では従来のマーケティングファネルは通用しないともいわれていますが、組織として意思決定を行うBtoB取引では、認知・興味関心・比較検討・行動という大枠は重要な役割を果たしています。
BtoB広告でよく使われる種類のうち、ターゲットの状態に合わせて広告の種類を分類すると以下のようになります。
マーケティングファネル | 広告の種類 | 特徴 | 費用の一例 |
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認知(潜在層) | タクシーや電車の動画広告 |
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YouTube広告 |
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テレビ広告 |
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興味・関心(準顕在層) | SNS広告 |
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DSP広告 |
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リスティング広告(検索連動型) |
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比較・検討(顕在層) |
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リターゲティング広告 |
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ターゲットの状態に合わせた広告は、ターゲットの属性や検索キーワード、そして分析に基づく心理に合わせて届けられる点がポイントです。
認知の拡大を狙うフェーズでは、電車やタクシーなどの交通広告が効果を発揮します。出稿する路線やエリアを選定すれば、ターゲット層の目に触れる機会も多くなります。YouTube広告は、ユーザーが一定時間視聴しないと課金されないため、費用対効果を高めつつ予算に応じた広告出稿が可能です。最近はBtoBでもテレビCMを流す企業が増えました。費用は放送の時間帯などによって異なります。ローカル局を利用したり自社で制作したりすると、費用が安くなります。
SNS広告では、FacebookやTwitterといったプラットフォームに登録している人の年齢や性別、職業、住居といった情報に基づき配信されます。
DSP広告とは、DSP(Demand Side Platform)という広告主側のプラットフォームを通じて配信されるディスプレイ広告を指します。DSP広告の特徴は、広告枠のあるサイトを訪れたユーザーの属性に合わせて、リアルタイムで広告主が入札を行い、広告を配信できる点です。DSP広告は、ユーザーの行動履歴など莫大なデータに合わせて自動的に広告を出稿でき、広告の費用対効果を最大化できる手法とされています。ただし、DSPごとの特徴を理解する必要があるほか、広告出稿の初期費用がかかるケースもあります。
リスティング広告は、ユーザーの検索履歴に連動して表示される広告です。Googleの検索結果やGoogleの提携サイトに表示されます。リスティング広告は、商材に興味関心がある準顕在層のほか、検索キーワードの設定次第では、より購買に近い顕在層にアプローチできます。
自社サイトを訪問したユーザーに再度広告を表示させるのがリターゲティング広告です。ユーザーが離脱したページの情報を基に広告を出稿するといった施策を展開し、ユーザーの心理状態や目的に合わせた広告を出稿できます。
広告出稿の流れ
広告には、媒体や手法などさまざまな種類があります。広告の効果を最大化させるには、届ける「ターゲット」と「広告の目的」を整理する前段階が重要です。広告出稿の基本の流れを解説します。
1.広告で達成したい目的を設定する
広告を出稿する企業は、「問い合わせ数を増やしたい」「商談成約に結び付けたい」と考えます。広告出稿の狙いがあるのは自然なことです。しかし、考えている目的が現実的なものであるかは、客観的な視点から判断する必要があります。
たとえば、自社SaaSの動画広告を出稿した場合、それを見たユーザーがすぐに問い合わせメールを送ってくるでしょうか。問い合わせがあるとすれば、どれくらいの確率でしょうか。具体的に考えはじめると、「難しいかもしれない」という思いが頭をよぎるでしょう。広告の効果を最大化させるためには、目的を設定する前に、顧客とのコミュニケーション設計を整理することが有効です。
