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掲載日:2022/09/07

「従業員のメンタルヘルス不調」に関する調査

株式会社SmartHR(本社:東京都港区、代表取締役CEO:芹澤 雅人)が運営する「SmartHR 人事労務研究所」は、「従業員のメンタルヘルス不調」をテーマにした調査を、メンタルヘルス不調の経験のある現在正社員・役員の方824人を対象に実施いたしました。

■ 調査結果要約
1.メンタルヘルス不調を感じた人のうち、21.8%が休職
2.不調の改善で社内の制度・取り組みに効果を感じた人は約75%
3.産業医への相談・上司との面談を行っている人のほうが改善する割合が高い
4.改善に効果的だった取り組みとして、趣味・娯楽が最多


■ 調査結果
1. メンタルヘルス不調を感じた人のうち、21.8%が休職
在職期間中にメンタルヘルスに不調を感じたことがあると回答した人のうち、不調が判明したときに休職した割合は21.8%でした。

また、休職された経験のある方を給与制度および管理職・非管理職で分けたところ、年功序列型は20.2%が管理職、79.8%が非管理職だったのに対して、成果主義型は管理職が44.8%、非管理職は55.2%と給与制度で分布に違いが見られました。

2. 不調の改善で社内の制度・取り組みに効果を感じた人は約75%
メンタルヘルス不調を感じた当時の勤務先にメンタルヘルスケアに焦点を当てた取り組みがあったかを問う設問では、半数を超える53.8%が「取り組みはなかった」と回答しました。

一方で、「取り組みがあり、利用したことがある」と回答した人に、メンタル不調の改善のために利用した・行った社内での取り組みの効果の有無を聞いた質問では、74.3%が効果があったと回答しています。

もっとも効果を感じた取り組みは「産業医への相談」で22.6%となりましたが、大きくポイント差が出た取り組みはなく、それぞれに合った取り組みが選択できる環境の柔軟さが求められることがわかります。

【詳細】「産業医への相談」22.6%、「同僚とのコミュニケーション」が17.9%、「上司や人事と面談」が16.7%、「企業独自の病気休暇制度の利用」が16.7%、「交流や健康にまつわる福利厚生の利用」が11.9%、「社内相談窓口の利用」が8.3%、「時短勤務への変更」が3.6%、「その他」が2.4%。

3. 産業医への相談・上司との面談を行っている人のほうが改善する割合が高い
不調が改善した人と不調が続いている人を比較したところ、不調が改善した人の方が産業医への相談は16.1pt(不調が改善した52.5%、不調が続いている36.4%)、上司や人事との面談は6.7pt多い(不調が改善した40.0%、不調が続いている33.3%)結果になりました。

4. 改善に効果的だった取り組みとして、趣味・娯楽が最多
メンタルヘルス不調を感じた際に社外で行った取り組みを問う設問では、52.0%が「趣味や娯楽」を選択し、ついで「運動」が33.2%、「睡眠の改善」が31.6%と続きました。一方で、「生活の改善」(21.5%)や「人や動物のコミュニケーション」(26.8%)など多くの選択肢が20%を超えており、複数の選択肢を柔軟に選べることの重要性が伺えます。

また、行った社外での取り組みのうち、もっとも効果を感じたものを聞いたところ、「趣味や娯楽」が27.5%を占める結果になりました。業務から一定の距離を取った、自分らしさと関わる取り組みに改善の効果を感じやすいといえます。

■ SmartHR 人事労務研究所 総評
メンタルヘルスの不調問題は会社規模、業種問わずに発生する可能性があり、人事労務担当者が抱える課題の中でも難易度が高いものだと思います。その中で「勤務先での取り組みに対する効果の感じ方」は75%近くの方が「効果があった」と回答されていることは、人事担当者の心の拠り所になるのではないでしょうか。また、社外での取り組みの重要性も把握し、周囲の方の理解促進を図ることで社内外の取り組みに対する効果を最大化させられるかもしれません。答えのない課題への対応は不安との戦いになりますが、今回の調査結果は人事労務担当者を勇気づける結果となったのではないかと考えています。(人事労務研究所所長 副島智子)

■ 調査概要
回答者:正社員としての在職中に、メンタルヘルス不調の経験のある現在正社員・役員の方 824人 (年功序列型 412人、成果主義型 412人)
調査期間:2022年5月23日〜2022年5月24日
調査手法:インターネット調査
調査委託先:株式会社マクロミル
※本調査結果の二次利用は「出典元:SmartHR 人事労務研究所」を記載いただきご使用ください

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社SmartHR / 9月6日発表・同社プレスリリースより転載)