[人材育成] 2011/08/23

「若年技能系社員の育成・能力開発に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)

ものづくり産業における、若年技能系労働者の採用、定着、教育訓練・能力開発などの実態を探り、若年技能系労働者の人材育成をめぐる課題を明らかにすることを目的として、労働政策研究・研修機構が実施した調査。2011年7月26日発表。今回は、その調査結果の中から、育成・能力開発の取り組み内容、それがうまくいっているか、今後の方針、について取り上げる。育成・能力開発がうまくいっていない企業は3割ほどであり、その理由で最も多いのは、「育成をになう中堅層の従業員が不足しているから」である。教育研修会社の皆様は、中堅層の教育研修等にビジネスチャンスがあると捉えることができるのではないだろうか。 (編集部)

【調査概要】

1. 調査の趣旨・目的

ものづくり産業において、技能者を育成していくために要する期間は長く、その確保・育成は計画的に行っていく必要がある。そのため、ものづくり産業が今後とも我が国において存立基盤を維持・発展させていくためには、若年者を中心とした技能者が安定的に供給され、ものづくり企業がそれらの人材の技能を継続的に高めていけるような環境整備が必要となる。

本調査は、ものづくり産業における、若年技能系労働者の採用、定着、教育訓練・能力開発などの実態を探り、若年技能系労働者の人材育成をめぐる課題を明らかにすることを目的とする。


2.調査の概要

  • 調査対象:製造業のうち、プラスチック製品製造、鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業、はん用機械器具、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、輸送用機械器具製造業の従業員30人以上の民間企業10,000社。
    ※帝国データバンクの企業データベースを母集団に、業種、規模別に層化無作為抽出。
  • 調査方法:郵送配布・郵送回収
  • 調査期間:2010年10月4日~10月15日
  • 回収数:有効回収数3229件/有効回収率32.3%

3.回答企業属性

回答企業のおもな属性は以下の通り。

回答企業属性

【調査結果】

若年技能系社員の育成・能力開発のために、企業は、どのように取り組んでいるのだろうか(複数回答)。55.6%ともっとも多くの企業が取り組みにあげたのは「仕事の内容を吟味して、やさしい仕事から難しい仕事へと経験させる」こと。次いで、「作業標準書や作業手順書を使って進めている」が51.9%と続き、以下、「指導者を決めるなどして計画に沿って進めるOJT」(47.6%)、「職場における改善・提案の奨励」(44.4%)、「主要な担当業務のほかに、関連する業務もローテーションで経験させる」(37.4%)、「研修などのOFF-JT」(35.3%)の順となっている。

■若年技能者の育成・能力開発の取り組み(複数回答n=3229)若年技能者の育成・能力開発の取り組み

そもそも、若年技能系社員の育成・能力開発がうまくいっているかどうかについては、「ある程度うまくいっている」が61.8%と過半数で、「うまくいっている」(4.4%)を合わせると、7割弱(66.2%)の企業が「良好」と評価している。とは言うものの、「うまくいっていない」とする企業(「まったくうまくいっていない」(1.1%)と「あまりうまくいっていない」(29.8%)の合計)も3割強(30.9%)と尐なくない。従業員規模別にみると、規模が大きいほど、育成・能力開発が「良好」にいっている割合は高く、逆に「うまくいっていない」割合は低くなっている。とくに「1000人以上」では、「良好」な割合は91.7%と9割以上に達しており、「うまくいっていない」のは8.3%と僅かにすぎない。

若年技能系社員の育成・能力開発が「うまくいっていない」のは何故だろう。「あまりうまくいっていない」「まったくうまくいっていない」と回答した企業に、その理由を聞いたところ、「育成を担う中堅層の従業員が不足しているから」をあげる企業が58.9%と過半数でトップとなり、次いで「効果的に教育訓練を行うためのノウハウが不足しているから」が44.6%、「若年正社員に新しい技能や知識を身につけようという意欲がないから」で34.6%、「新たに製造現場に配属される若年技能系正社員が尐ないから」は28.4%、「職場の従業員の数に比べて仕事の量が多すぎるから」は19.8%、「従業員が短期的な成果を求められるようになっているから」が19.3%などと続いている。「うまくいっていない」とする企業は、ほとんどが「300人未満」であるため、中小企業の育成・能力開発についての課題が色濃くでる結果となっている。

■若年技能系正社員の育成・能力開発がうまくいっているか(規模別、n=3229)若年技能系正社員の育成・能力開発がうまくいっているか

■若年技能系正社員の育成・能力開発がうまくいっていない理由(複数回答、n=995)若年技能系正社員の育成・能力開発がうまくいっていない理由

若年技能系社員の育成・能力開発に関する今後の取り組み方針について、今後、育成・能力開発の対象をどのように考えるかでは、「全体の底上げ重視」(「社員全体の底上げを重視」と「社員全体の底上げ重視に近い」の合計)が73.7%と7割を超え、「選抜重視」(23.6%、「選抜教育を重視」と「選抜教育を重視に近い」の合計)を上回っており、従業員規模による差はほとんどみられない。

■若年技能系正社員の育成・能力開発方針(n=3229)若年技能系正社員の育成・能力開発方針

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構/2011年7月26日発表・「若年技能系社員の育成・能力開発に関する調査」
(本ページは、『日本の人事部』編集部と『HRプラザ』編集部が、上記調査結果の一部を抜粋して作成しました)

HR業界団体情報

HR業界の代表的な業界団体をご紹介いたします。
一般社団法人日本テレワーク協会
テレワークを通じ、調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与する。

一般社団法人 日本エンジニアリングアウトソーシング協会
社会的責任を果たすための厳しい基準をクリアした技術系アウトソーシ...

ATDインターナショナルメンバーネットワークジャパン
米国ATDの活動に賛同しているパートナー。2007年設立。日本において...

公益社団法人 全国求人情報協会
求人情報媒体が読者の職業の選択と安定した職業生活に役立つことなど...

一般社団法人 日本人材紹介事業協会
厚生労働大臣の許可を受けてホワイトカラーを中心とした職業紹介を行...

一般社団法人 日本人材派遣協会
労働者派遣法の趣旨に則り、労働者派遣事業の適正な運営を図るため...

日本人材マネジメント協会
「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を使命に、我が...

一般社団法人 日本生産技能労務協会
製造業などにおける労働者の就業の安定労務管理の安全を図り...

HR業界団体情報一覧

主催イベント

講演&交流会レポート

新年会~講演&交流会~

人事サービス業(人材サービス、研修・教育、人事BPOサービスなど)に携わる皆さまを対象とした「新年会~講演&交流会~」を2月2日に開催致しました。


『日本の人事部』情報掲載サービス
HRカンファレンス出展のご案内
HRリーグ