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掲載日:2011/02/23

平成22年度「能力開発基本調査」結果の概要~事業所でのOFF-JTや自己啓発支援の取り組みは全体として低下傾向~(厚生労働省)

厚生労働省では、このたび、企業や事業所で行われている従業員への能力開発方針や取り組み状況などを把握し、今後の職業能力開発行政に活用することを目的として「平成22年度 能力開発基本調査」を行いました。この「能力開発基本調査」は、平成18年度から毎年度実施しており、今回で5回目です。

【調査結果のポイント】

1 企業での従業員に対する能力開発の方針(P.1~2)
・ 教育方針について、「全体の能力を高めることを重視」と「全体重視に近い」とした企業の割合が、正社員では5割を超え(53.5%、前回49.5%)、「選抜した労働者を重視」と「選抜者重視に近い」の46.5%(前回50.5%)を逆転した。
正社員以外でも、「全体の能力を高める」が48.8%(同46.7%)だった。
・ 訓練の方法としては、「OJT(実際の仕事を通じて行う訓練)を重視」「OJT重視に近い」とした企業の割合が、正社員では74.5%(前回比3.7ポイント増)、正社員以外では79.2%(同1.0ポイント増)といずれも上昇した。  
一方、「OFF-JT(仕事を離れて行う訓練)を重視」と「OFF-JT重視に近い」は、正社員で25.4%(同3.8ポイント減)、正社員以外は20.7%(同1.0ポイント減)だった。

2 事業所での教育訓練の実施状況(P.3~7)
・ 計画的OJTの実施率は、正社員では57.8%(同0.6ポイント増)だったが、正社員以外は27.7%(同0.6ポイント減)で、依然、正社員に比べて低い水準にとどまっている。
・ OFF-JTの実施率は、正社員で67.1%(同1.4ポイント減)、正社員以外では31.4%(同1.8ポイント減)といずれも低下した。また、正社員の自己啓発に対して支援している事業所の割合は62.2%(同4.3ポイント減)、正社員以外では38.0%(同3.3ポイント減)でいずれも低下したが、低下幅は縮小した。

3 従業員個人による教育訓練受講状況(P.8~10)
・ 自己啓発を行った人の割合は、正社員で41.7%(同0.4ポイント減)、正社員以外では18.4%(1.6ポイント減)。
・ 自己啓発を行う上での問題は、正社員・正社員以外ともに「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」、「費用がかかりすぎる」の割合が高い。
正社員以外では「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」も30.7%と高い。

【調査対象】
1 調査対象
(1) 企 業:常用労働者が30人以上の約7,100企業(有効回答率 約44%)
(2) 事業所:常用労働者が30人以上いる会社の事業所、約6,700事業所(有効回答率 約68%)
(3) 個 人:(2)の事業所で働く従業員のうちの約20,600人(有効回答率 約39%)

2 調査の対象期日
平成22年9月1日現在(年間の状況は平成21年度)

【調査実施時期】平成22年9月1日から10月5日まで(個人調査は11月2日まで)

※ 正社員   期間の定めのない者であって、パートタイム労働者などを除いた社員をいう。
  正社員以外 正社員以外の嘱託、契約社員、パートタイム労働者と呼ばれる社員をいう。派遣労働者、請負労働者は含まない。

 ●主な調査結果(PDF:KB)


厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp//報道発表より転載