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一般社団法人 日本人材派遣協会

労働者派遣法の趣旨に則り、労働者派遣事業の適正な運営を図るための自主的な取り組みを行うことを通じて、派遣事業の健全な発展を図ることを目的として、設立されました。

派遣の正しい理解と冷静な議論を求め、今後も日本経済の復興と更なる成長に貢献できる派遣制度を目指す

一般社団法人 日本人材派遣協会
理事・事務局長 松田 雄一さん
オフィスを中心としてビジネスシーンにすっかり定着した人材派遣。しかし、リーマン・ショック以降の「いわゆる派遣切り」や「派遣村」などの報道によって、一部に間違った認識が広まっているという。そこで、人材派遣の正しい姿をPRするとともに、事業者に対してはコンプライアンスの徹底を呼びかけ、スタッフが安心して働ける制度の実現を目指すなど、業界全体の発展を目的とする活動を行っているのが日本人材派遣協会(派遣協)だ。

労働者派遣事業の適正な運営のサポートを目的とした公益法人

― まずは、派遣協の概要についてお聞かせいただけますでしょうか。

「一般社団法人 日本人材派遣協会」は、労働者派遣事業の適正な運営を図るための自主的な取り組みを行い、事業の健全な発展を支え、我が国労働力の円滑な需給調整の一端を担うことを目的として1984年に設立された公益法人です。

松田 雄一さん photo会員社数は、2011年7月現在で635社。派遣事業を行っている事業者は、全国に約2万社、8万3千事業所あるといわれていますので、その数字と比較すると少なく感じられるかもしれません。しかし、売上高で見ますと、当協会の会員企業だけで業界全体のおよそ50%を占めています。一定規模以上の企業には、ほぼ加入していただいております。

協会の事業としては、「労働者派遣事業の適正な運営・発展を図るための相談、指導、援助」「教育訓練の促進、職業能力開発」「派遣労働者の雇用の安定・福祉の増進」「各種出版、調査・研究、セミナーの開催」「関係行政機関、関係諸団体との連絡・調整」「会員企業への情報提供、情報交換の促進」など、幅広く行っています。

協会加入のメリットとして、「派遣先企業(クライアント)からも、また派遣スタッフとして働く皆さまからも、「派遣協会会員企業」は安心できる、信頼の証である」といえる状況を実現していきたいと思っています。

東日本大震災後の対応に積極的に取り組む

― 現在、特に力を入れて取り組まれている課題は何でしょうか。

最近の大きな出来事としては、東日本大震災への対応があります。震災では、会員企業、派遣先企業、そして派遣スタッフの方々など、多くの関係者が被災されました。まず安否情報を確認した後、私どもがまっ先に行ったのは、被災によって就労困難になった派遣スタッフに新たな就業先を探すことと、休業中の補償や解雇予告手当相当部分の支払いをきちんと行っていただくよう、会員企業各社に要請することでした。

派遣先にご協力いただいたことや、行政が雇用調整助成金を派遣業でも活用出来るよう、扱いを弾力化してくれたこともあって、以前のような「いわゆる派遣切り」の再来とはなりませんでした。

また、迅速なマッチングという派遣制度が持つ特徴を生かして、機動的で地道な日常業務に努力していただくよう、各社にお願いした結果、途中経過ですが、震災後の3月から5月の3ヵ月間に、被災地(岩手、宮城、福島、茨城)で4600人以上が新たに働き始めています。

ここで問題になるのが昨年5月に発出された「疑義応答集」による規制の強化です。震災後、専門26業務のひとつである事務用機器操作に携わる派遣スタッフが、例えばパソコンが止まったから、周辺の片付けなどの業務を行おうとするとそれは専門業務ではないと言われ、休憩(無給)や早退となってしまうなどの指導がされます。今後、被災者の方々の関心が住まいや雇用保険のことから就労に向いてきますから、職種や地域でのミスマッチが起きないよう配慮しつつ、我々として最大限の努力をして就労の確保に取り組んで行きたいと考えています。そのために、「疑義応答集」の弾力運用や撤廃を働きかけていきます。

