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一般社団法人日本テレワーク協会

テレワークを通じ、調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与する。

ICTを活用した時間や場所にとらわれない
柔軟な働き方「テレワーク」を推進する

一般社団法人 日本テレワーク協会
事務局長 富樫美加さん
インターネット環境の発達や情報通信機器の進化により、「仕事は会社のオフィスでするもの」という常識は急速に過去のものになりつつある。少子高齢化で減少する労働人口を補うため、あるいはグローバル競争を勝ち抜くイノベーションを実現するため、ICTを活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方「テレワーク」に多くの企業が注目している。わが国で唯一の「テレワーク」普及推進活動団体、日本テレワーク協会にその活動内容やテレワークの現状と未来について聞いた。

今後の経済発展のカギとなるワークスタイル「テレワーク」を推進

― まずは日本テレワーク協会の概要をお聞かせください。

「テレワーク」とは、「tele(離れたところで)」と「work(働く)」を組み合わせた造語で、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を意味します。日本テレワーク協会は、その調査研究・普及推進活動を展開しているわが国で唯一の団体です。

設立は1991年で、当初は「日本サテライトオフィス協会」という名称でスタートしました。ちょうどバブル景気のピークで経済的には大変な活況にあった反面、東京一極集中が社会問題になっていた時期でもあります。そこでローカルオフィスやホームオフィスといったサテライトオフィスを推進し、一極集中から分散化への流れをつくることで、企業活動の効率化やゆとりのある働き方の実現を目指そうというのが設立時の趣旨でした。中心になったのは、現在も会員企業である富士ゼロックスやNTTといった情報通信系の大手企業です。

富樫美加さん photoその後、日本経済は長期的な停滞期に入り、同時に少子高齢化による労働人口の減少やグローバルな競争激化に伴うイノベーションの必要性などが大きな課題として出てきました。そういった諸問題に対する有効なソリューションになると考えられたのが、サテライトオフィスの考え方をさらに進化させた「テレワーク」です。日本でもブロードバンドによる高速インターネット環境が普及し、在宅勤務やモバイルワークなどが技術的に十分可能になってきました。そこで、私どもは2000年に「日本テレワーク協会」に名称を変更し、より幅広いテレワークの普及推進に取り組むことになったのです。

現在、当協会の会員数は、正会員が65社、賛助会員が94社(2015年6月現在)。テレワークのインフラを提供する情報通信系、システム開発系の企業・団体のほか、ビジネス系・人事系のコンサルティング会社、さらにはテレワーク導入を進めているユーザー企業まで幅広い顔ぶれにご参画いただいています。近年は県や市といった地方自治体の加盟も急速に増えており、すでに36自治体を数えています。

「テレワーク」の普及啓発活動全般に加え、政府への提言なども

― 具体的な活動内容をお教えいただけますか。

まず軸になっているのがテレワークの普及啓発活動です。テレワークというと、多くの方が「在宅勤務」を連想されるかもしれませんが、テレワークの概念はそれだけではありません。「サテライトオフィス勤務」や営業職などの方が移動しながら業務をこなす「モバイルワーク」、さらにはクラウドソーシングに代表される「自営型テレワーク」なども含まれます。

また、導入目的も、「育児中の女性や高齢者に活躍してもらう」「男性が働き方を変えることで家庭との両立を進める」「柔軟な働き方の実現によって優秀な人材を獲得する」など人事労務的な側面にとどまりません。「オフィス家賃や通勤コストの削減」「環境負荷の軽減」「災害時の事業継続性の確保」といった観点からテレワークに注目する企業も増えてきています。さらに、テレワークの場合、仕事の評価は基本的に成果(アウトプット)にもとづいて行われます。長時間デスクに向かっていることが仕事であると考える旧来型の組織風土から、業務生産性を常に意識する革新的な組織へと脱皮するための手法としてテレワーク導入を検討される例も多くなっています。

