『労政時報』提携

2012年 役員報酬・賞与等の最新実態 (2/2ページ)

年間報酬に占める賞与の割合

従業員クラスは年収の約4分の1を賞与が占めるが、役員は1割前後にとどまる

前出の「2012年度モデル賃金・年収調査」によると、大学卒・総合職の従業員の場合、入社1年目を除き、年収に占める賞与の割合は約25~27%とおおむね4分の1を占めています。一方、「本調査」での役員の場合は会長14.0%、社長9.1%、副社長13.3%、専務9.7%、常務10.5%、取締役(兼務は除く)7.2%と、ほぼ1割前後であり、従業員の賞与割合に比べるとかなり小さくなっています。

このように年収に占める賞与の割合で、従業員と役員との間に大きな差が生じるのは賞与の性格の違いに起因すると考えられます。

従業員に支給される賞与は、かつては賃金や生計費の一部として捉えられ、固定的な性格が強いものでした。最近では、賞与についても業績連動型の原資決定方式が多く見られるようになり、人事考課に基づく個人配分も、より業績重視の色彩が強まっています。一方、月例給に連動した基礎給に対して支給率(月数)を設定する賞与算定方式も少なくありません。いわば生計を賄う月例賃金の延長として、賞与にも生活維持のための“最低保障”的な要素が組み入れられているといえます。

これに対して、役員に支給される賞与は、企業業績に応じ職務遂行の対価として支給される利益配分の一部という性格を持ち、従業員賞与のような“最低保障”的要素は含まれていません。こうした違いが、前記のような年収に占める賞与割合の差となって表れているといえるでしょう。

【図表2】役位別に見た年間報酬と構成比

【図表2】役位別に見た年間報酬と構成比

規模別に見た役位別平均額

社長の年間報酬は、1000人以上と300人未満では約2倍の格差

代表的な役位である社長を例に、規模別の年間報酬を比較してみましょう。1000人以上では6117万円(報酬月額455万円・年間賞与657万円)と6000万円を超えるのに対し、300~999人は4002万円(同308万円・306万円)、300人未満は3256万円(同251万円・244万円)と、規模が大きいほど水準は高くなっています。1000人以上と300人未満の水準格差は約1.9倍に達しています。

社長の年間報酬の内訳を見ると、報酬月額では、1000人以上が455万円、300~999人が308万円、300人未満が251万円。規模が大きいほど高額になっており、1000人以上規模の報酬月額を100.0として指数で格差を見ると、300~999人は67.7、300人未満は55.2となります。

同様に、年間賞与も規模が大きくなるほど高額で、1000人以上が657万円、300~999人が306万円、300人未満が244万円。同じく1000人以上規模の賞与水準を100.0として指数化すると、300~999人では46.6、300人未満では37.1と、先に見た「報酬月額」より規模間の差は大きくなっています。

専務、常務、取締役(兼務は除く)についても、企業規模により年間報酬に大きな差が見られました。1000人以上を100.0として300~999人、300人未満をそれぞれ指数で見ると[図表3]、専務は66.4、55.9、常務は73.1、73.9、取締役(兼務は除く)は66.9、66.7となっています。社長を含め、1000人以上と1000人未満では大きな差があり、300~999人と300人未満では300~999人のほうがやや高い傾向はあるものの、その差は比較的小さいといえます。

【図表3】役位別年間報酬の規模格差(1,000人以上=100.0)

【図表3】役位別年間報酬の規模格差
[注]上記の規模格差は、[図表1]で求めた規模別の平均支給額を基に算出した数値である。

注)

1)* ここでは、一般財団法人労務行政研究所が2012年7月11日~9月28日にかけて行った「役員の報酬等に関する実態調査」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3835号(2012年12月14日発行)に掲載されています。

2)*当調査では、報酬は「2012年7月現在」、賞与は「2012年7月時点から直近1年間における支給実績」を回答いただいています。賞与については、役員にもともと支給がないケースや、業績不振などにより全額不支給としているケースは“0”として集計に含めています。なお、年度途中での昇格者や退任者は、報酬・賞与とも集計から除外しています。

◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください→ 「WEB労政時報」体験版


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