伝えたいのは「今を精一杯生きること」の大切さ

貴社のこれからの方向性についてお聞かせいただけますでしょうか。

新しいビジネスにもチャレンジしていきたいですね。「ANAエアラインスクール」という事業は、2013年に「ニュービジネスプロモーション」という社員の新規事業提案から生まれたものです。また最近、関西の大手私鉄が運行するプレミアム車両のアテンダントの業務請負を始めました。すでに関西では高い評価をいただいていて、航空以外の分野でもグループのノウハウやプレゼンスを生かせることを証明できたと考えています。

とにかく失敗を恐れずに、新しいことにチャレンジしていくことは大切だと思っています。新しいことには失敗がつきものですが、失敗によって気づくこともあります。組織としてリスクコントロールがきちんとできる体制を整えてきましたので、新しいビジネスには今後も取り組んでいくつもりです。

最後に、人材ビジネス業界で働く若い皆さんにメッセージをお願いします。

若いときは、環境やポジションが変わったら違う自分になれると思うかもしれません。しかし、すべては今の自分の延長線上にあることを忘れないでほしいですね。今、目の前の仕事を頑張ってやることで少しずつ磨かれていく。「今を精一杯生きることが一番大切」とお伝えしたいです。

その上で、私が大切にしている言葉を紹介させてください。それは、以前、東京藝術大学の学長でいらっしゃった宮田亮平先生からお聞きした「鼻歌交じりに命がけ」というものです。必死にやるんだけど、遊び心も忘れない。あるいは、気の乗らない仕事でも、楽しんでしまおうという気持ちで取り組むスタンス。さらには、ちょっと力を抜いてやったら、意外にうまくいく、と勇気ももらえる言葉だとも思います。一見矛盾しているようですが、そこにいろいろな意味が込められていて、ものすごく力をもらった忘れられない言葉です。

人材ビジネス業界は、日本にとって大切な資源である「人財」を生かしていく仕事であり、人にチャンスを提供することで幸せをつくっていける仕事です。これからも社員とともに、チャレンジしていきたいと思っています。

（2018年7月19日　東京・港区のANAビジネスソリューション本社にて）