顧客と購買までの関係性を構築するメソッドとして、有効と考えられているのが「階段設計」です。階段設計とは、広告出稿やイベントなど各種プロモーション施策を、すぐに問い合わせや成約という目的に結び付けるのではなく、潜在層との接点作りや顕在層との段階的コミュニケーションと捉えて、最終的に購買を目指す考え方です。顧客視点でいえば、広告を見て問い合わせをするのは高いハードルです。いくつかの段階ごとに目的を設定し、広告出稿を行うことで、効果的な広告活用に近付きます。
商談に向けてはまず、自社サービスの成長イメージを整理します。狙う市場、ターゲット層の明確化、市場での浸透率や立ち位置など、自社サービスがどうなっていたいかという理想形態から、見込み客と取るべきコミュニケーションの段階を形にします。自社の現状を分析するのも、狙うべき層を明確にできるため有効です。そして、各段階・施策での目標や目標値を設定します。
- 【参考】
- 階段設計|才流
2.ペルソナ設定
広告の目的を整理した後は、広告を届けるペルソナ設定を行います。ペルソナとは、自社サービスを活用する「ユーザー像」を詳細に作りこんだもの。ターゲットとの違いは、設定する範囲の深さです。
たとえば、自社SaaSを販売する会社のターゲットが「建設業界/企業規模20名~500名程度/複数拠点あり」だったとします。このときペルソナを設定すると、「営業畑/建築現場を指揮・プロジェクトマネジメント/SaaSなどシステムには詳しくない/30代後半/年収500万円……」といったようにさらに詳しいユーザー像が浮かび上がります。
ペルソナ設定では、主に以下の項目を用います。過去の顧客リストや自社サイトのデータなどを分析すると、より効果的なペルソナを設定できます。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 職業
- 家族構成
- 住まい
- 最終学歴
- 年収
- 趣味
- 利用するSNS
- 情報収集の端末
- 悩み
- 1日のスケジュール
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定することには以下のようなメリットがあります。
- 社内でねらうべきターゲットを共有できる
- ユーザーの課題/ニーズをより詳細に把握できる
- 広告のコンセプトが明確になる
広告施策を展開する際には、経営陣の決裁を仰いだり、外部の制作会社と連携したりするなど、さまざまな人と関わります。そのとき、広告手法・デザイン・内容など、案の良し悪しを判断する「基準」としてペルソナが役立ちます。たとえばプロジェクトチームに、さまざまな職務経験を積んできたメンバーがいる場合も、全員がペルソナをしっかりと認識していれば、同じ視点で広告について考えることができます。
ペルソナを設計する際は、市場調査や分析を行いますが、この過程でユーザーが抱える課題に気付くこともあります。、ユーザー視点で自社のサービス・商材について考えることで、これまで言語化されていなかったユーザーのニーズを掘り起こすことが可能になるのです。
そして、明確になったユーザーの課題・ニーズを踏まえて、広告のコンセプトを検討します。ペルソナ設定で明確になったユーザーをイメージしながら、広告の文言やアピールするポイントなどを作り込むのです。
3.広告媒体を決める
出稿する媒体を検討します。その際、広告媒体の特徴を押さえることが重要です。たとえば、潜在層に広く訴えたい、企業イメージを向上させたいという狙いがある場合は、タクシーや電車などへの広告出稿が有効と考えられます。一方、無料トライアル獲得など、一定の権限が求められる行動を狙うなら、役職のあるユーザーに訴求できる媒体への広告出稿が効果的です。広告媒体のユーザー層は重要な選定基準になります。
広告の効果の期限を明確にし、逆算して施策の計画を立てることも重要です。広告からセミナーの申込に誘導する場合などは、ユーザーの行動のタイミングを想定し、開催日時・申込期限・広告出稿のタイミングと、狙いたい「効果」から逆算してスケジューリングを行います。
4.広告費のすり合わせ
