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掲載日:2022/10/06

【理系23卒学 就活実態調査】内定6社以上の学生が前年比約4倍に。オンライン就活が面接参加を後押し

TECH for Societyの実現を目指し、理系学生採用支援を行う株式会社テックオーシャン(本社:東京都千代田区、代表取締役:長井裕樹)は、2022年7月21日(木)〜7月29日(金)に全国の理工系学生(23卒学部生・大学院生)に対して、オンライン世代の就活実態を調査し、556名の調査結果を得ました。
昨年同時期に行った22卒向け調査と比較しながら、オンライン就活が当たり前となった23卒理系就活生のリアルな声をまとめています。
 

アンケートTopics

  1. 理系就活生が仕事を選ぶポイントは「大学での所属・専攻」がTOP(昨年同様)
  2. 約4分の3の学生が就職活動初期から仕事選びの軸を変えていない
  3. 仕事選びの軸に「変化があった」と回答した学生の声 
  4. 6社以上の面接に参加した学生が6割近く、増加傾向
  5. 学生への対応が丁寧な企業は好印象
  6. 「面接官の態度・印象が悪い」企業は選考を辞退されやすい
  7. 選考を辞退しようと思った学生の具体的な理由
  8. 昨年度よりも複数内定を獲得する学生が増加
  9. 内定辞退の理由は1位が「志望度」、次いで「給料・待遇」「業務内容」「勤務地」
  10. 就職先の決め手は2年連続「社風、社員の雰囲気」が1位
     

(1) 理系就活生が仕事を選ぶポイントは「大学での所属・専攻」がTOP(昨年同様)
Q. 自分の仕事選び(業界、職種)に影響している要素を選択ください ※最大3つまで(n=556)
仕事を選ぶポイントは、昨年と同様「大学での所属・専攻」という回答が最も多く、72.8%であった。一般的に、専攻にあまり関係なく就職活動を行う学生が多いと言われる文系学生と比べ、理系学生は大学で学んでいることや経験が仕事選びに影響を与える傾向が強いことがわかる。
 

(2) 約4分の3の学生が就職活動初期から仕事選びの軸を変えていない
Q. 自分の仕事選び(業界、職種)の軸に、就活初期から変化があったかをお教えください(n=556、単一回答)
就職活動における仕事選びの軸の変化について、約4分の3の学生が「就活初期と変わらない」と回答した。大学での所属や専攻を活かしたいという気持ちが強い理系学生は、業界や職種の希望が変わりにくいと推察される。
一方で「変化があった」と回答した学生の具体的な変化の内容については次項で紹介する。
 

(3) 仕事選びの軸に「変化があった」と回答した学生の声 
※自由回答より抜粋

・考えてもみなかった業界からオファーをいただいたことで興味が湧いた業界もあった。
・インターンシップなど就活をしていく中で自分の適性や自分の希望を見極めたので就活初期と希望職種が変化した。
・就職活動を通して様々な方からお話を伺ったことで、メーカーの中でも最終的に就活初期に考えていなかった業界に就職することとなりました。
・仕事内容より、働きやすさを重視するようになった
・ワークライフバランス重視から、仕事の充実度も重視するようになった
・はじめは企業の規模を気にしていたが、最終的には業種、職種、仕事内容で自分の専攻と関係があり、やりがいを感じられると思えるものを選んだ。

就職活動をする中で、当初は考えていなかった業界でも自身の専攻を活かせることに気づいて業界の幅を広げたり、就職先企業を選ぶ際の優先順位が変化したりしたという回答が目立った。
 

(4)6社以上の面接に参加した学生が6割近く、増加傾向
Q. 現在までに何社の面接を受けましたか?(n=556、単一回答)
23卒の学生の面接を受けた企業数は、21卒・22卒と比較して5社以下は減少傾向にあり、6社以上が増加している。23卒の学生に関しては、6社以上の面接を受けた学生が6割近くに及んでいる。
従来、文系学生と比較して理系学生は面接参加数が少ないとされる傾向にあったが、オンライン就活が一般化したことで、理系学生においても面接参加社数が増加しているのではないかと考えられる。
 

(5)学生への対応が丁寧な企業は好印象
Q. 面接を受けた中で、好印象を受けた会社はありますか?その理由や特徴をお教えください
※自由回答より抜粋

・社員の方がこちらの話を熱心に聞いてくださり、印象が上がった。
・合否に限らず、選考ごとに丁寧にフィードバックを下さったから。人を大事にする会社なのだと思い、非常に好印象であった。
・オンラインの半日インターンでしかお会いしたことのない人事の方が顔と名前、質問内容まで覚えていてくれて、声をかけてくれた。
・堅苦しくなく、面談のような形で、話すことに対して共感してもらえたので話しやすかったです。
・多くの人と話す機会がある会社は好印象だった
・こちら側だけでなく、志願者の〇〇さんも選ぶ側の立場などで、何か聞きたいことがあれば途中でも何でも聞いてくださいと前置きがあったこと
・面接時に提出したものだけでなく、数ヶ月前のインターンでの提出物まで見ていてくれたり、一次面接後に最終面接時に向けてのアドバイスがあったこと
・選考に関する連絡が迅速

