ニュース
人事サービス その他人事サービス
掲載日:2022/11/29

企業の人材戦略等に関する調査

企業の経営幹部を対象とした調査を実施
日本の経営層は社員のモチベーションとリスキリングを成長戦略に位置づけ

 

ビジネスに特化した世界最大のプロフェッショナルネットワークであるLinkedIn(リンクトイン、日本法人所在地:東京都千代田区)は、日本を含む17カ国で企業のCEOをはじめとするCレベル*の経営層約3,000人を対象に、現在の経済環境を踏まえた企業の人材戦略等に係る調査を実施しました。日本では100人のCレベルの経営層を対象に調査が行われ、日本の経営層の多くが経済の先行き不透明感が強まる中で、従業員のモチベーション維持とリスキリングを成長戦略の重要な柱と位置付けていることがわかりました。
* CEO、CFO、COO、CMOなど、企業の経営を司っている経営幹部
 

●従業員の福利厚生は維持 物価上昇へのサポートも

経済の先行き不透明感が強まる中で従業員の福利厚生に係る費用を削減する予定の有無について聞いたところ、日本では回答者の62%が「福利厚生費削減の予定はない」と回答。また、その理由として60%が「従業員の心身の健康維持が重要であること」を挙げ、また59%が「従業員の士気の低下を防ぐこと」を挙げました。一方で、世界全体では、福利厚生費の削減を「すでに実施している」「予定している」とした回答は合計で66%に上り、「予定はない」とした31%を大きく上回りました。この点から、日本の経営層において従業員の福利厚生を維持しようとする姿勢が強いことが伺えます。

また、今後6ヶ月間のビジネスにおける優先事項を聞いたところ、日本では「成長のための新規人材採用」が34%と最も多く、続いて「従業員のキャリア開発サポート」が33%に上りました。このことから、日本の経営層においては依然、成長戦略として人材への投資意欲が強いことが見て取れます。

このほか、物価上昇に対する従業員へのサポートとして採られている施策については、日本では「賃金・給与の増加」が36%と最も多く、「育児へのサポート」(28%)、「福利厚生に関する助成」(25%)が続き、物価上昇に係る従業員の不安に対処している姿が浮き彫りとなりました。
 

●従業員のリスキリングを重要視

今後6ヶ月の人材戦略における優先事項を聞いたところ、日本では「従業員のモチベーションとやる気の維持」が46%と最も多く挙げられ、「従業員のスキル向上・リスキリング」が33%、「さらにフレキシブルな職場環境を提供する」が32%と続きました。

また、自社の戦力が先行き不透明な経済への耐性を持つために必要な施策を聞いたところ、「従業員のスキルに基づいた成長領域への配置転換」が45%と最も多く挙げられ、続いて「従業員のスキル向上とリスキリングへの投資」が42%に上りました。

このほか、従業員のモチベーションを維持するために考えられている施策について尋ねると「明確なキャリアパスと能力開発の機会を提示すること」が46%と最も多く、「マネージャーとの個人面談を増やす」(33%)「メンタルヘルスや福利厚生への投資」(31%)が続きました。

これらの回答から、ビジネスのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、日本の経営層の間では従業員のやる気を高めつつ、今後の成長のため従業員のスキル向上はリスキリングが重要であると考えられていることが伺えます。

今回の調査・分析から、経済の先行き不透明感が強まる中でも、日本の経営層の多くは人材に係る費用の削減を考えておらず、また成長戦略として従業員のスキル向上を位置付けていることが分かります。


 

<調査概要>
2022年9月から10月にかけて、調査実施国の企業(従業員1,000人超、年間売上2億5,000万英ポンド超)におけるCレベルの経営層2,929人を対象にオンラインアンケート調査(第3者調査機関に委託)を実施。調査実施国は、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン、スウェーデン、アラブ首長国連邦、アメリカ、メキシコ、ブラジル、インド、シンガポール、オーストラリア、日本、中国の17か国。


◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(リンクトイン・ジャパン株式会社/ 11月9日発表・同社プレスリリースより転載)