矢野経済研究所、人材ビジネス市場に関する調査結果 2011
【 調査要綱 】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内人材ビジネス市場の調査を実施した。
1.調査期間 : 2011年7月~9月
2.調査対象 : オフィスワークを中心とした人材派遣事業者、ホワイトカラー職種の人材紹介事業者、
再就職支援事業者、技術者派遣事業者、営業・販売支援人材ビジネス事業者、
ネット転職サービス事業者等
3.調査方法 : 当社専門研究員による直接面談、郵送によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<人材ビジネス市場とは>
本調査における人材ビジネス市場とは、一般労働者派遣業(人材派遣業)、人材紹介業、再就職支援業、技術者派遣業、営業・販売支援人材ビジネス、ネット転職サービスの6分野を対象とするが、ここでは調査対象のうち、一般労働者派遣業(人材派遣業)、人材紹介業、再就職支援業の主要3分野を取り上げ、分析する。なお、「人材派遣業」の2009年度実績値までは厚生労働省の平成21年度労働者派遣事業報告書(確報版)のうち、「一般労働者派遣事業」の売上高より引用している。また、「人材紹介業」については、ホワイトカラー職種の人材紹介業を対象とする。
【 調査結果サマリー 】
◆人材派遣業の2010年度の市場規模は前年度比94.0%の4兆4,500億円 2年連続の減少
2010年度は景気が回復傾向にあったため、2009年度に比べれば減少幅は縮小したが、2008年以降に生じた派遣イメージの悪化や規制強化の動きもあり厳しい状況が続く。
2011年の前半では、前年に引き続き景気回復傾向がみられたが、東日本大震災の影響で製造業を中心に雇用が冷え込んだ。ユーザが派遣サービス利用に慎重になるという傾向は続いており、需要回復には至っていない。
◆ 2010年度の人材紹介業の市場規模は前年度比111.8%の850億円、緩やかな回復傾向
2009年度後半からは緩やかながらも景気が回復して企業の人材需要が拡大し、2010年度では2007年度以来3期ぶりのプラス成長へと転じた。
2011年度については、3月に発生した東日本大震災によって一時的に採用がストップしたため、求人件数全体が減少となったが、6月以降では震災からの復興需要なども加わり、大幅に改善した。
◆ 2010年度の再就職支援サービス市場規模は前年度比97.2%の275億円と推計
やや成長に頭打ち感
2010年度の再就職支援サービス市場規模は前年度比97.2%の275億円と推計する。ハローワークなどの公的機関からの案件受託や、大手企業を中心に人事制度・事業戦略として同サービスが広がりつつあることなどから、当面は堅調推移を見込む。
◆ 資料体裁
資料名 :「人材ビジネスの現状と展望 2011 年版」
発刊日 : 2011年10月20日
体裁 : A4判 554頁
定価 : 115,500円(本体価格110,000円 消費税等5,500円)
(矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ /11月21日発表・同社プレスリリースより転載)