HRソリューション業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

思い切った事業の構造改革によって生み出された
働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」

株式会社チームスピリット 代表取締役社長

荻島 浩司さん

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

働き方改革の実現を後押しする「フロントウェア」という考え方

 受託開発から「TeamSpirit」へと社業の軸足を移されたのはいつごろですか。

無料版をリリースした1年後、2011年3月に現在の「TeamSpirit」の原型となるベータ版をリリースしました。そのタイミングで、受託開発をはじめとする、ほかの仕事を一切やめました。ある程度、資金のストックもできていたので、「TeamSpirit」の開発に専念することを決断したのです。ただ、その直後に東日本大震災があり、しばらくユーザー企業の動きが止まってしまいました。お金が出ていく一方で、資金繰りに苦しむ場面もありましたが、セールスフォース・ドットコムのベンチャーキャピタル部門から出資を受けることができ、なんとか乗り切れました。「TeamSpirit」正式版のリリースは2012年春。同年9月には、社名を現在の「チームスピリット」に変更しました。

 「TeamSpirit」が成功した理由は何だと思われますか。

現在、約800社で導入され、およそ10万人の利用者がいます(2017年9月末の時点)。リリースから約6年間、一貫して右肩上がりで伸びてきました。ここまで評価された理由は、やはりクラウドであることが大きいと思います。マルチデバイス、全ブラウザー、モバイル対応。使い勝手のとても良い製品ですが、その裏側では、かなり新しい技術を使っています。

また、高度な業務知識の裏づけも強みです。勤怠管理は一見簡単そうに思えますがなかなか奥の深い分野。それぞれの企業が独自の勤務体系や規定を設けているので、標準化するのは容易ではありません。しかし、「TeamSpirit」はカスタマイズ一切なし、設定だけで800社以上の勤怠管理に対応しています。ここまでできる製品はおそらく、ほかにはないと思います。

もう一つ重要なのは、製品のコンセプトですね。従来型のシステムだと、勤怠管理は人事システム、経費精算は経理システム、というようにバラバラで連動していないため、それぞれに入力しなければいけません。従業員にとっては大変面倒ですし、オペレーションのミスや勘違いなどで、休んでいるはずの日に出張して経費が発生しているといった矛盾が生じ、それをチェックするためにさらに人手が必要になります。しかし「TeamSpirit」は、基幹系以外の勤怠管理や経費精算、電子稟議などすべてを一つのパッケージとして、一体化し連動させています。従業員が使う多数のシステムを統合する「フロントウエア」という考え方で設計しているのです。つまり、単なる勤怠管理や経費精算のスイート製品ではなく、ユーザーの「真の課題を解決する」「働く人がラクになるツール」なのです。そこが、他社製品との大きな差と言えます。

 働く人たちがラクになり、それぞれのコア業務に専念できるということですね。

株式会社チームスピリット 代表取締役社長 荻島 浩司さん

事務処理作業を減らすとともに、リスク管理や内部統制の実現を可能にします。また、最近では、「TeamSpirit」は「働き方改革のプラットフォームになる」という評価もいただいています。この面で注目される機会のほうが多いかもしれません。

「TeamSpirit」には工数管理という機能があり、一日働いた時間の中で、どのタスクを何時間やったかを簡単に可視化し、報告することができます。そのため、高い成果を出している人はどんな働き方をしているのかが一目でわかります。その人の残業はどのくらいか、経費はどのように使っているのか、それぞれを自動的に「見える化」できるわけです。このフィードバックを基に、アウトプットを最大化することができる。つまり、生産性向上につながるわけです。アンケート結果を見ると、「TeamSpirit」を導入された企業の4割以上で業務効率化が実現しています。

 しかも、その機能を月額課金制で利用できるのは、企業にとっては大きな魅力ですね。

「一人あたり月600円」というサブスクリプション方式にしたことが、導入のハードルを下げたのは間違いないと思います。売り切り型のパッケージソフトと違って、一気に大きな売上数字にはなりませんが、どんどん積み上がっていくものなので、中長期的には非常に強力なビジネスモデルといえます。実をいうと、これは資本提携しているセールスフォース・ドットコムのやり方をそのまま踏襲したもの。資金的に支えてもらっただけでなく、そういう経営アドバイスなども直接聞くことができ、私たちにとっては非常に有効だったと改めて感じています。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

HRソリューション業界TOPインタビュー 最新記事

関連する記事

HR業界団体情報

HR業界の代表的な業界団体をご紹介いたします。
一般社団法人 プロティアン・キャリア協会ロゴ
プロティアンで組織と個人のより良き関係性構築と個人の主体的なキャ...

一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会
人材データを分析・可視化して人と経営の未来に活かすピープルアナ...

一般社団法人日本テレワーク協会
テレワークを通じ、調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与する。

一般社団法人 日本エンジニアリングアウトソーシング協会
社会的責任を果たすための厳しい基準をクリアした技術系アウトソーシ...

ATDインターナショナルメンバーネットワークジャパン
米国ATDの活動に賛同しているパートナー。2007年設立。日本において...

公益社団法人 全国求人情報協会
求人情報媒体が読者の職業の選択と安定した職業生活に役立つことなど...

一般社団法人 日本人材紹介事業協会
厚生労働大臣の許可を受けてホワイトカラーを中心とした職業紹介を行...

一般社団法人 日本人材派遣協会
労働者派遣法の趣旨に則り、労働者派遣事業の適正な運営を図るため...

日本人材マネジメント協会
「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を使命に、我が...

一般社団法人 日本生産技能労務協会
製造業などにおける労働者の就業の安定労務管理の安全を図り...

HR業界団体情報一覧

主催イベント

講演&交流会レポート

新年会~講演&交流会~

人事サービス業(人材サービス、研修・教育、人事BPOサービスなど)に携わる皆さまを対象とした「新年会~講演&交流会~」を2月2日に開催致しました。


『日本の人事部』ソリューションナビ
HRカンファレンス出展のご案内
HRリーグ