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掲載日:2018/11/06

社外活動の充実は労働時間に影響せず。職場での満足度・成果も高い~「管理職の社外活動に関する実態調査」:リクルートマネジメントソリューションズ

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島 敬太郎)組織行動研究所は、「管理職の社外活動に関する実態調査」を実施し、「管理職は、どのような社外活動をどれくらいの頻度で行っているのか」「社外活動は職場やマネジメント行動に対してどう役立っているのか」など、管理職の社外活動が職場に及ぼす影響について公表しました。 

詳細は10月11日に公表した当社Webサイトの調査レポートからもご参照いただけます。

 

■調査背景と結果のポイント
当社は、2016年9月に「越境活動実態調査」を実施し、社外活動への参加動機・学びの実態を尋ね、正社員として会社というコミュニティに所属しつつ、社外活動を通じてコミュニティを横断する「越境」経験を本業に生かしたい・生かせそうだと感じている越境経験者が8割近くに上ることを明らかにしました。

その後、2017年10月に実施した「上司の社外活動に関する意識調査(『ボス充 』意識調査 )」では、社外活動が充実している「ボス充ⅰ」上司の方が、若い部下には魅力的に映っていることが明らかになりました。

これらの調査結果を踏まえ、今回は、社会人になった後に社外活動ⅱを経験している課長相当の管理職を対象に、社外活動が職場や部下へのマネジメント行動に及ぼす影響を明らかにすることを試みました。なお、データ回収数の制約もあり、今回は男性のみに限定しております。

 

【結果のポイント】
(1)職場やマネジメント行動への役立ちとして、部下育成、多様性理解・コミュニケーションの幅の広がり、その他態度・心構えに関する具体的な記述が確認できました。

(2)「ボス充」群の方が仕事だけでなく部下のプライベートも含めた関係性を志向しています。

(3)働くことに関する価値観のうち、ワーク・ライフ・バランスについて、「ボス充」群は、趣味・家庭重視でありながら、打ち込める仕事であれば仕事中心の生活になることをいとわないという傾向も強いことが明らかになりました。実際に、平均的な月間労働時間について、両群で差は見られませんでした。職場での適応感(満足度・成果実感)については、いずれの項目も「ボス充」群の方が高い傾向となりました。

 

■調査結果サマリー

●社外活動の実態
・「趣味・スポーツなどのスクールやコミュニティ」の選択率が最多となり、「育児」「副業・兼業(起業含む)」「地域貢献活動」「ボランティア活動」「セミナー・勉強会・研究会」がそれに続きました。

・始めたきっかけ・理由としては、面白そう・ネットワークづくり・社会貢献が3大理由としてあげられます。

 

●職場やマネジメント行動への役立ち
・部下育成、多様性理解・コミュニケーションの幅の広がり、その他態度・心構えに関する具体的な記述が確認できました。

・社外活動のきっかけとして「人から誘われたから」(19.7%)、「家族から要請があったから」(10.4%)と、自ら積極的に始めたものではないケースも一定数存在しました。積極的に始めたものではないが良かったこととして、地域貢献活動に関する記述が最も多く、ボランティア活動や趣味・スポーツに関するものも含め、前向きなコメントが複数見られました。

 

●部下との対話
・管理職は部下に対してどれくらい自分の社外活動の話をしているかについて、3分の2が部下に「活動内容にかかわらず社外活動について話をしている」を選択しました。

・話をする理由としては「部下との人間関係が円滑になるから」が、話をしない理由としては「プライベートなことまで話す必要はないと思うから」が最多となりました。

 

●社外活動が充実している管理職(以降「ボス充」群)の特徴
・社外活動が充実していて(社外活動「積極群」:「月数回」の活動が1つでもある)、プライベートから仕事へのポジティブな効果を認識している群(スピルオーバー高群)を「ボス充」群とし、それ以外を「ボス充でない」群としました。

・管理職の社外活動に対し、「やった方がいい」の選択率が「ボス充」群は79.0%に対して「ボス充でない」群は57.8%となり、「ボス充」群の方がポジティブな考えが確認されました。

・自分の社外活動を部下に話しているかどうかは、「ボス充」群74.9%、「ボス充でない」群56.6%と、「ボス充」群の方が多い結果となりました。管理職としての行動や考えについては、「ボス充」群の方が部下とプライベートも含めた関係性を志向していました。

・管理職が社外活動を行うことに対する会社・職場の考え方に関して、「ボス充」群の職場環境の方が、仕事や職場へのプラスの効果、社会の役に立つもの、本人の学びにつながるものであることが望ましいとされていることが明らかになりました。

・本人が感じる職場への適応感(満足度・成果実感)、職場の心理的安全性は、「ボス充」群の方がいずれも高いことが明らかになりました。

 

■調査概要
・調査目的:管理職の社外活動の実態と職場に及ぼす影響を明らかにすること
・実施期間:2018年6月
・調査対象
社会人になった後に社外活動の経験がある、部下をもつ課長相当の男性管理職411名
※勤務先の従業員規模は300名以上
※管理職経験は半年以上
※社外活動とは、ボランティア活動、地域貢献活動、セミナー・勉強会、ビジネススクール、副業、政治活動、趣味・スポーツなどのスクールやコミュニティ、育児、介護など
※現在は社外活動を行っていない人も15%程度含まれるように改修
・調査方法:インターネット調査
・調査内容:現在の社外活動状況、社外活動についての部下との対話、社外活動を始めたきっかけ、活動後の変化、社外活動に対する考え方など

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ https://www.recruit-ms.co.jp//10月31日発表・同社プレスリリースより転載)