広告出稿には費用がかかります。大規模な広告ほど多くの人へのリーチが期待できるかもしれませんが、費用に対する効果が得られない場合もあります。広告媒体の選定時には、媒体から過去の成果事例などを共有してもらい、見込める効果と予算をすり合わせながら検討します。「効果測定」の項目で後述しますが、広告の目標数値をどう設定するかによっても、広告の費用対効果の計算が変わります。適切な媒体および予算設定には、1の段階での広告の目的をきちんと整理しておくことが重要です。
5.広告の作成
広告を作成します。広告にはおおまかに「クリエイティブ」と「訴求文」という二つの要素があります。
クリエイティブとは、主に画像や装飾文字・動画といった「見た目」のこと。短時間でインパクトを与えるデザインであれば、ネット広告だとクリック率が上昇するなど、反応が良くなります。企業イメージを伝えるためには、広告のトーン・デザインの統一感も重要です。テキストのフォントや大きさといったバランスも印象を左右します。
訴求文は広告で伝える内容を意味します。限られた文字数やスペース、時間のなかでターゲットにとって最も効果的な訴求方法を検討します。BtoB広告で定番な方法は、ユーザーの課題に焦点をあてた「解決型訴求」です。ユーザーの抱えている課題がどのように解決するのかを広告でアピールします。
社内にリソースがあれば自社制作で完結しますが、そうでない場合は広告制作会社に外注します。社内で訴求文がまとまっていれば、それを下敷きにして制作を依頼します。クリエイティブも訴求文も自社内のリソースではまとめるのが難しい場合は、広告そのものの制作に加え、ペルソナ設定やコンセプトの明確化なども外部パートナーに依頼するほうが良いでしょう。
広告出稿の外部パートナーは、大きくわけて「制作会社」と「運用会社」があります。
広告制作会社
バナー広告や動画広告など、広告そのものの作成を担当する。
- メリット:デザイン性や訴求力に優れた制作物を作成できる。ランディングページ(LP)など、他の制作物と一緒に依頼し、コーポレートカラーやトーンの統一感を図ることも可能。
- デメリット:コストがかかる。広告コンセプトを共有する・すり合わせるための時間が必要。
広告運用会社
広告の目的に合わせてターゲットやキーワードを設定し、媒体選定・キーワード選定・クリエイティブ作成といった運用型広告を担当する。
- メリット:媒体の特性や運用ノウハウを活かして広告の効果の最大化が狙える
- デメリット:運用コストがかかる。コンセプトや課題の共有などコミュニケーションコストが発生する
社内に広告作成のリソースだけではなく、媒体の知識や運用ノウハウがない、分析のためのリソースが足りないという状況であれば、広告運用会社への依頼を検討するのも一案です。ただし、その場合も自社の課題を一番把握できるのは自分自身とし、顧客データなどから分析を行い、ペルソナに刺さる要素を整理しておくことが重要です。
6.広告出稿
広告出稿前には、媒体での審査があります。ここでNGにならないために、媒体ごとの禁止事項などを事前に確認しておきます。たとえば、暴力的や反社会的・グロテスクなどユーザーが不快と感じる可能性のある表現は基本的に禁止されています。また、アピール文が不当表示になっている場合や、過度に投機心や射幸心をあおる可能性のある表現もNG対象となります。使用する画像も、著作権に抵触しないものを選びます。
7.効果測定
広告出稿後、振り返りや改善のために効果を測定します。効果測定の目的は、広告出稿がどの程度目的を達成したかを可視化することです。効果測定では、手法や広告の目的に合わせて用いる指標が異なります。
テレビやラジオ広告では「GRP」といういわゆる「延べ視聴率」「聴取率」が用いられます。新聞や雑誌は「CPR」や「CPO」といった手法が用いられ、いずれも広告費用を基にして効果を算出します。
媒体 | 指標 | 内容 | 計算方法 |
---|---|---|---|
テレビ・ラジオ広告 | GRP(Gross Rating Point) | 視聴率を基に計算。20%の視聴率の番組でCMを5本流せば20×5=100GRPとなる | 視聴率×CM本数 |
新聞・雑誌 | CPR(Cost Per Response) | 申込や問い合わせなどのアクション1件にかかった費用 | 広告費用÷アクション(コンバージョン数) |
CPO(Cost per Order) | 注文を1件獲得するためにかかった費用 | 広告費用÷受注数 |
リスティング広告やSNS広告といったオンラインの広告では、インプレッション数やクリック数などそれぞれの目的に応じた指標を基に、最終的な費用対効果を測定します。
指標 | 内容 | 計算方法 | |