派遣法改正案には断固反対

― 派遣法改正案への反対運動にも積極的に取り組んでいらっしゃいますね。

協会としての取り組みのもう一つの大きなテーマが、「派遣法改正」に関するものです。現在、国会で継続審議になっている改正案は、「登録派遣の禁止」「製造業派遣の禁止」「日雇い派遣の禁止」、さらには「雇用の申し込みみなし」などが盛り込まれており、まったく現実的ではないと考えています。

松田 雄一さん photo企業が、生産やサービスに対するニーズの変動に対応して迅速に必要な人材を確保するためにまた、労働者がワークライフバランスを考慮して働くための重要な選択肢の一つとして派遣は機能しています。特に、禁止しようとしている登録派遣、製造業派遣、日雇い派遣などは、派遣先企業からも、また働くスタッフ側からも確かなニーズがあります。法律で禁止しても、こうしたニーズは無くなりませんから、働く方々の待遇や環境が今よりも悪くなるような働き方になってしまうことが十分に予想されます。

また、「みなし雇用」の規定は、派遣先が違法なことをしたら、労働者が自分の雇用主は派遣先であると言えるというもので、契約自由の原則に違反する酷いものです。しかも、違法とされる五つの事由の中に、通達でその範囲を加減出来る「派遣契約期間制限を超えての受入れ」が含まれており、派遣先が派遣を敬遠することにつながっています。

当協会では、会員企業、ひいては業界を代表する立場で、この派遣法改正案には断固反対の立場でロビー活動を行っています。

「専門26業務」と「自由化業務」の区分をなくす抜本的派遣法改正案を提起

― その上で、現実に即した形の派遣法改正を別途提案されているわけですね。

我が国では、個々人の職務、業務が不明確で、会社の命ずることが即ち職務であるのが一般的です。ですから、派遣先から依頼された業務を行うのが派遣労働者の仕事であるべきところ、それを予め区分をし、なおかつ、区分ごとに期間制限を設け、どの区分に該当するかについての解釈を細かく規定しているのが現行法の体系です。このため、派遣労働者は気配りができず(例えば事務用機器操作に従事していると、来客があって依頼されてもお茶くみができない、電話が鳴っても出られない)、生産性の向上も図れない状況です。そして、派遣先企業にも分かりにくさや使い勝手の悪さをもたらしています。

そこで当協会では、職種による区分をなくすることを提案しています(禁止業務は現行のまま)。そして、派遣先での派遣労働者の派遣受入れ期間についてはその制限を撤廃しつつ、同一派遣労働者の同一派遣先への派遣期間は3年を限度とすることを提案しています。

こうした考えを各政党や広く社会一般に呼びかけ、秋葉原事件や派遣村騒動以降の感情論による規制強化の議論ではない、冷静な議論に基づいて派遣の役割をきちんと評価していただいた上での法改正の見直しをお願いしていきたいと思っています。

また、派遣のみに目を向けるのではなく、有期雇用全体を捉えどうして行くのかを考えていくことが必要です。さらに、OECDの「経済政策改革2007」で、企業がどれだけ社員を解雇しにくいかを指数化(雇用保護制度指数EPL)したものによると、日本は正社員が手厚く守られている半面、いわゆる非正規の保護の度合いは低いとレポートされており、例えば、正社員の年功賃金の調整等労働者全体間の配分ルールのあり方の検討も必要であろうし、正規・非正規間の流動性を高めるなど、広い視点で労働政策を考える中で派遣の位置づけを検討して欲しいと思っています。

当協会では、これらのほか、派遣業界全体のコンプライアンスの徹底にも力を入れています。どこかの事業者が違法なことをしてしまうと、派遣業界全体が同じように見られてしまい、理にかなった主張も通らなくなってしまうからです。

私達としては、今後も、グローバル競争にさらされている派遣先企業に喜んでいただけるよう、また、派遣スタッフの雇用拡大と就業環境の改善が図れるよう、より良い派遣制度を確立して、我が国経済の更なる発展に寄与していきたいと考えています。

(2011年7月12日 東京都・千代田区 一般社団法人 日本人材派遣協会にて)

松田 雄一(まつだ ゆういち)●1945年生まれ。中央大学法学部卒。厚生労働省にて、職業能力開発局主任職業能力開発指導官、大臣官房会計課監査指導室長などを歴任。2002年より財団法人産業雇用安定センター、2004年より社団法人日本人材派遣協会 専務理事。現在に至る。


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