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掲載日:2015/08/18

電通総研、「若者×働く」調査を実施
~働いている18~29歳の若者の4割が「働くのは当たり前」だと思っているが
「できれば働きたくない」と思っている若者も3割~

電通総研は、日本の「今とこれからの働き方」を研究・提言する「□×働く」スタディーの「女性×働く」「シニア×働く」に続く第3弾として、これからの社会を担っていく存在である「若者」の就労観に着目し、電通若者研究部(ワカモン)との共同で「若者×働く」調査を実施しました。この調査は、週に3日以上働いている18~29歳の男女3,000名を対象とし、30~49歳の男女2,400名のデータと比較することで、若者の現在の働き方、働く目的、働くことに対する意識などを明らかにしました。

 

調査結果では、18~29歳の2人に1人が、給料などの待遇面などに不満を感じています。また、働く目的では、"現実"では「安定した収入のため」という回答が約7割と高いものの、"理想"では「生きがいを得たい」といった前向きなマインドがあることが分かりました。働くことへの考え方については、働くのは当たり前だと思っている割合が約4割である一方で、できれば働きたくないと思っている割合も約3割に上りました。会社や仕事の選び方では、できるだけ安定した会社で働きたい(37.1%)と思う一方で、1つの企業でずっと働いていたいと思うという意識は低く(17.3%)、会社に所属しながらの在宅勤務や、勤務時間を選べる環境で働いてみたい、という意識があることも分かりました。

 

本調査の主な結果は以下のとおりです。

1. 若者の約3割が非正規雇用。女性では約4割。
2. 働く上での不満は、給料などの待遇面、有給休暇の取りづらさ、仕事の内容など。
3. 働く目的はまず先に生活の安定。働くのなら「生きがい」も得たい。
4. 現在の働き方は堅実に、理想は柔軟な働き方をしてみたい。
5. 約4割が働くのは当たり前だと思っているが、約3割はできれば働きたくないと思って
いる。安定した会社で働きたいが、1つの会社でずっと働いていたいという意識は低い。
6.「社会のために働く」と聞いてイメージする「社会」は「日本」と「身近なコミュニティー」。
7. 若者は「企業戦士」「モーレツ社員」という言葉を知らない。

 

【調査結果の詳細】
※対象エリアの就労者の人口構成に基づき、ウエイトバック集計を実施しています。

1. 若者の約3割が非正規雇用。女性では約4割。
●18~29歳の約3割が非正規雇用。女性18~29歳では約4割。
現在の雇用形態を聞いたところ、18~29歳では、正社員・正規職員63.6%、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどの非正規雇用32.1%、フリーランスなどを含めた自営業主が4.1%となった。非正規雇用の割合は男女の差が大きく、男性18~29歳の22.8%に対し、女性18~29歳は42.6%となっている。なお、女性は18~49歳のどの年齢層でも、4割以上が非正規雇用となっている。

 

2. 働く上での不満は、給料などの待遇面、有給休暇の取りづらさ、仕事の内容など。
●どの年代においても、2人に1人が給料やボーナスの低さに不満を感じている。
働く上での不満を聞いたところ、18~29歳では「給料やボーナスが低い」(50.4%)、「有給休暇が取りづらい」(23.8%)、「仕事がマンネリ化している」(17.6%)が上位に挙がった。「給料やボーナスが低い」はどの年代においても共通して高いが、「有給休暇が取りづらい」「通勤時間が長い」「残業時間が多い」という項目は、年代が若いほどスコアが高い。

 

3. 働く目的はまず先に生活の安定。働くのなら「生きがい」も得たい。
●現実は安定や趣味のために働く。理想は働くことで生きがいも得たい。
現在の働く目的を聞いたところ、18~29歳では「安定した収入のため」(69.3%)、「趣味や遊びに使うお金を稼ぐため」(36.5%)、「将来(就労期間中)の生活資金のため」(30.5%)といった項目が上位に並び、生活の安定が目的となっていることが分かる。
理想の目的では、上位2項目は変わらないが、「生きがいを得るため」という項目が上位に挙がっている。

