「選択理論」を世の中に広め、
世界最高峰の人材教育コンサルティング会社へ

アチーブメント株式会社

青木仁志さん

32歳でアチーブメントを創業、「選択理論」との運命の出合い

 アチーブメント創業時の状況についてお教えください。

その頃、夏目先生の会社のアドバイザーであった柿谷カウンセリングセンター所長の柿谷正期先生(元・立正大学心理学部教授)の紹介で、「リアリティ・セラピー」というカウンセリングの講座を受けました。講座には五日間通いましたが、これが「選択理論」との運命の出合いです。「選択理論」では、あらゆる問題行動の本質は「不幸感」にある、そして人がなぜ不幸かと言えば、「自分が重要視している人との関係が確立できないことにある」と言っています。私の生い立ちからもそのことは納得できました。この理論が日本社会にはぜひ必要だ考えました。

ところで、なぜ人は自分が重要だと思っている人との関係が確立できないのでしょう。それは、間違った心理学を元に、人との関係を作ろうとしているからです。間違った心理学の名は、人をコントロールできると考える「外的コントロール心理学」だと、この講座で教わりました。「外的コントロール心理学」の特徴は、批判する、責める、文句を言う、ガミガミ言う、脅す、罰を与える、目先のほうびで釣る、などです。これを行うと組織で不正が起こったり、隠ぺいが行われたり、うつの問題が出てきます。

青木仁志さん インタビュー photo

そこで、「選択理論」を基にした研修ビジネスをしたいと思い付いたのです。また、会社を作った後、「デイ・タイマー」という世界的な手帳会社と取り引きをすることができました。「選択理論」は車で例えると、エンジンが「内発的動機付け」、ハンドルが「願望」、前輪が「行為」と「思考」、そして後輪は「感情」と「生理反応」を指します。ハンドルによって、車の前輪がコントロールできるように、ハンドルとなる「願望」により「行為」と「思考」がコントロールできるのです。そして、「行為」はまさに時間管理が大切です。日々の行動を手帳を使って管理すればいいのだと思ったのです。そこでタイムマネジメントの技術を取り入れ、「選択理論」を土台としたタイムマネジメントのトレーナーをやることにしました。その他、「カウンセリング・セールス」という営業教育研修も行いました。

このような研修を行っていく中で、1990年、横綱千代の富士(現:九重親方)の引退記念の能力開発プログラム「頂点への道」という教材を作らないかという話が持ちかけられました。千代の富士は同年代、しかも同郷ということで、ぜひ作らせてほしいと即答しました。しかし、プログラムを3000セット作ったにもかかわらず、全く売れなくて、在庫の山を抱えることになってしまったのです。ただこの教材には、「戦略的人生経営」というワークシートが付いていました。教材だけでは売れないので、そのワークシートを使い、デイ・タイマーの手帳も付けて、研修を始めました。とにかく必死に取り組んだ結果、6年近くかかりましたが、当初の3000セットを完売しました。

テキストも完売したので、そのエッセンスを抽出して「戦略的目標達成プログラム『頂点の道』講座」を作りました。何度となく改訂を行い、現在は40版となっています。そして、24年間連続開催を続け、私はこの間、一度も休むことなく毎月講師を務めています。受講者数は先月、3万人を超えました。これは世界にも例がないことだと言われています。現在、三日間の日程で行っていますが、さらにアフターフォロー(再受講)を3年間で6回行っています。

会社の成長と共に、今度は中小企業の経営者の教育に取り組むようになりました。私はアチーブメントを28年経営していますが、売り上げが前年を割ったのは1期だけです。ほとんど毎年、お客さまと一緒に発展することができました。無借金経営で、自己資本率70%。なぜこれが実現できたかと言うと、ローコストオペレーションだからです。

例えば、「『頂点への道』講座スタンダードコース」は3年で6回の再受講を行っていますが、私は技術の習得に焦点を当てているので、やりっ放しが一番良くないと思っています。徹底的に顧客満足を高めるために再受講を行っていて、当然結果が出ます。すると、お客さまが経営者だった場合、役員や幹部社員を受講者として紹介してくれるのです。このような形での紹介が増えていき、受講者の87.5%が紹介によるものとなっています。これが、ローコストオペレーションの実現へとつながっています。

また、だんだんと会社が大きくなっていく中で、法人を担当する部署を作りました。全国各地に支社、営業所を展開しています。さらに今年からは、海外(東南アジア)でも研修を行うことになりました。

弊社の社員がここまでよくついてきてくれました。私は社員に恩返しをしたい。そのためにも弊社を世界最高峰の人材教育コンサルティング会社にしたいと考えています。

HRソリューション業界TOPインタビューのバックナンバー

関連する記事