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掲載日:2017/02/09

残業時間については、2015年に比べて半数が「減少傾向」と回答。半数の企業がテレワークを導入済~『ダイバーシティと働き方に関するアンケート』調査結果:経済同友会

公益社団法人経済同友会は、「ダイバーシティと働き方に関するアンケート調査結果」を2月7日に発表しました。

 

<調査結果概要>(一部抜粋)

I.アンケートに関する基本情報
◆大企業を中心に、131件の回答を得た。
◆海外売上高比率や外国人持ち株比率が低く、国内市場中心の企業が多い

II.従業員に関する基本情報
(1)従業員数
◆女性比率は正規雇用において33%に対し、非正規雇用において65%と大きく上回る。
◆外国籍人財比率は正規雇用において3%、非正規雇用において1.6%と少数にとどまっている。

III.ダイバーシティ
1.女性の登用・活用
(1)女性の登用・活用の経営指針や経営計画等における明示
◆経営指針や経営計画等で明示し、対外公表している企業は7割以上(74.0%)まで上昇し、2014年からの2年間でほぼ倍増している。

(2)女性の登用・活用を推進する組織の設置
◆71.8%の企業が既に設置している。

(3)女性役員・管理職の登用
◆女性の登用・活用が喫緊の経営課題として認識されつつあるが、管理職7.1%(前年7.5%)、意思決定ボード4.0%(同4.1%)と進んでいない。
◆取締役5.5%(前年4.4%)、内社外取締役18.3%(同14.0%)など、経営トップ層への登用については進んでいることが分かった。
◆女性活躍推進法の施行もあり、8割近くの企業が役員および管理職の男女別構成を公表している(2015年は6割弱)。

2.外国籍人財の採用・登用・活用
(1)外国籍人財の新規採用の状況
◆外国籍人財の採用状況はキャリア採用(51.3%)より新卒採用(63.3%)が多い。
◆業種別では、新卒採用・キャリア採用ともに、製造業より非製造業で多い。
◆従業員規模別では、新卒採用・キャリア採用ともに、5,000人未満より5,000人以上の企業で多い。5,000人以上の企業では、新卒採用(93.0%)が、キャリア採用(61.5%)と比べて、特に多い。

3.中途採用者の採用・登用・活用
(1)中途採用の状況
◆今後、中途採用の比率を高める予定は21.9%。特に検討していないが6割(60.2%)を占める。

(2)中途採用者の採用・登用・活用に関する課題
◆「求める資質を備えた候補者(母集団)の不足」「入社後の定着・順応」「採用活動期間での見極め」、「社の知名度・定評」等が課題として挙げられている。
◆「業務内容の事前説明」、「リファーラルリクルーティング」「情報発信・コンテンツの改善」「適性見極めにおける独自の工夫」「研修などを通じた入社後のフォローアップ」等が特に効果を発揮した施策として挙げられている。

4.中高年人財の登用・活用
◆「モチベーションの維持・喚起」、「処遇方法」等が課題として挙げられている。
◆「再雇用制度の運用」「今後のキャリアプラン、ライフプラン検討に関する教育・研修」「若手社員に対するノウハウ・スキル伝承としての役割付与」「新たな地位・職階での処遇」等が特に効果を発揮した施策として挙げられている。

 

IV.多様で柔軟な働き方
(1)多様で柔軟な働き方を促進するための取り組み状況
◆全体の9割の企業が「短時間勤務制度」、「長時間労働の是正、残業時間の削減」、「年次有給休暇取得の奨励」等を導入している。

(2)長時間労働の是正に向けた取り組み
◆残業時間については、2015年に比べて「減少傾向」と答えるケースが増えており、50.4%と最も高くなっている。
◆長時間労働が是正されない理由・ボトルネックとして「ノウハウ・ナレッジの共有が進まない」、「マネジメントの不備(制度自体や管理職のスキル)」「長時間労働を肯定視する風土」、「顧客・取引先からの要求水準の高まり」「生産性向上のための効率化や見直しが進展しない」「業務特性(専門性の高さ・突発的な対応等)」「人員不足・人手不足」「賃金体系(労働時間に対する給与体系)」等が挙げられている。
◆「長時間労働を是正するために実行している取り組み」としては、多くの項目で、昨年に比べて「効果的+大変効果的」と評価される傾向となっている。中でも、
・残業申請ルールの明確化および管理の適正化
・職場全体での人員配置の適正化
・長時間労働の是正を行うという経営トップによる明確なメッセージの発信
・有給休暇の積極的な取得奨励などの取り組みは、昨年同様に効果的として捉えられている。

(3)有給休暇取得率
◆有給休暇取得率は、従業員数5千人以上規模の企業が相対的に高い。また、非製造業より製造業で高い。
◆男性育児休暇取得率も、従業員数5千人以上規模の企業が相対的に高い。男性育児休暇取得率は年々上昇している。
◆男性育児休暇取得日数の平均は、7日以内が最も多い(44.3%)。
男性育児休暇取得率は、分母が「(直近で把握されている)1年間で配偶者が出産した者の数」で、分子が「育児休暇を取得した者(開始予定の申請をしている者を含む)の数」で算出した。

(4)テレワーク
◆半数(51.1%)の企業がテレワークを導入している。対象範囲は全社員が4割(40.9%)、利用可能日数は限定していない(48.4%)より限定している(51.6%)の方がやや多い。
◆利用可能日数は月に5日以上10日未満が最も多い(48%)。
◆「情報管理・セキュリティ」、「労務管理や人事評価」「インフラ整備(コスト面等)」「社内コミュニケーションに関する不安(話す機会の減少)」「事業内容との互換性(なじまない)」「周囲の理解」等が課題として挙げられている。

(5)多様で柔軟な働き方に資するITを活用したツールの導入
◆ITを活用したツールはTV会議システム(92.4%)、スケジューラー(91.6%)が9割以上で導入されている。

 

■本文(PDF)

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(公益社団法人 経済同友会 http://www.doyukai.or.jp/ / 2月7日発表・同会プレスリリースより転載)