---|---|---|---|
認知 | インプレッション数 | 広告が実際に表示された回数 | ー |
CPM(インプレッション単価) | 1,000インプレッションあたりの単価 | 広告費÷表示回数×1,000 | |
リーチ | インターネット広告の到達率を表す指標。広告を見た人の数を表す | ー | |
誘導 | クリック数 | 広告がクリックされた回数 | ー |
CTR(クリック率) | 広告が表示された回数に対して、どれだけクリックされたかを示す | クリック数÷インプレッション数×100 | |
CPC(クリック単価) | 1クリックあたりの広告費 | 広告費÷クリック数 | |
獲得 |
セッション数 | 訪問したユーザーがアクセスから離脱するまでを1として計測する指標 | ー |
CV(コンバージョン数) | 広告の成果を見る指標。指標とする項目は広告の目的によって異なる | ー | |
CVR(コンバージョン率) | コンバージョンに至った割合。コンバージョンは、問い合わせや購入など、広告の目的に合わせて異なる | コンバージョン数÷セッション数×100 | |
CPA(コンバージョン単価) | 広告経由で1購入にかかった金額。CPAが高すぎるものは改善の余地がある | 広告費用÷コンバージョン数 | |
ROAS(広告費用の回収率) | 広告の費用対効果。広告費用に対する売上の割合を見る。ROASが100%以下だと要改善 | 広告経由の売上÷広告費用×100 |
効果的な広告とは
ターゲットに訴求できる効果的な広告を制作する際のポイントを説明します。
1.ターゲティング対象に合わせてコンテンツを変える
同じサービスの広告でも、「認知を広げたい」「顕在層にアプローチしたい」といった目的によってターゲットは変わります。ターゲットの目に止まる広告を作るためには、ターゲットは何に関心があるのかを踏まえてコンテンツを考えることが必要です。
たとえばリニューアルしたクラウドシステムをPRしたいとき、新しく搭載したAI機能が他社にはない強みだったとしても、ターゲットによってはあえてシステムの操作性の良さをアピールした方が訴求できる場合もあります。マーケティングの初期段階で詳細にペルソナを設定することで、ターゲットに効果的に訴えかける広告を制作しやすくなります。
株式会社リンクアンドモチベーションは、テレビCMや自社ホームページではキャッチ―なコピーでサービスの認知を広げていますが、メール広告ではセミナー情報を伝えることで、サービスに関心を持ちそうな準顕在層にアプローチするようにしています。
2.自社で培ったノウハウを「お役立ち情報」として利用する
BtoB広告では、ビジネスに役立つ情報を発信し、ターゲットにアプローチする手法がよく用いられます。たとえば「なかなか進まないDX人材育成」など、ビジネスにおいて課題となっている事象の背景や解決方法を伝えることで、仕事に課題を感じている人と接点を持ちやすくなります。このようなコンテンツは、「お役立ち情報」と表現されます。
「お役立ち情報」の一種として、自社に蓄積された業務のノウハウを公開し、ターゲットに訴求する広告もあります。
3.自社のミッションや信念を発信し、理解や共感を育む
広告の効果測定では、獲得したリード数を一つの指標としている企業が少なくありません。リード数はもちろん大切ですが、リードジェネレーション施策だけでは、商談に結びつけることは難しいでしょう。
広告でも、自社のミッションや信念、価値観などを発信し、自社についての理解や共感を育む「リードナーチャリング」を意識することが大切です。
交通広告グランプリ2021(主催:ジェイアール東日本企画)で最優秀部門賞を受賞した株式会社SmartHRの広告は、「ハンコを押すために出社した。」という文字に「承認」というハンコが印象的。コロナ禍でも電車に乗って出社する事情があった人たちなら、思わず共感するような広告ではないでしょうか。
まとめ
広告が日常にありふれた現代では、目的やペルソナを詳細に設定することが、広告の効果を最大化させる鍵となります。広告媒体や見せ方を使い分けた企業広告は、それを必要としている人に届きます。効果的な広告出稿のためには、昨今のインターネット広告の種類や特性を知ることのほか、なによりも自社のターゲットとなる顧客について熟知することが重要です。必要に応じて広告の制作会社や運用会社など外部パートナーとの連携も検討しながら、自社の顧客分析を進めることが、より広告の効果を高めるでしょう。