当協会では、こうしたテレワークのメリットや導入事例などを広報する自主企画イベントとして、毎年1月に「テレワークトップフォーラム」を開催しています。また、テレワークに先進的に取り組んでいる企業・団体を表彰する「テレワーク推進賞」も主催していて、2015年度で16回目になりました。

さらに、テレワーク関係4省(総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)の呼びかけで設立された「テレワーク推進フォーラム」の事務局も務めており、毎年9月には産官学連携セミナーの開催、毎年11月を「テレワーク月間」とするPR強化にも積極的に取り組んでいます。

協会内の活動としては、会員企業・団体による部会活動を行っています。現在、「テレワーク最新事例研究」「ライフコース多様化とテレワーク」「テレワークプロデュース調査・研究」の三つの部会があり、それぞれの研究成果は毎年6月にレポートとして発表しています。この他に、隔年でテレワークの現状をまとめた『テレワーク白書』も刊行しています。

― 日本テレワーク協会に加盟すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

最も大きなメリットはテレワークに関連するさまざまな最新情報を入手できることです。会員企業は大企業からSOHOエージェントまで多彩なので、一般の企業活動からは得られない多方面からの情報に接することができます。もちろん異業種交流やコラボレーションのきかっけともなると思います。

富樫美加さん photoまた、当協会は、日常活動の一環として関係省庁からの業務受託も行っています。具体的には厚生労働省からの「テレワーク相談センター運営」、総務省からの「テレワーク普及促進に向けた研究調査」など、年間8~9案件ほどあります。こうした受託案件は当協会だけではこなせませんので、実際の業務に関しては会員企業との協業体制で進めるケースがほとんどです。こうした活動を通じて一般企業からテレワーク導入の相談などを受けた場合、そこから具体的な商談に発展していく事例も少なくありません。サービス提供側の企業にとっては、ビジネスチャンスにつながる機会があることも大きいメリットといえるでしょう。

テレワークは進歩の速い業界であり、また法制度などの整備が追いついていない部分が多々あります。その意味では政府や関係省庁も具体的な提言を常に待っているといえます。当協会は、先ほどお話しした受託事業などを通して省庁と近い関係にありますので、企業・団体からの政策提言の窓口としての役割も果たせると考えています。

まずは「テレワーク」導入企業を増やすための情報発信を

― 今後、力を入れる予定の活動について、さらに業界内外へのメッセージなどをお聞かせください。

当協会が設立されてから25年、インターネットが普及してテレワークが注目されるようになってから15年以上たちます。しかし、週一日でもテレワークを実施している企業は、大手企業の20~30%、中堅・中小企業では5%未満です。トータルでテレワークを採用している日本企業は10%にも満たないのが現状です。この状況を変えていくためにもさらに情報発信に力を入れていきたいと考えています。

技術的には通信環境の整備、機器の進化などでテレワーク実現はかなり容易になっています。それなのになかなか導入が進まない最大の理由は、やはり企業側の意識、とりわけ「管理職の意識」が変化しないためでしょう。「目の前に部下がいないのに、ちゃんと仕事をさせられるのだろうか?」ということですね。そのためにも、具体的な先進事例、費用対効果をわかりやすく整理したデータ、そして管理職自身にテレワークを体験してもらえる場をつくることも重要です。実際に自分で体験するとテレワークのメリットを理解しやすくなることは明らかになっています。

もちろん、会員企業のビジネスがまわっていくことでテレワークのすそ野も広がっていきますので、そのビジネス支援にも引き続き注力していきます。また、テレワーク導入予定企業に対しても、さまざまなアドバイスやノウハウ提供が可能です。できるだけ多くの企業にご参画いただき、新しいワークスタイルを広めていくことが私どもの願いです。

(2015年9月10日 東京都・千代田区 日本テレワーク協会にて)

富樫 美加(とがし みか)●1985年、東北大学文学部卒業後、日本電信電話株式会社に入社。通信サービスのマーケティング、サービス運用に従事。2015年に一般社団法人日本テレワーク協会事務局長。テレワークも導入より成果に関心がもたれる時代になってきたことを日々感じている。


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