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人事サービス 人材育成・研修
掲載日:2016/04/06

法的義務であるセクハラ防止対策を実施している企業は半数以下か~「社内研修の実施状況と『ハラスメント研修』の受講経験についての調査」:エデュテイメントプラネット

eラーニングによる研修の企画と教材開発の株式会社エデュテイメントプラネット(本社:東京都杉並区 代表取締役 柳田 善弘)は、全国の20~60代の経営者・役員、会社員などを対象に、社内研修の実施状況と「ハラスメント研修」の受講経験について調査を行いました。以下、分析結果を公表します。

 

【調査結果概要】

  1. 社内研修の実施タイミングについて、「わからない/実施されていない」と回答した人が29.1%と3割近くいることがわかった
  2. 社内研修の受講スタイルは、講師による座学や、ディスカッション形式が依然主流であるものの、eラーニングなどについて、業種によって、実施に大きな差があるものもあることがわかった
  3. いわゆる「セクハラ防止対策」として、男女雇用機会均等法では「事業主が雇用管理上必要な措置」を義務づけているが、「社内研修として」実施している割合は29.3%と、30%に満たなかった

※より詳細なレポートは弊社Webサイトでも紹介しております

 

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査属性:20~60代の企業役員、会社員(派遣社員なども含む)546名
■調査期間:2016年3月2日(水)~3月4日(金)

 

【質問内容】
Q1-1:全社員を対象にして行われる研修のタイミングについて
Q1-2:入社・昇進・異動者など、特定の者を対象として行われる研修のタイミングについて
(以降はQ1-1,1-2の両方に「わからない/受講したことはない」を選択した人をのぞく人387人に質問)
Q2:受講したことのある研修の実施方法(複数回答可)
Q3:「職場のハラスメント」をテーマにした研修の受講経験(複数回答可)
Q4:職場でのハラスメント研修や、ハラスメントに関するその他の取り組みについての考え(自由記述)

 

■研修実施の実態は企業規模で大きな差がある
最初の質問では、勤務先における「全社員を対象」、あるいは「入社・昇進・異動者(以降『特定の者』といいます)を対象」とした研修の実施状況を質問しましたが、いずれについても「わからない/実施されていない」と回答した人が29.1%という結果となりました。

企業規模による研修実施状況は、5割程度の実施状況にとどまる300人未満の事業者(「中小企業」と表現します)に対し、300人以上の事業者(同「大企業」)については7割以上の実施があり、大きな開きがある実態が明るみになりました。

 

■研修の受講スタイルは集合研修がなおも主流~業種によって特徴的な結果も~
受講スタイルは、講義・グループワークを中心とした集合研修が依然主流であり、聞くことが中心のもの(76.0%)、グループワーク(64.6%)という結果となりました。

また、「ソフトウェア開発・ITサービス運用/保守・金融」業種におけるeラーニングの受講経験が52.0%と比較的高い割合を示しています。加え、「公務員・公共団体・学校」についてはグループワークや、書籍・資料の支給のスタイルについて調査全体の数値よりも大きく高い結果が現れており、業種によって取り入れる手段に違いが現れるケースもあることがわかります。

 

■法的義務であるセクハラ防止対策に一層の取り組みが必要
2007年4月に施行された改正男女雇用機会均等法によって、セクシュアルハラスメント(セクハラ)についての対策は「事業主が雇用管理上必要な措置」として「管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること」を義務づけています。また、企業のコンプライアンス意識が高まっている背景もあり、その中でもハラスメント防止対策は最重要課題となっています。一方、セクハラ以外にはパワーハラスメント(パワハラ)も近年大きく取りあげられるようになっています。法令による明確な規定はまだありませんが、厚生労働省が2012年に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」を立ち上げるなど、官民ともに職場のハラスメントについての意識が高まっています。

このような背景から、特にセクハラ・パワハラの防止対策について、企業の意識が高まり、調査回答者においても高い研修受講状況がうかがえるのではないかと弊社は予想し、質問しました。

しかしながら、質問の中でも最も高い割合となったセクハラについての研修受講経験であっても、41.3%と本質問の回答対象となった387人の中でも、半数以下という結果になりました。

この結果は社内研修の実施タイミングについて、「わからない/実施されていない」と回答した人をのぞいているため、これらの人を加えた今回の調査対象者全員(546人)で換算すると29.3%となり、3割を切ることが明るみになります。

社内研修が唯一の「セクハラ防止対策」ではありませんが、、今回の調査結果から考えると、多くの事業者が問題意識の周知・啓発を従業員に対して「セクハラ防止対策」を十分行うことができていないか、行っていたとしても従業員が「実感できる」ものを提供できていない可能性があるといえるのではないでしょうか。

 

お問い合わせ先
株式会社エデュテイメントプラネット
マーケティング担当:横田、渡辺
E-Mail:info@edtm-planet.co.jp
土日・祝祭日・年末年始はお休みをいただいております。

 

◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社エデュテイメントプラネット http://edtm-planet.co.jp/ /4月5日発表・同社プレスリリースより転載)