多く見られた回答は、「連絡が迅速」「学生への対応が威圧的でなく、寄り添ったものである」など企業の学生への対応が“丁寧”であることに関連するものが目立った。学生を個人として尊重する姿勢が、好印象を学生に抱かせ、志望度を高めるのに繋がることがうかがえる。
 

(6)「面接官の態度・印象が悪い」企業は選考を辞退されやすい
Q. 面接を受けた中で、選考を辞退しようと思った企業はありますか?その理由として当てはまるものを選択してください※複数回答可(n=556)
選考途中での辞退理由としては、「面接官の態度・印象が悪い」と辞退を考える学生が最も多かった。次いで学生の回答が多かったのは、「企業の雰囲気が合わないと感じた」である。入社後の働く姿を想像した際に、ギャップや不安要素を感じると辞退を検討しているように推察される。
 

(7)選考を辞退しようと思った学生の具体的な理由
Q. 面接を受けた中で、選考を辞退しようと思った理由を詳しく教えてください
※自由回答より抜粋

・ 深堀はせず、淡々と質問をされた。他社を悪く言うような発言があった。圧迫感を感じた。
・ 面接時に紙だけを見て画面を見ようとせず、逆質問の時間をもらえなかった企業は、閉鎖的な社風を感じて辞退した。
・決まった聞き方,返し方で人対人の面接なのに会話をしている感じがしなかった。マニュアル通りに何事も進めるお堅い企業なのかと思い,辞退した.
・選考に進む中で「転勤が多い」「残業が多い」等、説明会で言っていたこととは違う事を仰られていた会社があった。

具体的な辞退理由をみると、圧迫感を学生に与えたり、あるいは学生の話す内容などに興味を持っていないように感じられるなどすると「面接官の態度・印象が悪い」と思われがちなことがわかった。
 

(8)昨年度よりも複数内定を獲得する学生が増加
Q. 現在、内定は何社獲得していますか?(n=537、単一回答)
複数内定を獲得した学生が23卒では61.8%となり22卒の54.8%から7ポイント増加している。特に、6社以上の内定を獲得した学生に関しては、約4倍の割合に増加している。オンライン就活の定着による面接企業数の増加や就活の早期化が影響していると考えられる。同時に内定辞退へのハードルも低下しているといえる。
 

(9)内定辞退の理由は1位が「志望度」、次いで「給料・待遇」「業務内容」「勤務地」
Q. 内定辞退した理由を教えてください(n=375)
※自由回答の内容を元に、カテゴライズ・集計した結果を示す
内定辞退の理由は、1位が「志望度」、次いで「給料・待遇」、「業務内容」、「勤務地」となった。複数の内定を獲得した際に、志望度の他には給料や勤務地などの条件面、業務内容といった具体的なところを学生は比較していることがわかった。
 

(10) 就職先の決め手は2年連続「社風、社員の雰囲気」が1位
Q. 就職先に就職しようと決めた決め手をお教えください※最大3つまで(n=556)
就職先の決め手は、「社風、社員の雰囲気」の回答が最も多く、22卒と同様の結果となった。内定辞退の理由では待遇面の回答が多かったことを考慮すると、前提条件として「社風、社員の雰囲気」が学生自身と合わない企業は就職先の候補に入らず、その前提条件をクリアしたうえで、条件・待遇面で比較を行っているのではないかと考えられる。
 

テックオーシャン代表 長井の総括
今回は、就活を概ね終えた23卒理系学生に対して、就活を振り返るアンケート調査を行いました。そこから、年々、面接参加社数と内定獲得社数が増加しているという興味深い結果が得られました。
オンライン就活が一般化したことにより、研究などで忙しい理系学生でも時間を効率的に活用できるようになり、面接社数ひいては内定獲得社数が増えているのではないかと考えられます。

これまで以上に理系学生が多くの企業情報に触れて目が肥えるようになることで、理系採用は今後ますます競争が激しくなることが予想されます。
最終的な入社先の企業として学生に選ばれるためには、条件・待遇面の向上と「社風、社員の雰囲気」などの個性と魅力を、面接などの選考の場面においても学生に伝えていくという工夫が重要となると思われます。
 

調査概要
・調査対象:全国の理工系学生
・調査方法:アンケート調査(無記名式)
・調査期間:2022年7月21日~29日
・有効回答数:556名
 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社テックオーシャン/9月28日発表・同社プレスリリースより転載)