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掲載日:2007/04/24

ミック経済研究所、派遣・BPOなど
アウトソーシング総市場規模を発表

情報・通信分野、アウトソーシング分野専門の市場調査機関であるミック経済研究所(東京都港区、有賀章・社長)は、戦略マーケティング資料「人材ビジネス系・専門アウトソーサ系 アウトソーシング総市場の現状と展望 2007年度版」(調査期間2007年1〜4月)を2007年4月24日に発刊したと、発表しました。

同マーケティング資料では、派遣会社を含むアウトソーサ46社を対象に、各社のアウトソーシング関連売上高や動向、事業戦略について調査をしています。資料の特徴としては、アウトソーシング総市場を人材派遣市場と請負市場に分け、さらに請負市場をオペレーション形態や付加価値の付け方によって、部分アウトソーシング、フルアウトソーシング、BPO/BTOにブレークダウンしています。

※ 本調査では人材ビジネス系、業務処理の専門アウトソーサ系企業を調査対象としており、ITアウトソーサは含んでおりません。

調査結果の概略は、以下のとおりです。

アウトソーシング総市場調査
アウトソーシング総市場は、平均成長率9.0%で拡大
人材ビジネス系、専門アウトソーサ系企業による人材派遣市場、請負市場を含む「国内アウトソーシング総市場」は2005年度で5兆4,511億円であった。景気回復によるユーザ企業における処理業務の増加や間接業務の効率化によるコア業務へのリソースの集中といった背景から、2006年度は8.8%増の5兆9,308億円、2007年度には6兆4,574億円へと拡大。2007年度から2012年度までの6年間に、平均成長率9.0%で推移し、2012年度にはほぼ10兆円市場(9兆9,290億円)となる予測である。

2012年度には請負市場が26.0%→32.1%へ
人材派遣市場は4兆3,900億円で、2006年度のアウトソーシング総市場の74.0%を占める。一方、請負市場は1兆5,408億円で、総市場の26.0%。幅広い間接業務を専門性の高いアウトソーサに任せ、コア業務に集中したいユーザのニーズは強く、請負市場は派遣市場を上回る伸び率で拡大していくと見られ、2012年度には総市場に占める比率は32.1%となり、より存在感を増して行く。

派遣企業は、人材不足の解消が課題。各社は「育成型派遣」に注力へ
人材派遣市場は、2005年度4兆351億円から2006年度4兆3,900億円(8.8%増)へ。2007年度は4兆7,350億円(7.9%増)の予測。需要は旺盛なものの、要求されるスキルを有した登録者の募集が追い付かず、成長が鈍化。人材不足の解消のため、人材派遣会社は育成型の派遣に注力する方向性である。

(*)育成型派遣…派遣会社が登録者に専門的な教育・研修を行い、有資格・有スキルのスタッフに育成してからユーザ企業へ派遣する。

アウトソーシングを通じたユーザ企業の企業価値向上が必要
請負市場は、2005年度1兆4,160億円から2006年度1兆5,408億円(8.8%増)へ。2007年度は1兆7,224億円(11.8%増)の予測。2006年度はテレマーケティング企業の大手1社の売上が大幅減となったことで、請負市場全体の伸びが抑えられてしまったが、2007年度は二桁の伸びが予測される。

現在のアウトソーシング市場ではコスト削減という単純なメリットだけでは訴求力が薄れてきている。むしろ、業務を一括して受注するフルアウトソーシングを通じて、ユーザ企業の競争力アップを始め、業務改善による効率化、コア業務への集中による商品・サービスの拡充と高度化といった企業価値の向上が着目され始めている。例えば営業のフルアウトソーシングでは、単なるコスト削減のためのアポ取り電話の代行ではなく、むしろ、より確度の高い見込み客の選定ノウハウや、客を惹き付けるトークマニュアルの作成までも含めた包括的なアポ取り業務のアウトソーシングを望む声が強くなってきている。つまり、ユーザ企業はアウトソーシングのメリットとしてコスト削減だけでなく、「高品位なアポイント済み顧客リスト」という、自社の営業戦略を支援してくれるような成果までも望むケースが増えている。

体裁・価格
同資料体裁はA4版(ファイル製本)で、全1,211頁。価格はハードカバー版199,500円、CD-ROM版399,000円、ハードカバー版とCD-ROM版のセット567,000円(いずれも消費税込み)。


(ミック経済研究所 http://www.mic-r.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・4月24日)