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掲載日:2024/07/09

非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査(2024年)

45.7%の企業が正規・非正規間での待遇差是正のため「基本給」を改定。直近半年間にスポットワーカーの給与を上げた企業は約4割。直近半年間の給与の平均増額はスポットワーカーがアルバイトを上回る結果に

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業を対象に実施した、「非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査(2024年)」の結果を発表しました。

<TOPICS>
◆45.7%の企業が正社員と非正規社員の待遇差是正のために「基本給」を改定。改定率は大企業・中小企業ともに過去最高となるも、企業規模で進捗の差がみられる
◆直近半年間でアルバイト時給を上げた企業は約6割。業種別では[建設・土木・設備工事]が人材確保のため全体に比べ1.7倍以上増額
◆直近半年間でスポットワーカーを募集した企業は、65.1%。直近半年間にスポットワーカーの給与を上げた企業は40.9%で、平均時給の引き上げ額は、アルバイト雇用よりも35.5円高い結果に

【調査概要】
◆45.7%の企業が正社員と非正規社員の待遇差是正のために「基本給」を改定
改定率は大企業・中小企業ともに過去最高となるも、企業規模で進捗の差がみられる

正社員と非正規社員間での待遇差是正の状況について聞いたところ、「改定済み」と回答した割合は、「基本給」が45.7%(前年比2.1pt増)で最も高く、2021年の調査開始以来最高となった。企業規模別でみると、従業員300名以上の大企業※1で55.5%(前年比5.6pt増)、中小企業で41.5%(前年比1.0pt増)となり、2021年の調査開始以来、3年連続で過去最高を更新している。

最低賃金の引き上げや、「同一労働・同一賃金※2」への対応もあり、非正規雇用の給与の待遇差は徐々に解消されつつあるが、大企業と中小企業では進捗に差が出る結果となった。

※1 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条で定義された「中小企業」の反対解釈として「大企業」とみなす
※2 同一の企業・団体における正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差の解消を目指すもの

◆直近半年でアルバイトの時給を上げた企業は約6割
業種別では[建設・土木・設備工事]が人材確保のため全体平均の1.7倍以上増額

直近半年間で、アルバイトの時給を上げた企業の割合は60.5%で、2年連続で6割を超えた。業種別では、[コンビニ・スーパー]が70.1%と最多で、次いで[保育]69.8%、[飲食・フード]69.7%となった。

上げた金額を聞くと、全体では平均278.6円で、業種別では、[建設・土木・設備工事]が平均491.5円と最も高く、全体に比べ1.7倍以上の上げ幅だった。

時給を上げた理由は、「人材確保が難しくなったため」が40.2%で最多で、[建設・土木・設備工事]では57.8%と全体より17.6pt高かった。

建設業は「2024年問題」により、残業の上限規制がかかり、人手不足への対応は急務となっている。その打開策として、時給アップを行ったと考えられる。

◆直近半年間でスポットワーカーを募集した企業は、65.1%
直近半年間にスポットワーカーの給与を上げた企業は40.9%で、
平均時給の引き上げ額は、アルバイト雇用よりも35.5円高い結果に

非正規雇用を行っている企業のうち、直近半年間でスポットワーカーを募集した企業は、65.1%だった。そのうち、直近半年以内にスポットワーカーの給与を上げた企業は40.9%で、業種別では、[飲食・フード]が53.6%で最も高く、[コンビニ・スーパー]で50.8%、[介護]で48.2%と続いた。上げた時給金額は、全体で平均314.1円となり、アルバイト雇用(平均額278.6円)を、35.5円上回る結果になった。

また、非正規社員の採用基準を上げた割合は、スポットワーカーで56.4%、アルバイト雇用で45.6%となった。アルバイト雇用と比較すると、スポットワーカーの新規採用基準が時給額に影響していると思われる。スポットワーカーを募集する業種の中には、特定の資格保持者や(正社員・アルバイトで補えない)特定の時間帯で勤務できる方、勤務経験者を募集する求人も多い。質の高い人材をピンポイントの時間帯に獲得するため、時給条件と採用基準を上げたと考えられる。

【調査担当者コメント】
「同一労働・同一賃金」は、2021年4月の「パートタイム・有期雇用労働法」の改定により、中小企業にも適用されました。
適用後に実施された本調査によると、「基本給」に関する待遇差是正の割合は、大企業・中小企業とも過去最高となり、今後も正規雇用と非正規雇用の待遇差が縮まることが期待できる結果となりました。
一方で、大企業と中小企業の改定進捗の差に関しても過去最高の広がりを見せています。
また、スポットワーカーという新しい雇用形態では、4割以上の企業が給与を上げたと回答し、給与の上昇額はアルバイト雇用を上回る結果となりました。
多様化する「働き方」に合わせ、企業の雇用方法も様々です。正規・非正規間での待遇差の改善は進んでいますが、「働き方」が多様化することで待遇差が新たに生まれたり、見落とされたりしないよう、企業には幅広い対策が求められるのではないでしょうか。
 

『非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査(2024年)』
■調査期間/2024年5月17日(金)~2024年5月28日(火)
■調査方法/WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社マイナビ/アンケートモニター提供元:外部調査会社)
■調査対象/直近半年(2023年12月~2024年5月)以内に非正規雇用の採用業務に携わった20〜69歳の男女
■回答数/1,496サンプル
※レポート内に記載している「シニア」は「65歳以上」と定義しています。
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

 

本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社マイナビ/ 7月3日発表・同社プレスリリースより転載)