HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

「ラーニングをベースとするタレントマネジメント」を企業に提案
時代の変化に対応し、顧客をナビゲートする

コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社 代表取締役

飯島 淳一さん

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飯島 淳一さん(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社 代表取締役 )

コーナーストーンは、世界192ヵ国で約36万人のユーザーに利用されているタレントマネジメントソリューションです。43もの言語に対応し、従業員の採用からラーニング、評価、育成、管理までをトータルにサポート。人材を統合管理するクラウドサービスとして、数多くのグローバル企業から高く評価されています。そのコーナーストーン日本法人を2016年から率いているのが代表取締役の飯島淳一さん。キャリアをスタートさせた日本IBMでは1980年代から一貫してソフトウエアの営業、企画を担当。ロータスノーツをグループウエアという新たなカテゴリーに位置づけて大ヒットさせるなど、さまざまな製品を手がけてきました。キャリアを重ねる中でマネジメントや人事にも深く関わり、そうした経験が現職にも生かされているといいます。グローバルカンパニーで成功を収めたご自身のキャリアから、日本企業におけるタレントマネジメントの考え方、さらには日本の人事の現状をどう分析しているのかなど、HRテクノロジーの最前線をけん引するキーパーソンである飯島社長にお話をうかがいました。

営業からスタートしてビジネスを学んだ日本IBM時代

新卒で日本IBMに入社されています。最初からIT業界で活躍したいという目標をお持ちだったのでしょうか。

日本IBMは、グローバルイメージの強い大手メーカーの一つという印象でした。私自身は、特にITを意識していたわけではないんです。OB訪問に行くと「うちは営業かSEしか採用しない」と言われました。コンピューターには触ったこともなかったのでSEはどう考えても無理。必然的に営業志望になりました。同期入社は1600人で、ちょうどIBMの新卒大量採用が始まった年でした。それも幸いして入社できたのかもしれません。

同期が多いということは、その中で頭角を現すのは大変です。どんな新人時代だったのでしょうか。

当時のIBMの営業の花形はインダストリーごとの「アカウント担当営業」。出世が約束されている主流派で、大手企業を担当するフロント営業です。しかし、私が配属されたのは製品を担当する「ブランド営業」といわれる部門でした。どちらかといえば亜流で、後方に位置していました。最初はそんなことはわからないので、頑張れば認めてもらえるはずだと思って必死にやっていましたね。

私が担当した製品は、そのころはまだハードのおまけだと思われていたソフトウエアです。ただ、それまでメインフレーム中心だったIBMがパソコンに参入した直後で、その普及のためにソフトウエアがどんどん重要になっていく時期でもありました。

「教育のIBM」という言葉があるくらいで、研修がとても充実していましたが、営業の現場でもお客さまから多くのことを教えてもらいました。機能やスペックの話ばかりしていると、それでは伝わらない、と怒られます。でも、帰り際にそっと「あそこの喫茶店で待ってて」と言ってくれる。そして、終業後にわざわざ時間をつくって、どんな説明をしたら製品の良さが伝わるかを懇切丁寧に教えてくれたお客さまのご担当者もいました。IBMはお客さまとの関係が非常に良かったです。私自身も多くのIBM社員の諸先輩に匹敵するくらいお客さまにも育てていただいたと思っていますし、世代を超えた顧客との関係の大切さも学びましたね。

IBMには26年間勤務されています。印象的だった仕事についてお聞かせいただけますか。

営業と同時に、マイクロソフトの「Excel」など海外のソフトウエア製品の日本語版をつくって流通させたり、国内のソフトメーカーに働きかけてIBMのPCで動く製品を開発してもらったり。企画的な仕事もいろいろ手がけました。80年代から90年代にかけて、非常にダイナミックでやりがいがあった時期です。

その中でいちばん印象に残っているのは、IBMによるロータス買収。アメリカの本社同士による買収が突然発表されて、当時入社10年目だった私が、日本IBMを代表して五反田のロータス本社に行くことになりました。行ってみると「IBMが乗り込んできた」と思われ、あからさまに進駐軍的に見られるわけです。でも一緒にやっていかないといけない。いろいろと知恵を絞りました。服装をIBMの象徴のようなブルーのスーツから、ソフトウエア会社らしいカジュアルなものに変えて、「身も心もロータスの人間になります」と宣言した。そんなこともあって徐々に良い関係を築いていきます。

当時の主力製品は「ロータスノーツ」。まだグループウエアという概念はありませんでした。そこで「ホワイトカラーの生産性を上げる経営ツール」と新たに規定して、市場に提案していくことにしました。プロモーションも画期的でしたね。日経新聞に、財界を代表する著名な方々がホワイトカラーの生産性の重要性を語る、という内容の広告を連続で載せました。ロータスノーツのロゴと問い合わせ先は隅の方に小さく入れてあるだけ。この反響が非常に大きく、ロータスノーツは年間で100万本という記録的な売り上げを達成しました。最初はぎくしゃくしていたIBMとロータスが一緒になってこの結果を出せたことがうれしかったですし、営業の力で売っていく会社だったIBMではじめてマーケティングで成功した事例をつくることもできました。

そのころからマネジメントの経験も積んでいかれたのでしょうか。

営業と企画を並行してやっていたときは、ビジネスエリアマネジャー、ビジネスエリアリーダーといったポジション。ロータスノーツをヒットさせた後、1997年からラインマネジャーに昇格しました。ロータスの経験を基にその後の買収企業でも、違う文化の企業に買収されて明らかにモチベーションが下がっている組織をどう戦力にしていくかについて、現場での会話頻度を上げたり、人事と一緒に考えたりもしました。いわゆるポストマージャーですが、その経験は今の仕事にも通じていると思います。

その後は、システム管理製品「チボリ」の売上100億円達成などの成果を評価してもらって、セカンドラインマネジャーを経て社長補佐に。2001年からは2年間、ニューヨークのIBM本社に勤務しました。結果的に英語の実力を飛躍的に伸ばすこともできました。


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