「ラーニングをベースとするタレントマネジメント」を企業に提案
時代の変化に対応し、顧客をナビゲートする

コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社 代表取締役

飯島 淳一さん

新しいカテゴリーを自らつくり、チャレンジしてほしい

非常に広がりのあるツールですが、今後はどういった企業に活用してもらいたいとお考えでしょうか。

第一に、グローバル展開をしているにもかかわらず従業員のメンタリティーがいまだドメスティックな企業。第二に、グローバル規模でのM&Aを行った企業。売上数字だけを得るM&Aもあるかもしれませんが、やはり人は最大の資産です。買収した企業の人材にどう活躍してもらうかというときに、ラーニングが生きてきます。第三に、事業部門や地域の枠を超えて人材のポテンシャルを最大限に生かせる異動や抜擢を積極的に行っていきたい、と考えている企業。そのためには、全従業員の履歴とトレーニングやパフォーマンスの記録が重要です。「一緒に仕事をしたことがないとわからない」という状況では、可能性を狭めてしまう。最後がいちばんわかりやすいタレントマネジメントかもしれません。

とにかく、日本型のタレントマネジメントをやっていきたいという企業にもっと出てきてほしいと思っています。労働力人口が減少する中で生産性を維持するには、やはりラーニングが不可欠です。現状では企業向けツールとして提案していますが、今後は個人にとっても教育は重要になってくると思います。そうなると「一億総ラーニング」ですね。私どもも一企業だけでなく、その代理店やパートナーなどへも「エクステンデッド・エンタープライズ」という考え方でカバーする範囲をどんどん広げていきたいと思っています。

最後に、人事関連ビジネスの分野で成功をめざしている若い皆さんにメッセージをいただけますでしょうか。

自分の歩んでいる道を信じて、顧客をナビゲートしていってほしいと思います。私には人事の経験はありませんが、多くの人事の方々と一緒に仕事をし、またマネジャーとしてたくさんの部下を育成してきました。お客さまから教えていただき、学んできた経験が今、お客さまをナビゲートする際に役立っています。すべてがラーニングだということですね。

同時に考えないといけないのは、顧客が何を望んでいるのか。私の例でいえば、型通りのタレントマネジメントをただ押しつけても無意味だ、ということです。そして、顧客が求めているのが違うものであれば、新しいカテゴリーをつくればいい。時代環境は変化していきます。インターネットの前と後ではすべてが変わったように、これからも世界は新しいものがどんどん出てきます。先を読むのは難しいかもしれませんが、変化があったときに乗り遅れないことはとても大事です。新しいものに対応できる力を、常に磨いておく必要があります。若い人にはしがらみがありません。枠にはまることなく、自由な発想でチャレンジしていってほしいと思いますね。

飯島 淳一さん(コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社 代表取締役 )

2018年6月14日 東京・千代田区のコーナーストーンオンデマンドジャパン本社にて

社名コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社
本社所在地東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9階 WeWork内
事業内容ラーニング・育成から評価、人財データ分析、管理までの統合タレントマネジメントソリューション
設立2013年7月(日本法人設立)

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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