 

4. 現在の働き方は堅実に、理想は柔軟な働き方をしてみたい。
●できれば多様で柔軟な働き方をしてみたい。
現在の働き方として、「会社や職場から与えられた目標を堅実にこなすために働く」(21.1%)、「年収はそこそこだが、自分が生まれ育った地元や地方で働く」(15.0%)といった項目が上位に挙がっている。
やってみたいと思う働き方では、「会社に所属しながら、在宅勤務など、自宅で仕事をする」(19.7%)、「働き手の事情に応じて、勤務時間を選べる環境で働く」(16.4%)など、多様で柔軟な働き方をやってみたいと思っている若者が一定数存在している。

 

5. 約4割が働くのは当たり前だと思っているが、約3割はできれば働きたくないと思っている。安定した会社で働きたいが、1つの会社でずっと働いていたいという意識は低い。
●できるだけ安定した企業で働きたいという割合は女性で高い。
働くことへの意識については、18~29歳の約4割が「働くのは当たり前だと思う」(39.1%)一方で、「できれば働きたくない」(28.7%)が約3割に上ることが分かった。仕事に対する価値観でも「仕事はお金のためと割り切りたい」(40.4%)など、消極的なマインドがある中で、「自分の働き方はできる限り自分で決めたい」(28.4%)という意識がある。
会社や仕事の選び方は「できるだけ安定した会社で働きたい」(37.1%)という意識が強いが、「1つの企業でずっと働いていたいと思う」という意識は17.3%。
周囲や社会とのかかわり方では、「できるだけ価値観が共有できる仲間とだけ仕事がしたい」(32.9%)、「社会に貢献できる仕事・会社を選びたい」(23.2%)となっている。
「できるだけ安定した会社で働きたい」という項目は、女性18~29歳で44.3%と高い。

 

6. 「社会のために働く」と聞いてイメージする「社会」は「日本」と「身近なコミュニティー」
●個人によってイメージが異なる「社会」の範囲
「社会」という言葉がイメージするものとして、18~29歳では「日本社会」(41.9%)、「会社や所属している集団」(39.2%)、「住んでいたり、関わりのある地域」(34.8%)、「友だちや家族」(34.1%)が上位に挙がった。社会=日本というイメージと同時に、友だちや家族といった身近な「社会」も想起されていることが分かる。
女性18~29歳は「会社や所属している集団」(42.6%)が最も高く、身近なコミュニティーを社会としてイメージしている。

 

7. 若者は「企業戦士」「モーレツ社員」という言葉を知らない。
●若者の知らない「企業戦士」「モーレツ社員」。
働き方に関連した言葉について知っているかどうかを聞いたところ、「企業戦士」の認知率は、40~49歳が53.6%であるのに対し18~29歳は31.2%。また「モーレツ社員」は、40~49歳が54.4%であるのに対し18~29歳は21.7%と、年代により大きな差が見られた。
これらの言葉は、高度成長期に仕事に熱中する、企業のために粉骨砕身で働くサラリーマンの像を表した言葉であり、世代ギャップがあることが分かる。

 

■「若者×働く」調査 概要
・調査対象    :週3日以上勤務の就労者 男女18~49歳男女
・対象エリア    :全国
・サンプル数    :5,400サンプル
※対象エリアの就労者の人口構成に基づき、ウエイトバック集計を実施
※学生は含まない
・調査時期    :2015年3月20日(金)~3月23日(月)
・調査手法     :インターネット調査
・調査会社    :株式会社 ビデオリサーチ
以上

 

【本調査に関する問い合わせ先】
株式会社電通
電通総研 ヒューマン・スタディーズ・グループ 小木
TEL:03-6216-8458
電通若者研究部(ワカモン) 奈木 TEL:03-6216-8462

 

◆本リリースについては、こちらをご覧ください。

(株式会社電通 http://www.dentsu.co.jp/ / 8月13日発表・同社プレスリリースより転載)